ハックとはちょっとした小技、テクニックのことを指して使うことが多い言葉です。日々の暮らしに役立つ小ネタをライフハックなんて呼びますね。
マネーハックという言葉もあります。お金に関するテクニック、知恵みたいなものを指しているかと思います。
ハックと言うと少し世間からズレた価値観、ともするとグレーな印象も伴います。『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』という橘玲さんの著書がありますが、その裏道という言葉が象徴しているように思います。
ただ、ことマネーに関していうと、裏道ではなく正々堂々と表通りを歩くことがハックになることが多々あります。
マネーハックには節約術、ポイ活など様々なものがありますが、もっともインパクトが大きいのは税金対策ではないでしょうか。
仕事をがんばってそこそこ給料が上がってくると所得税、住民税の金額は跳ね上がってきます。たとえば、年収600万なら所得税20万、住民税30万、年収800万なら所得税47万、住民税45万、年収1000万になると所得税82万、住民税64万にも上ります。
年収が上がっても手取りは増えないという嘆きはよく聞きますが、これらの税金を合法的に減らす策は色々あります。
所得控除としては医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、寄付金控除などがあります。よりダイレクトに税金を減らせる税額控除としては住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)、配当控除、外国税額控除などがあります。
私は2022年、住宅ローン控除、外国税額控除、医療費控除、生命保険控除、地震保険料控除、ふるさと納税(寄付金控除)の6つを確定申告で行う予定です。
所得税は全額還付され、23年分の住民税は20万円近く下がる見込みです。諸々で80万円以上税金が戻ってくると想定しています。
これは大きいです。暖房器具の効率的な利用方法、日々の節約買い物術なんかより遥かに効果が大きいです。
特に住宅ローン控除で40万円戻ってくるのはえげつないインパクトがあると感じます。今は法改正されて年28万円が上限だったと思いますが、それでも大きな金額であることは変わりません。
あと忘れがちなのが医療費控除。年間10万円以上医療費がかかった場合はそれを損金として扱うことができ所得を減らすことができます。
医療費控除の範囲は思いのほか広いです。病院での診療費は当然ですが、医薬品の購入費、病院に行くまでの交通費(タクシーは不可)、入院時の食費・部屋代(差額ベッド代は不可)、はり灸なども含まれます。
医療費は同一生計の家族で合算できます。扶養している必要もありません。なので、家族内でもっとも所得が高い人が申告した方が得です。
ふるさと納税は特に所得が高い人はやった方がいい制度です。高所得者ほどお得な税制です。格差拡大を助長するこんな逆累進なことやっていいのかと思うところはありますが、法律で決められたことですし、正々堂々と使い倒せばいいです。
私たち米国株投資家は外国税額控除は必須ですね。投資減税という意味で言えばNISA、iDeCoも重要です。
これらの税金優遇にグレーな要素は一切ありません。純白、ホワイト、完全合法です。
きちんと税法を守って王道を進むだけでも税金は大きく減らす余地があります。活用しない手はありません。まるで年末はボーナスが2回あるかのようです。
いつも日課のごとく拝読しております。
今回の記事で外国税額控除の話が出たため、ご教示いただきたく、コメントした次第です。
初めて確定申告を考えています。
数年前から外国株式の投資を行っており、外国所得税が増えてきたため、外国税額控除をした場合にメリットがあるのかどうか、というところです。
今回、年末調整で源泉徴収票上は、住宅ローン控除、扶養控除等があり結果的に所得税はゼロとなっています。
そのような状況もあり、ふるさと納税はワンストップ納税でシンプルにしていました。
確定申告をする意味があるのかどうか、ご教示いただけますと幸いです。
いつもお世話になります。
確定申告を検討する余地があるかと存じます。
外国税額控除はその年の所得で控除できなくとも、過去3年分まで遡って所得控除を計算できたはずと記憶しています。
過去の源泉徴収をご覧頂き、支払っている所得税があれば還付されるかもしれません。
私は税務専門家ではないので間違ったことを言っていたら申し訳ありません。
一度、お調べ頂くとよいかもしれません。
あと、もし確定申告をされる場合、ふるさと納税のワンストップ特例は適用されないのでご留意ください。
返信いただきありがとうございます。
過去3年間も諸々の控除があり、所得税は0でした。そうなると確定申告のメリットはないのかもしれせんね。
今後の人生記事も楽しみにしています。
ご返信ありがとうございます。
そうでしたか。住宅ローン控除などは恩恵大きいですが、それが故に他の制度が使えなくなることがありますね。
税制優遇をフルに使うために仕事頑張って年収を上げたいと思うくらいです。
いつも更新ありがとうございます。
私も昨年住宅を購入したので、確定申告のチェックリストになっており、とても助かる記事です。
節税ではないですが、住まい給付金は申請されましたか?
先日振り込みされましたが、手間もすごいですが、なかなか大きな金額だったので取りこぼしなきよう
コメントありがとうございます。
私は収入要件からすまい給付金はもらえないと思っていましたが、不安になってきたので改めて調べてみます。
最大50万円でしたっけ。大きいですよね!
住宅ローン控除は大きいですよね。毎年末は助かります。
ふるさと納税に関しては複雑な気持ちから取り組んでいません。まず受益者負担という気持ちがあるのと、住んだこともない地域がふるさとなのか…それで居住自治体の税収が減ってサービスが低下するのもなんだかなぁと(世田谷区や横浜市の税収減はえげつないですね)
せめて、出身地、一度でも住んだことがある都市、かつ返礼品なしでやってみてほしいです。多分制度が崩壊しますが。
はい、益税との批判が国税から出るのもわかります。。
お金があれば5年後くらいに買い替えたいですが、譲渡税の非課税を使うと次の物件で住宅ローン控除を使えません。
なのでフルで13年住むべきか、、などの金計算しちゃいます。
ふるさと納税を初めてやるにあたって詳細を調べましたが、おっしゃる通り複雑な気持ちになりますね。
日本全体マクロで見たときに誰が得をするのかいまいち理解できないところはあります。
税務政策はふるさと納税にかかわらず、日本国内での資源配分に過ぎないので、何をやろうとゼロサムではありますが。
高所得者ほどメリットが大きい点は今後是正されていくかもしれませんね。
毎回楽しく拝見しております。
挙げられてる点、特に新鮮味も無く逆に知らない人いるのだろうか?
って思いました。
ちなみにhiroさんはidecoはやられていないんですよね?
妻が投資アレルギーなんですが、ここからきっかけを作ろうと画策
しています。
医療費控除については不妊治療で結構な費用(プリウスx2程度)がかかりお世話になりましたが
当時はこの程度しか控除されないのか。。。って思いました。
最近は保険適用になったみたいですね。
いつもありがとうございます。
おっしゃる通り基本的な内容ばかりですよね。
まさに裏道ではなく本道です。
これらの基本的な税法を知ったうえで行動し、正しく申告するだけでも大きな効果があると思います。
ニッチなところだと雑損控除などがありますかね。
使う場面は少ないかもしれませんが、万が一の時に知ってないと損しちゃいますね。
Hiro 様
即座に応えてくださりありがとうございます。
Hiro様のように現役会社員時代に如何にして税務知識(マネーハック)をマスターするか・・・。
ここをクリアすると人生後半~退職後の投資生活が極めてスムーズかつ有利に進むと思われます。
しかし会社員は納税実務をほぼ会社任せにするため、上記が難しい(おそらく国は確信犯)。
そこで税金に馴染む手段として、サラリーマンは毎年1~2月に国税庁HPの確定申告書作成コーナーで自分のデータをあれこれ入力してシミュレーションしてみることですね。
※そのためにはPC必須(スマホではなく)でありましょう。
ところで、さきほど当ブログの検索窓に「税金」と打ち込んでみたところ、なんと当記事を先頭に計219件!(始まりは2016年1月の「NISA恒久化の検討が始まるらしい」)。
感謝とともに、これから数日かけて精読させていただきます。
【他の読者様へ】
Grow Rich Slowly は投資をとりまく優良知識と卓見の宝庫です。右側の検索窓に興味のあるワードを打ち込んでみてください。
gavardini様
いえ、こちらこそ良いブログネタを頂きありがとうございました。
家を買ったこともあり、サラリーマンの税金戦略についてちょうど関心が高まっているところでした。
おっしゃる通り会社任せの年末調整制度によって、サラリーマンは税金に対して無関心になりがちですよね。
株式投資、ふるさと納税などをきっかけに確定申告を行うのは税金に関心を持つきっかけになると思います。
昔の記事は今より知識薄弱で無知を晒したお恥ずかしいところも多々あると思いますが、ご容赦ください!
Hiro様
いつも参考になる記事ありがとうございます。
私も住宅ローン否定派でしたが、ローンの意義を確認することができ、
ローンを組むことになりそうです。
限られた節税手段である住宅ローン減税楽しみにしているのですが、
調べたところ、不動産には固定資産税がかかるようです。結局、ローン減税をしても
固定資産税で一時的にはある程度残るとは思いつつも、固定資産税には年限はないわけで
結局は取られるのねと残念な気持ちになっています。
また、ぜひ時間価値について触れているblogなので、基礎控除や相続控除は
絶対額で設定されていることについてどうお考えなのか触れて
いただけるとありがたいです!
私はいつも税金の計算式を見るたびに、基礎控除はインフレとかって
きちんと考慮されているのだろうか?と疑問に思います。インフレ2%だったら
基礎控除もきちんとインフレ2%を実現しないと、実質の負担額はあがってしまいます。
・・・と思ったら、調べるときちんと一定の間隔で控除額が見直されているようでした。
もし、何かお考えがあれば、触れていただけますと幸いです。
エンデバー様
コメントありがとうございます。
固定資産税などの維持費を加味しても、ローンを引いての持家取得は財産形成に大きなプラスだと思っています。
私も同じくローン減税の還付金が楽しみです。
控除額の件は、インフレ税と呼ばれるものの一つですかね。
インフレ分給料が上がったとしても、累進課税で税率が上がって、手取りベースでは実質給料が減少しがちです。
インフレの怖いところです。
あまりに法律と実態がかけ離れたらいずれは法改正されるはずですが、往々にして時間がかかるものです。
控除額のインフレ連動については詳しくないので、いずれ勉強した上で記事でも言及できればと思います。