FY19(2019年9月期)決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はウォルト・ディズニー(DIS)をご紹介します。

基本情報

会社名ウォルト・ディズニー
ティッカーDIS
創業1923年
上場1957年
決算9月
本社所在地カリフォルニア州
従業員数223,000
セクター一般消費財・サービス
S&P格付A
監査法人PwC
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

セグメント利益率推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

2年

過去10年の配当成長

年率+17.5%

この9年で配当は5.0倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+18.7%
過去20年(1999~2018):+8.1%
過去30年(1989~2018):+11.7%

バリュエーション指標(2019/11/23時点)

予想PER:23.4倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.2% 最新情報はこちら

コメント

ウォルト・ディズニーと言えば、ディズニーランド・シーといったテーマパークを運営する企業という印象があるかもしれませんが、テーマパーク事業の収入は全体の4割弱です。ケーブルネットワーク、テレビ、映画などのメディア事業で稼ぐ収入の方が多いです。

主なケーブルネットワークのブラントとしてはスポーツ番組のESPN、ミッキーマウスでお馴染みのディズニー、ライブアクション番組などを放送するフリーフォームなどがあります。

さて、ウォルトディズニーは最近メディア事業で大きな戦略転換を試みています。そのきっかけを作ったのがネットフリックスの台頭。ディズニーは今までネットフリックスにコンテンツを提供してきましたが、その方針を取り止め、自社で動画配信プラットフォームを確立させました。メディア事業ではオンラインこそ重要で、そのプラットフォームを他社に任せるのは競争上不安であり、リスクを取ってコストを掛けてでも自前で配信事業を行うべきという経営判断です。

ディズニーの動画配信サービス”Disney+”は今年11月から米国で開始。月額6.99ドルでネットフリックスより安価です。すでに1000万人超の会員を獲得したとの情報も聞こえてきます。ディズニー幹部は2024年までに会員数を最大で9000万人まで増やすという目標をウォール街に伝えています。

もう一つ、ディズニーの事業構造に大きなインパクトを与える出来事がありました。21世紀フォックスの事業資産の取得です。買収額は713億ドル。フォックスのテレビ制作会社、CATVを傘下に収めました。また、フォックスの映画タイトル「トイ・ストーリー」、「スターウォーズ」、「アベンジャーズ」もディズニーのものです。

ディズニーは動画ストリーミングのHuluも手に入れました。もともとHuluの発行済み株式の30%を保有していましたが、21世紀フォックスも同社株を30%保有しているので合わせて60%となり過半数を超えます。コムキャストが持つ33%の持分も将来的に買い取る予定です。

スポーツ中継のライブストリームのESPN+も以前から運営しています。

つまり、ディズニーは
①Disney+
②Hulu
③ESPN+
という3つの動画配信サービスを同時に運営することになります。バンドルにするのか、それとも個別契約にするのでしょうか。これから、ディズニーのメディア事業がどう成長していくのか要注目です。

ディズニーは変革期にあります。財務データも大きく動いています。この後見ていきましょう。

財務データを確認しましょう。

FY19の売上高は695億ドルで前年比+17%。21世紀フォックスの買収が寄与しており、既存事業の成長率はここまで高くありません。買収影響を正確に排除して分析するのは難しかったですが、既存のテーマパーク事業なども総じて好調です。メディア事業+13%、テーマパーク+6%、スタジオエンターテインメント+11%という結果です。

FY19の純利益は110億ドルで前年比減益。21世紀フォックスの買収に伴い、一部従業員のリストラ費用及び減損損失を11億ドル計上しています。また、税法変更による一時費用も計上しています。ただし、前年FY18は繰延税金負債の再評価益を21億ドル計上していたので、実質的には増益決算と見ています。再編などで一時項目が多すぎて、正確な分析ができません。すみません・・。中期的に業績をウォッチしていきたいです。

FY19の営業キャッシュフローは60億ドルと前年の1/3程度まで急減しています。買収など事業再編があるとは言え、ここまで営業CFが低下するのは心配になりますね。多額の法人税の支払いあったことが主な原因でした。詳細は理解できませんでした。

バランスシートも大きく変動していますね。総資産は985億ドルから1,940億ドルに増加しています。言うまでもなく、21世紀フォックスの買収による影響です。のれんと無形資産が大きく増えています。

固定資産が総資産の8割以上を占めますが、買収に伴うのれんとテーマパークの土地、アトラクション等の有形固定資産が半々です。やはり有形固定資産は多いです。日本の東京ディズニーランドはブランド提供ビジネス(オリエンタルランドに対する)ですが、フロリダやカリフォルニアのテーマパークは自社保有です。あとホテルも多数保有しています。

配当性向は20%台で増配余地を大きく残しています。これまでかなりの自社株買いを続けてきましたが、FY18は控え目、FY19はゼロでした。低利で借金して自社株買いする流れが一巡していることに加え、既述の戦略投資を株主還元より優先させています。