S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。
データソースはMorningstarです。
今回はギャップ(GPS)をご紹介します。
ギャップはS&P100構成銘柄ではありませんが、日本人にも馴染みのあるアパレルブランドですし、読者様から「是非アパレル系の記事を」とのご要望を頂いたのでピックしました。
ギャップ財務情報等
基本情報
地域別売上高
米国内が8割弱。
他、日本、カナダ、欧州。
業績
(単位:百万USD)
財政状態
キャッシュフロー
(単位:百万USD)
株主還元
連続増配年数
6年
株価等の最新情報
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ギャップ(GPS)
感想
日本国内でも至る所に店舗が存在するGAP。私はGAPが米国企業だということを大人になるまで知らなかった(汗)。
子供の頃、GAPと言えば洗練されたちょっと高級なイメージのある衣料品店だった。今は比較的リーズナブルな衣料品店というイメージを個人的には持っている。子供服にも強いようだ。
売上高はこの10年ほぼ横ばいで、年間160億ドルほど。米国内売上が大半のためドル高の影響は小さいと思われる。粗利率は40%弱で十分高い収益性だが、ナイキやアンダーアーマーに比べるとやや低い。
営業CFも10年間ほぼ横ばいで、フリーCFも然り。営業CFマージンは直近5年平均で11%とまあまあ高い水準。
ギャップの財務データを見て一番驚いたのは、株主還元指標だ!
先ず、配当利回りは直近で3.2%もあり高配当だが、2016年初は4%以上の利回りがあったようだ。ナイキは配当利回り1%台でちょっと低いなと思ったが、GAPは非常に高くて驚いた。
配当以上に自社株買いの金額が多い。米国成熟企業は配当よりも自社株買いの方が多いことは珍しくないが、GAPは顕著である。キャッシュフロー計算書から私が計算した結果だと、ここ5年間で配当総額の4倍以上の自社株買いを実施している。
その結果、直近5年間の総還元性向は153%もある。
売上は成長していないし、今後も大きな成長は見込めないと思われる。しかし、利益成長と株主リターンに相関関係がないことはシーゲル流投資家としては常識である。
何気なく調べたS&P100にも入らない米国企業だが、この株主還元の規模には驚いた。
高い利益成長ではなく、高い株主還元意識こそ米国株投資の一番の魅力である。そんな米国株投資の魅力を改めて感じさせられた。
ありがとうございます。
NIK、UAと比べるとパッとせずつまらんヤツです。売上下降線で今年は特に叩き売られ、18ドル切るまで行きました。でもそこまで売り込まれる理由が?その時の配当利回り5%ぐらいだったのでNIK、UAよりも魅力的に見えて私は買って見ました。これに投資してる人って聞いたことないのでどーなの?と思いつつも、地味さこそリターンが得られると信じてHOLDしてみてます
配当利回り5%を超える時期もあったのですか。
フィリップスモリスやAT&Tに匹敵する利回りですね。
「地味さ」とは確かに長期投資で成功するために一つのキーワードですよね。
アパレル系ご依頼いただき、こちらこそありがとうございました。
普段あまり注目しない企業の財務諸表を見れて勉強になりました!