※FY19(2019年12月期)決算データ反映、コメント刷新
S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。
データソースはMorningstarです。
今回はアマゾン・ドット・コム(AMZN)をご紹介します。
基本情報
会社名 | アマゾン・ドット・コム |
ティッカー | AMZN |
創業 | 1994年 |
上場 | 1997年 |
決算 | 12月 |
本社所在地 | ワシントン州 |
従業員数 | 798,000 |
セクター | 一般消費財 |
S&P格付 | AA- |
監査法人 | EY |
ダウ30 | × |
S&P100 | 〇 |
S&P500 | 〇 |
ナスダック100 | 〇 |
ラッセル1000 | 〇 |
地域別情報
地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報
セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

セグメント利益率推移

業績


キャッシュフロー

バランスシート
資産

負債純資産

株主還元
無配。
自社株買い実績もなし。
連続増配年数
無配
過去10年の配当成長
無配
過去の株主リターン(年率、配当込み)
過去10年(2010~2019):+38.5%
過去20年(2000~2019):+17.3%
バリュエーション指標(2020/2/4時点)
予想PER:50.0倍 最新情報はこちら
配当利回り:無配 最新情報はこちら
コメント
アマゾン・ドット・コム(AMZN)は、言わずと知れた世界最大の電子商取引企業です。アマゾンに今までお世話になったことがない人は、ほとんどいないでしょう。かく言う私はkindleくらいしか利用してませんが。
売上高の7割が米国です。国土が広い米国は日本よりもネット通販の需要が高そうです。ドイツ、英国、日本と続きます。
以下は開示している最も細かい事業区分です。
()内は構成比。
・オンラインストア(50%)
・実店舗(6%)
・サードパーティーセラーサービス(19%)
・サブスクリプションサービス(7%)
・AWS(12%)
「オンラインストア」はデジタルコンテンツを含むネット通販収入です。kindleでの書籍販売収入もこのカテゴリーに含まれます。「オンラインストア」の売上高は1,400億ドルを超えています。
「実店舗」は2017年8月に買収した高級スーパーのホールフーズ・マーケットが主です。
「サードパーティセラーサービス」とはマーケットプレイスに出品してくれる事業主に対するサービス提供です。具体的には、物流拠点であるフルフィルメントセンターで商品の保管、注文処理、出荷処理、カスタマーサービスを代行しています。
「サブスクリプション・サービス」はアマゾンプライムメンバーの会費収入が含まれます。AWS以外のあらゆるサブスクリプション収入が含まれます。
「AWS」はAmazon Web Servicesの略で、クラウドコンピューティングを提供しています。世界のクラウド市場でAWSは業界トップの地位にあります。
新たに手を付けようとしている事業としては電子公告や金融があります。消費という分野に関しては、グーグル以上の顧客情報を持っているのがアマゾン。効果的なターゲティング広告が可能で、相応の広告掲載料を取れるはずです。IT大手の利益の源泉は情報です。

財務データを確認しましょう。
もの凄いスピードで成長しています。売上高はこの10年で10倍超に成長。徐々に利益も残るようになっています。特にAWSが粗利改善に貢献しています。AWSの利益率は驚くほど高いです。
FY19の売上高は2,805億ドルで前年比+20%。北米ネット通販事業が+21%と堅調で、AWSも37%伸びました。
FY19の純利益は116億ドルで前年比+15%。営業利益も+17%と順調。営業利益の6割以上をAWSが稼ぎ出しています。AWSの売上成長率は依然高いものの、FY18の+47%からは低下しました。マイクロソフトなどの競合が追い上げています。
キャッシュフローを見ると近年はフリーキャッシュフローに余裕が生まれていることがわかります。データセンターや倉庫などに多額の投資を行っていますが、営業キャッシュが多いため現金が余っている状況です。無配の成長企業ですが、フリーキャッシュフローがプラスなのは投資家として安心できますね。
バランスシートを見てみましょう。事業拡大に伴って総資産も増加基調です。2019年末時点の総資産額は2,252億ドル(約25兆円)。倉庫等の有形固定資産がもっとも大きな項目です。負債がやや増加傾向ですが、借金ではなくリース会計基準の変更でリース債務を追加で認識している影響です(その見合いとしてリース資産も認識している)。
自己資本比率は27%で結構レバレッジを掛けています。有利子負債もそれなりにありますが、仕入債務が多いため負債が大きくなっています。仕入債務が多いのは悪いことではなくむしろ良いことです。アマゾン側に交渉力があるからこそ、支払いタームが長くなり債務がたくさんBSに残ります。仕入債務回転日数は76日で、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)はなんとマイナスです。
株主還元はありません。
Hiroさん、
いつもお世話になっております。
とうとうアマゾンですね!!
配当再投資をメインで行っていく方針に変わりはないのですが、
アマゾンとグーグルに投資すべきだったとはずっと思っていますが、
こればっかりは誰も読めないですよね。。
いつか必ず訪れる下落相場ではアマゾンへの投資もチャレンジしてみます!
いまは無理ですが、、w
のりのりっちさん、こんばんは。
超メジャー企業にもかかわらず、更新が遅くなりました。
やはり自分が投資を考えている銘柄を優先的に更新してしまうところがありまして。
私も今のアマゾンには投資できませんね。PER200倍ですから。
ただきちんとキャッシュを稼げていますから、アマゾンへの長期投資も報われると思います。バリュエーション判断はできませんが。
グーグルはまだ投資しやすいです。PERは20倍強でアマゾンは異なる種類のグロース株です。
下落相場というよりは、配当を出し始めたらアマゾンへの投資も検討したいです。あの10年は掛かりますかね・・。
PER200倍ですから、急にEPS成長が止まれば株価下落は凄まじいでしょう。そのリスクを取る価値はあると思います。
コメントありがとうございます。
グーグルがPER的には投資するに値するのは知ってましたが、私の中では不景気に大きく下げるような気がしてまして、、、広告メインでしょうから。
まあ、投資判断は既に間違ってるので、暴落時にリベンジ買いします!w
一応、暴落時用に100万円用意しました。
いつ活用出来るだろうか、、、ですね。
>不景気に大きく下げるような気がしてまして、、、広告メインでしょうから。
そう、そこまさに今後記事にしたいな~と思っていた観点です。
広告メインの事業のディフェンシブ性って如何ほどでしょうかね。
のりのりっちさんがおっしゃる通り、私も広告メインだと不景気ではそこそこ落ちるだろうと想定してます。
ただ、企業はグーグルやフェイスブックなどのプラットフォームへの広告支出を大幅に下げない気もします。
その辺、もうちょっと考察したいな~と思案しております。まだ記事にして自分なりの意見を書いてみます。
暴落は起きそうで起きない環境が数年続いています。
果たして景気回復期はいつまで続くのやら。マクロ経済は読めないですね。