※2020年12月期決算データ反映、コメント刷新
S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。
データソースはMorningstarです。
今回はキンバリー・クラーク(KMB)をご紹介します。
基本情報
会社名 | キンバリークラーク |
ティッカー | KMB |
創業 | 1872年 |
上場 | 1929年 |
決算 | 12月 |
本社所在地 | テキサス州 |
従業員数 | 46,000 |
セクター | 生活必需品 |
S&P格付 | A |
監査法人 | Deloitte |
ダウ30 | × |
S&P100 | × |
S&P500 | 〇 |
ナスダック100 | × |
ラッセル1000 | 〇 |
地域別情報
地域別売上構成比
セグメント情報
セグメント別売上構成比
セグメント別売上高推移
セグメント利益推移
セグメント利益率推移
業績
キャッシュフロー
バランスシート
資産
負債純資産
株主還元
連続増配年数
48年
過去10年の配当成長
年率+5.0%
この10年で配当は1.6倍になりました。
過去の株主リターン(年率、配当込み)
過去10年(2011~2020):+12.0%
過去20年(2001~2020):+6.9%
過去30年(1991~2020):+9.8%
バリュエーション指標(2021/4/9時点)
予想PER:16.8倍 最新情報はこちら
配当利回り:3.2% 最新情報はこちら
コメント
キンバリー・クラークは1928年設立の日用品メーカー。ティッシュペーパーの「クリネックス」、おむつの「ハギー」、生理用品の「コーテックス」などのブランドを持つ日用品メーカー大手です。もともとは新聞用紙の製造で創業したこともあって紙製品に強いです。
日本でもティッシュの「クリネックス」は有名ですね。
開示している事業セグメントは以下の3つです。
・Personal care(パーソナルケア)
・Consumer Tissue(コンシューマーティッシュ)
・KC Professional
パーソナルケアは売上高の半分を占める主要事業で、紙おむつの「ハギーズ」や生理用品の「kotex」といったブランドが有名です。
ティッシュ事業は、ティッシュの「kleenex(クリネックス)」やハンドタオルの「Scott」等のブランドを有しています。
KCプロフェッショナル事業は、ワイパーやティッシュ、タオル等の衛生用品を一つのソリューション(パッケージ)として企業に売り込むBtoBビジネスです。扱っている商品としては、上記2事業と重複しています。販売先が企業になるとKC Professional事業にカテゴライズされるみたいです。
売上高の半分強が北米で、次に多いのはアジア・ラテンアメリカ、ヨーロッパです。利益の7割は北米地域がもたらしています。
生産拠点は主にアジア・ラテンアメリカにあります。人件費の安いアジアで製造して先進国に出荷するというビジネスモデルです。製造は新興国通貨、販売は主に米ドルなので新興国通貨高に弱い構造です。
財務データを確認してみましょう。
FY20の売上高は191億ドルで前年比+5%。為替影響除くと+6%。北米の消費財が10%伸びましたが、KCプロフェッショナル事業は5%減でした。COVID-19の流行で一時的に需要が高まった面があります。
FY20の純利益は23.5億ドルで前年比+9%。調整後利益も+9%。
キャッシュフローもFY20に改善しています。
固定資産が総資産の7割弱を占めますが、このほとんどが工場設備等の有形固定資産です。米国内に32、米国外に61の製造拠点があります。
純資産が薄っぺらく調達資本のほぼすべてが負債になっています。積極的な株主還元によって資本が薄くなっています。特に2013年と2014年の自社株買いの規模は大きく、当時の総還元性向は200%近くもありました。
DPS(一株当たり配当)は堅調に伸びており、この10年で1.6倍。売上高が横ばいなことを考えれば立派な数字です。連続増配48年の配当貴族。