※2018年12月期決算データ反映、コメント刷新(2019/7/22)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はキンバリー・クラーク(KMB)をご紹介します。

基本情報

会社名キンバリークラーク
ティッカーKMB
創業1872年
上場1929年
決算12月
本社所在地テキサス州
従業員数41,000
セクター生活必需品
S&P格付A
監査法人Deloitte
ダウ30×
S&P100×
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

46年

過去10年の配当成長

年率+5.6%

この10年で配当は1.7倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+12.4%
過去20年(1999~2018):+7.3%
過去30年(1989~2018):+10.6%

バリュエーション指標(2019/7/22時点)

予想PER:19.2倍 最新情報はこちら

配当利回り:3.0% 最新情報はこちら

コメント

キンバリー・クラークは1928年設立の日用品メーカーです。ティッシュペーパーの「クリネックス」、おむつの「ハギー」、生理用品の「コーテックス」などのブランドを持つ日用品メーカー大手です。もともとは新聞用紙の製造で創業したこともあって紙製品に強いです。

日本でもティッシュの「クリネックス」は有名ですよね。私はいつも薬局でクリネックスのティッシュを買っています。ちょいお値段が高めの気もしますが、昔から使っているので。

開示している事業セグメントは以下の3つです。
・Personal care(パーソナルケア)
・Consumer Tissue(コンシューマーティッシュ)
・K-C Professional

パーソナルケアは売上高の半分を占める主要事業で、紙おむつの「ハギーズ」や生理用品の「kotex」といったブランドが有名です。

ティッシュ事業は、ティッシュの「kleenex(クリネックス)」やハンドタオルの「Scott」等のブランドを有しています。

KCプロフェッショナル事業は、ワイパーやティッシュ、タオル等の衛生用品を一つのソリューション(パッケージ)として企業に売り込むBtoBビジネスです。扱っている商品としては、上記2事業と重複しています。販売先が企業になるとK-C Professional事業にカテゴライズされるみたいです。

売上高の半分強が北米で、次に多いのはアジア・ラテンアメリカ、ヨーロッパです。利益の7割は北米地域がもたらしています。

生産拠点は主にアジア・ラテンアメリカにあります。人件費の安いアジアで製造して先進国に出荷するというビジネスモデルです。製造は新興国通貨、販売は主に米ドルなので新興国通貨高に弱いと言えます。逆に新興国通貨安はポジティブに作用します。

財務データを確認してみましょう。

売上高はこの10年間、190億ドル前後の横ばいが続いており成長は見られません。成熟事業です。

FY18の売上高は184億ドルで前年比+1%。北米のKCプロフェッショナル事業が3%伸びました。粗利率がカクンと下がっているのが気になります。FY17が36%に対してFY18は30%。大きな事業再編でもない限り、ここまで急激に粗利率が下がることは普通はありません。ちょっと気になるなあ。

FY18の純利益は14億ドルで前年比▲38%。世界規模でのリストラプログラムを実施中で関連コストが嵩んでいます。また、税制改革の絡みで追加コストが1億ドルほど発生しました。調整後EPSは6.61ドルで、GAAP上のEPS4.0ドルより大きいです。FY17の調整後EPSは6.23ドルでしたから、実質的には増益決算だったと言えます。

キャッシュフローも売上高と同様でほぼ横ばいで安定しています。営業CFマージンはここ5年は15%を超えていることが多いです。

バランスシートを見てみましょう。固定資産が総資産の7割弱を占めますが、このほとんどが工場設備等の有形固定資産です。米国内に32、米国外に61の製造拠点があります。その工場設備がバランスシートの主な内容です。流動資産は、売掛金や在庫といった運転資本がメインです。

純資産が薄っぺらく調達資本のすべてが負債になっています。FY18末は純資産マイナス。そのせいでROEが異常に高くなっています。積極的な株主還元によって資本が薄くなっているだけで財務に懸念はありません(S&P格付けシングルA)。特に2013年と2014年の自社株買いの規模は大きく、当時の総還元性向は200%近くにもなりました。

DPS(一株当たり配当)は堅調に伸びており、この10年で1.7倍伸びました。売上高が横ばいなことを考えれば立派な数字です。配当利回りは3.0%と高配当。連続増配46年の配当貴族です。