※2020年12月期決算データ反映、コメント刷新
S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。
データソースはMorningstarです。
今回はグーグル親会社のアルファベット(GOOGL)をご紹介します。
基本情報
会社名 | アルファベット |
ティッカー | GOOGL |
創業 | 1998年 |
上場 | 2004年 |
決算 | 12月 |
本社所在地 | カリフォルニア州 |
従業員数 | 135,301 |
セクター | 情報技術 |
S&P格付 | AA |
監査法人 | EY |
ダウ30 | × |
S&P100 | 〇 |
S&P500 | 〇 |
ナスダック100 | 〇 |
ラッセル1000 | 〇 |
地域別情報
地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報
セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

業績


キャッシュフロー

バランスシート
資産

負債純資産

株主還元
無配。自社株買い実績はあり。

連続増配年数
無配
過去10年の配当成長
無配
過去の株主リターン(年率、配当込み)
過去10年(2011~2020):+19.4%
設立以来(2005~2019):+19.0%
バリュエーション指標(2021/2/6時点)
予想PER:25.8倍 最新情報はこちら
配当利回り:無配 最新情報はこちら
コメント
アルファベットは2015年に設立されたグーグルの持株親会社です。スタンフォード大学に在籍していたラリー・ペイジ氏とセルゲイ・プリン氏が1998年に設立しました。「世界の情報を整理する」というミッションを掲げ、優れた情報検索ロジックを創り上げました。「ググる」という表現はすでに日常生活に溶け込んでますね。
グローバルでビジネスを展開していますが、規制のため中国での売上高はありません。中国政府の検閲に沿った検索システムで参入するという話もありますが、具体的な話にはなっていません。売上の半分弱が米国、3割強が欧州です。
2019年に共同創業者のラリー・ペイジCEOとサーゲイ・ブリン社長が退任し、スンダー・ピチャイ氏がアルファベットのCEOに就任しました。
CEO交代の影響なのか、FY19より今まで非公開だったYouTubeやクラウド事業の収入を公開しました。主な開示セグメントは以下の4つ
・グーグル広告
・YouTube広告
・グーグル(その他広告)
・クラウド
「グーグル広告」はググって検索した際にページ上部などに表示される広告です。グーグル全体の61%を占めます。
「YouTube広告」は動画ストリーミングのプラットフォームYouTubeで得た広告収入です。動画と音で視聴者に遡及できるYouTube広告の効果は非常に高いと、毎日YouTubeを観ていて感じます。
「グーグル(その他広告)」は私がこのブログで貼っているアドセンス広告を含みます。
「クラウド」はGoogle Cloud Platform(GCP)の収益です。アマゾン、マイクロソフトの背中を追いかけています。

財務データを見てみましょう。
売上高は綺麗な右肩上がりですが、粗利率はここ数年低下傾向です。トラフィック獲得コスト(TAC)の増加が影響しています。
FY20の売上高は1825億ドルで前年比+13%。前年の増収率20%よりは低いですが、コロナ禍の中立派な結果と言えるでしょう。
セグメント別の売上成長率は以下の通り。
グーグル広告+6%
YouTube広告+31%
その他広告+7%
グーグルクラウド+46%
FY20の純利益は402億ドルで前年比+17%。純利益率は22%。
バランスシートを見てましょう。流動資産が総資産の6割弱を占めます。内容はほとんど現預金(売却可能有価証券を含む)です。2019年12月末時点で1,370億ドルの現預金を保有しています。固定資産は主に設備等の有形固定資産です。土地建物への投資も増えています。
自己資本比率が70%と高いですが、近年徐々に減少傾向です。株主還元に積極的になっているためです。財務は極めて健全です。
配当はまだありませんが、自社株買いの規模は年々増えています。FY19には311億ドルの買い戻しを実施しました。フリーCF428億ドルに占める割合は73%。純利益に占める割合は77%。アルファベットは還元ステージに入りつつあります。