※2019年12月期決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はグーグル親会社のアルファベット(GOOGL)をご紹介します。

基本情報

会社名 アルファベット
ティッカー GOOGL
創業 1998年
上場 2004年
決算 12月
本社所在地 カリフォルニア州
従業員数 118,899
セクター 情報技術
S&P格付  AA
監査法人  EY
ダウ30 ×
S&P100
S&P500
ナスダック100
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

無配。
自社株買い実績はあり。

連続増配年数

無配

過去10年の配当成長

無配

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2010~2019):+15.7%
設立以来(2005~2019):+19.1%

バリュエーション指標(2020/2/7時点)

予想PER:23.8倍 最新情報はこちら

配当利回り:無配 最新情報はこちら

コメント

アルファベットは2015年に設立されたグーグルの持株親会社です。スタンフォード大学に在籍していたラリー・ペイジ氏とセルゲイ・プリン氏が1998年に設立しました。「世界の情報を整理する」というミッションを掲げ、優れた情報検索ロジックを創り上げました。「ググる」、「グーグル先生に聞く」といった言葉はすでに日常生活に溶け込んでますね。

グローバルでビジネスを展開していますが、規制のため中国での売上高はありません。中国政府の検閲に沿った検索システムで参入するという話もありますが、具体的な話にはなっていません。売上の半分弱が米国、3割強が欧州です。

2019年に共同創業者のラリー・ペイジCEOとサーゲイ・ブリン社長が退任し、スンダー・ピチャイ氏がアルファベットのCEOに就任しました。

CEO交代の影響なのか、FY19より今まで非公開だったYouTubeやクラウド事業の収入を公開しました。主な開示セグメントは以下の4つ
・グーグル広告
・YouTube広告

・グーグル(その他広告)
・クラウド

「グーグル広告」はググって検索した際にページ上部などに表示される広告です。グーグル全体の61%を占めます。

「YouTube広告」は動画ストリーミングのプラットフォームYouTubeで得た広告収入です。動画と音で視聴者に遡及できるYouTube広告の効果は非常に高いと、毎日YouTubeを観ていて感じます。ちなみに、YouTube広告がきっかけでNewsPicksのプレミアム会員になりました。モルガンスタンレーは2年ほど前に、YouTube収入はグーグル全体の10%以上を占めるだろうと言っていましたが、蓋を開けてみればまだ9%ほど。これからさらに成長するでしょう。

「グーグル(その他広告)」は私がこのブログで貼っているアドセンス広告を含みます。

「クラウド」はGoogle Cloud Platform(GCP)の収益です。アマゾン、マイクロソフトの背中を追いかけています。

財務データを見てみましょう。

売上高は綺麗な右肩上がりですが、グロスマージンはここ数年低下傾向です。トラフィック獲得コスト(TAC)の増加が影響しています。

FY19の売上高は1,619億ドルで前年比+18%。グーグル広告の伸長率は+15%にとどまったものの、クラウド(+53%)とYouTube広告(+36%)が成長を牽引しました。粗利率は56%で前年から1ポイントほど下落。データセンターへの投資、運用コスト、YouTubeコンテンツの取得費用などが嵩んでいます。

FY19の純利益は343億ドルで前年比+12%。コストが増えているとは言え、純利益率は21%で依然高収益です。ROEは49%。

営業キャッシュフローは安定していますが、フリーキャッシュフローがこの4年ほど横ばいです。設備投資が増えています。クラウド事業拡大のためのデータセンターへの投資、その他広告以外のビジネスへの投資です。

バランスシートを見てましょう。流動資産が総資産の6割弱を占めます。内容はほとんど現預金(売却可能有価証券を含む)です。2019年12月末時点で約1,200億ドルの現預金を保有しています。固定資産は主に設備等の有形固定資産です。土地建物への投資も増えています。

自己資本比率が76%と非常に高いです。広告収入は安定しているように思いますが、レバレッジを掛けずに安全な経営がなされています。裏を返せば、もっと積極的な株主還元を求める圧力が高まる可能性もあります。

配当はまだありませんが、自社株買いの規模は年々増えています。FY19には184億ドルの買い戻しを実施しました。これは純利益の54%に相当します。CEOも変わりましたし、アルファベットの財務方針が徐々に変わっていくかもしれません。