※2018年12月期決算データ反映、コメント刷新(2019/3/17)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)をご紹介します。

基本情報

会社名ベライゾン・コミュニケーションズ
ティッカーVZ
創業1983年
上場1983年
決算12月
本社所在地ニューヨーク州
従業員数144,500
セクター電気通信
S&P格付BBB+
監査法人EY
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

100%米国内売上

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

12年

過去10年の配当成長

年率+2.9%

この10年で配当は1.3倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+11.3%
過去20年(1999~2018):+5.3%
過去30年(1989~2018):+9.0%

バリュエーション指標(2019/3/17時点)

予想PER:12.2倍 最新情報はこちら

配当利回り:4.1% 最新情報はこちら

コメント

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)はワイヤレス(無線)通信業界において、米国でトップAT&Tに次ぐ第2位の市場シェアを有しています。アルファベット、フェイスブックなどシリコンバレーの巨人たちが帝国企業を作り上げて莫大な収益を上げていますが、彼らとてベライゾン等が提供する通信網があってこそのビジネスです。

事業セグメントは無線(ワイヤレス)と有線に分かれてはいますが、通信ネットワークという点では共通です。競合AT&Tがタイムワーナーを買収してコンテンツビジネスに資源を集中させているのとは対照的に、ベライゾンは既存の通信インフラ業に専念する方針です。

とは言え、ベライゾンももう一つの成長の柱を追い求めており、デジタルメディアへの投資を進めています。2015年にはAOLを買収。2017年に米ヤフーのインターネット事業を45億ドルで買収しました。デジタル広告の競合はグーグルやフェイスブックといったシリコンバレーの王者たちですから甘くはありません。が、投資額は大きくなく、あくまでも本業は通信インフラです。

最近よく話題に上がるのが5Gですよね。シカゴなど一部主要都市限定ですが、2019年4月より10ドルの上乗せ料金を支払うことで、5Gネットワークが使用可能となります。5Gでは通信スピードが格段に上がります。映画ダウンロードも楽ちんみたいです。日本で普及するのはあと何年後でしょうか。待ち遠しいです。

財務データを見てみましょう。

売上高は緩やかながらも右肩上がり。この10年のCAGRは3.5%です。FY16からやや減収傾向となっていますが、収益性の高い「通話料込みプラン」を選択しない顧客が増えたことが主な理由です。最近の若い世代はコストに敏感ですよね。私も最近格安スマホ(UQモバイル)にようやく重い腰を上げて変更しました。

FY18の売上高は1,368億ドルで前年比+8.6%。有線部門は減収でしたが無線(ワイヤレス)部門が5%成長しました。また「その他」事業が10%以上伸びています。2017年に買収したヤフーの寄与していると思われます。買収影響を除いたオーガニックの増収率は3%~4%と推測します。

FY18の純利益は155億ドルで前年比▲48%。FY17は法人税率減に伴う繰延税金負債の再測定益が170億ドル計上されていました。一時要因を除いた調整後EBITDAは474億ドルで、FY17の441億ドルから伸びています。実質的には増益決算だったと言えます。

営業CFは安定してプラスで推移。設備投資が必要なビジネスモデルのため、どうしてもフリーCFは少なくなりがちです。営業CFマージンは20%超あります。

バランスシートを見てみましょう。固定資産が多いですが、中身は設備等の有形固定資産が4割で過去の買収に伴う無形資産が6割といったところです。無形資産の大半はワイヤレスライセンスです。 FY14に英ボーダフォンからベライゾン・ワイヤレスの株式45%を1300億ドルで取得しました。その際に多額の借入も行いました。負債純資産を見ると自己資本比率が改善傾向です。英ボーダフォン買収時の負債返済のため株主還元を抑えており、財務は改善傾向です。

配当は安定しているものの増配率は低いです。この10年のCAGRは3%で何とかインフレに勝てる程度。ここ3年ほど自社株買いはゼロで総還元性向も平均50%ほどです。前述したベライゾン・ワイヤレス株取得時の債務があるので、自社株買いは抑制されています。今後も当面は自社株買いは控えるだろうと推測します。5G対応の設備投資も必要でしょうし、何かと物入りかと思います。