※構成銘柄等の情報アップデート(2018年10月)

ジェレミー・シーゲル氏の『株式投資の未来』によると、生活必需品セクターは年率13.4%(1957年~2003年)という高いリターンをもたらしました。同期間のS&P500平均を2%以上も上回りました。

高いブランド力を活かして食品、タバコ、石鹸、日用雑貨などの生活必需品を販売し続けることで、常に安定したキャッシュを稼ぎ株主に富を還元し続けてきたからです。「信用と信頼が生活必需品セクターの利益の源泉だった」とのこと。

さらに、シーゲル氏は国内(アメリカ)だけでなくグローバルに投資することの重要性も強調しています。米国企業:米国外企業 = 60 : 40が適当だそうです(ただし、これはアメリカ人投資家を前提としている)。

シーゲル教授の主張を信用するのであれば、グローバルな生活必需品セクターに投資することは有効な投資戦略だと言えます。

米国外の生活必需品セクター銘柄には、ネスレやブリティッシュ・アメリカン・タバコ、アンハイザー・ブッシュ、ユニリーバなどなどそうたるメンツが揃っています。

そんな、グローバル生活必需品セクターに投資できる便利なETFがiシェアーズ・グローバル生活必需品 ETF(KXI)です。

 

   KXI紹介

概要

生活必需品セクターのグローバル株式で構成される指数と同等の投資成果をあげることを目指しています。

 

国別構成割合

 

経費率

0.47%

 

組入銘柄数

87銘柄

 

上位構成銘柄

ティッカー 銘柄名 比率
NESN ネスレ 7.9%
PG プロクター&ギャンブル 6.8%
KO コカ・コーラ 5.6%
PEP ペプシコ 4.8%
WMT ウォルマート 4.5%
PM フィリップモリス 4.3%
MO アルトリア・グループ 3.8%
BATS ブリティッシュ・アメリカン・タバコ 3.1%
COST コストコホールセール 3.1%
UNA ユニリーバNV 2.8%
DGE ディアジオ 2.6%
ABI アンハイザー・ブッシュ・インベブ 2.3%
WBA ウォルグリーンズ 2.0%
ULVR ユニリーバPLC 2.0%
MDLZ モンデリーズ・インターナショナル 1.9%
RB. レキットベンキーザー 1.8%
CL コルゲート・パルモリーブ 1.6%
OR ロレアル 1.6%
BN ダノン 1.4%
WES ウェスファーマーズ 1.2%
KMB キンバリー・クラーク 1.1%
KHC クラフト・ハインツ 1.1%
3382 セブン&アイホールディングス 1.1%
SYY シスコ 1.1%
STZ コンステレーション・ブランズ 1.0%

上位10社構成割合:47%
上位25社構成割合:70%

 

売買回転率

5%

 

分配金利回り

2.5%

 

過去10年リターン

10.1%(配当込み)

 

    ややコスト高も貴重な優良ETF

構成比率トップはスイスのネスレです。チョコレート菓子の「キットカット」や「エアロ」、コーヒーの「ネスカフェ」など馴染みのある製品を多数を保有しています。食品メーカーとしては世界最大の企業です。ネスレには大手ネット証券からは直接投資できませんが、このKXIに投資することでアプローチできます。構成比率は8%と高いです。

2位以降は米国の企業が続いています。プロクター&ギャンブル、コカ・コーラ、ペプシコ、ウォルマート、フィリップモリス、アルトリアグループなど。

これらに続いて英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、英ユニリーバ、英ディアジオ、ベルギーのアンハイザーブッシュ・インベブ、仏ダノン、仏ロレアルなど米国外の有名企業たちが登場します。英国企業が多いですね。米国外としては英国企業がもっとも多く、次にスイス、日本となっています。

日本企業としては23位にセブン&アイホールディングスがいます。この表には載っていませんが、花王や日本たばこ産業、資生堂、キリン、ヤクルト、ユニ・チャーム等の日本企業が含まれています。

こんな感じでグローバルに投資できるのがKXIの魅力です。生活必需品セクターのETFとしてはXLPやVDCもありますが、これらは米国企業のみを投資対象としています。

ただKXIは良いことばかりではなくデメリットもあります。それは経費率が0.47%/年とやや高いことです。昨今ETFの手数料競争が激しく、S&P500ETFなんて0.1%を切っています。XLPやVDCの手数料も0.1%ほど。KXIの0.47%という手数料は決して高いわけでありませんが、他の商品と比べるとどうしても劣ってしまう点です。

分配金利回りは2.5%と十分満足できる水準です。

米国だけでなく世界中の生活必需品セクター銘柄に投資したいならKXI一択です。コストはやや高めですが、個別株で投資しづらいネスレ等に投資できる点を考えれば納得できます。長期保有できる優良ETFです。