FY20(2020年9月期)決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はウォルト・ディズニー(DIS)をご紹介します。

基本情報

会社名ウォルト・ディズニー
ティッカーDIS
創業1923年
上場1957年
決算9月
本社所在地カリフォルニア州
従業員数203,000
セクター一般消費財・サービス
S&P格付A
監査法人PwC
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

セグメント利益率推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

※純損失だったFY20の配当性向、総還元性向は100%としている

連続増配年数

過去10年の配当成長

年率+9.7%

この10年で配当は2.5倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2011~2020):+18.6%
過去20年(2001~2020):+11.0%
過去30年(1991~2020):+11.9%

バリュエーション指標(2021/2/14時点)

予想PER:39.9倍 最新情報はこちら

配当利回り:N/A 最新情報はこちら

コメント

ウォルト・ディズニーと言えば、ディズニーランド・シーといったテーマパークを運営する企業という印象があるかもしれませんが、テーマパーク事業の収入は全体の4割弱です。ケーブルネットワーク、テレビ、映画などのメディア事業で稼ぐ収入の方が多いです。

主なケーブルネットワークのブラントとしてはスポーツ番組のESPN、ミッキーマウスでお馴染みのディズニー、ライブアクション番組などを放送するフリーフォームなどがあります。

ウォルトディズニーは最近メディア事業で大きな戦略転換を試みています。そのきっかけを作ったのがネットフリックスの台頭。

ディズニーは今までネットフリックスにコンテンツを提供してきましたが、その方針を取り止め、自社で動画配信プラットフォームを確立させました。メディア事業ではオンラインこそ重要で、そのプラットフォームを他社に任せるのは競争上不安であり、リスクを取ってコストを掛けてでも自前で配信事業を行うべきという経営判断です。

ディズニーの動画配信サービス”Disney+”は月額6.99ドルとネットフリックスより安価です。ディズニー幹部は当初2024年までに会員数を9000万人にするという目標をウォール街に伝えていましたが、コロナ禍という追い風もあり2020年末時点で有料会員数は1.3億人を超えました。

もう一つ、ディズニーの事業構造に大きなインパクトを与える出来事がありました。21世紀フォックスの事業資産の取得です。買収額は713億ドル。フォックスのテレビ制作会社、CATVを傘下に収めました。また、フォックスの映画タイトル「トイ・ストーリー」、「スターウォーズ」、「アベンジャーズ」もディズニーのものです。

ディズニーは動画ストリーミングのHuluも手に入れました。もともとHuluの発行済み株式の30%を保有していましたが、21世紀フォックスも同社株を30%保有しているので合わせて60%となり過半数を超えます。コムキャストが持つ33%の持分も将来的に買い取る予定です。

スポーツ中継のライブストリームのESPN+も以前から運営しています。

つまり、ディズニーは
①Disney+
②Hulu
③ESPN+
という3つの動画配信サービスを同時に運営することになります。バンドルにするのか、それとも個別契約にするのでしょうか。これから、ディズニーのメディア事業がどう成長していくのか要注目です。

ディズニーはいま変革期にあります。

財務データを確認しましょう。

FY20の(2020年9月期)売上高は654億ドルで前年比▲6%と減収。Disney+を含むメディア・ネットワーク部門は+14%と成長しましたが、テーマパークの一時閉鎖をカバーするには至らず。テーマパーク部門は37%の減収でした。

FY20の純利益は▲28億ドルと通期赤字となりました。

FY19に総資産が985億ドルから1,940億ドルに増加しています。21世紀フォックスの買収による影響で、のれんと無形資産が増えました。FY20も総資産が増加していますが、コロナ禍を乗り切るために借金をしたためです。

固定資産が総資産の8割以上を占めますが、買収に伴うのれんとテーマパークの土地、アトラクション等の有形固定資産が半々です。やはり有形固定資産は多いです。日本の東京ディズニーランドはブランド提供ビジネス(オリエンタルランドに対する)ですが、フロリダやカリフォルニアのテーマパークは自社保有です。あとホテルも多数保有しています。

事業建て直しのため配当は2020年に一時停止。自社株買いもゼロ。

が、マーケットは新ディズニーの力強い成長を予想しており、この記事を書いてる2021年2月14日現在の株価は190ドル付近、予想PERは40倍です。