※2018年11月期決算データ反映、コメント刷新(2019/1/27)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はマコーミック(MKC)をご紹介します。

基本情報

会社名 マコーミック
ティッカー MKC
創業 1889年
上場 1972年
決算 11月
本社所在地 メリーランド州
従業員数 11,600
セクター 生活必需品
S&P格付 A-
監査法人 EY

 

ダウ30 ×
S&P100 ×
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

32年

過去10年の配当成長

年率+8.7%

この10年で配当は2.3倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+16.3%
過去20年(1999~2018):+12.4%
過去30年(1989~2018):+13.8%

バリュエーション指標(2019/1/27時点)

予想PER:22.5倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.9% 最新情報はこちら

コメント

マコーミックは世界最大のスパイスメーカーです。スパイスの他、調味料や香辛料、インスタント食品を製造販売しています。

北米と欧州で圧倒的なシェアを誇っています。欧米以外にも中南米、中国などグローバルに工場と支店を持ちビジネスを展開しています。アメリカとイギリス、フランスでのシェアは3~5割にも達しています。寡占状態とまでは言いませんが、かなりの競争力を持っていることがわかります 日本ではユウキ食品(株)を通じて販売していますがそれほどメジャーな存在ではないようです。

事業セグメントは以下の2つに分かれています。
・消費者向け
・事業者向け

消費者向け事業では、香辛料やスパイスを小売店やドラッグストアに卸しています。電子商取引の販路も持っています。大口取引先はウォルマートで連結売上高の11%を占めます。

事業者向け事業は、スナック菓子メーカー等にフレーバーを販売しています。一番の大口取引先はペプシコで売上高の10%を占めます。なるほど、色んな風味のスナック菓子がありますが、その味の元となる香料を提供しているのがマコーミックのような会社なのか。

2017年7月にイギリスの食品大手「RBフーズ」を42億ドルで買収しています。MKCは今までもM&Aによって成長してきた経緯があります。

財務データを見てみましょう。

売上高は過去10年緩やかな右肩上がりで成長しています。オーガニックな成長もありますが、数多く実施してきたM&Aも寄与しています。グロスマージンは40%前後で安定しています。

FY18は前年比で12%近くも売上が成長しました。販売数量、単価ともに伸びました。また、RBフーズの買収が年間通してフルに寄与していることも貢献しています。グラフからは読み取りづらいですが、粗利率がFY17と比べて2%近く改善しています。コスト削減と高付加価値品へのシフトによるものです。この業種で粗利率を2ポイントも改善させるのは容易なことではないです。堅実に経営されている様子が数字から見て取れます。

FY18の純利益は9.8億ドルで前年比2倍となりました。米国税制改革に伴って一時的な利益が出ています。法人減税に伴って繰延税金負債の評価額を引き下げて利益が出ているのもありますが、会社公表資料を読むと「税務当局との和解によって引当金を取り崩した」という文言もあります。詳細はわかりませんが、税金関連で一時的に利益が膨らんでいるという理解でOKでしょう。

キャッシュフローも綺麗です。毎年安定した営業CF、フリーCFを確保できています。営業CFマージンはFY11を底に改善しており、直近FY18は15%ほど。M&Aを繰り返すと一時的に収益が悪化することが多いですが、マコーミックはM&Aをしながらも収益性のある成長を遂げています。

バランスシートを見てましょう。FY17に固定資産が増えています。RBフーズ買収に伴う「のれん」と「買収に伴う無形資産」が増加しているためです。買収資金のために借入を行っているため、見合いの固定負債も増加しています。

連続増配32年の配当貴族。この10年でDPSは2倍超に増えました。現在の配当性向は50%ほどでまだ余裕があります。自社株買いも多く総還元性向は100%近くある年が多いです。ただしFY18は買収後ということもあり自社株買いは控え目です。

マコーミックは知名度こそ高くありませんが、長期投資にピッタリな保守的優良銘柄だと思います。