※FY19(2019年12月期)決算データ反映、コメント刷新
S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。
データソースはMorningstarです。
今回はコムキャスト(CMCSA)をご紹介します。
基本情報
会社名 | コムキャスト |
ティッカー | CMCSA |
創業 | 1963年 |
上場 | 2006年 |
決算 | 12月 |
本社所在地 | ペンシルベニア州 |
従業員数 | 190,000 |
セクター | 一般消費財・サービス |
S&P格付 | A- |
監査法人 | Delloite |
ダウ30 | × |
S&P100 | 〇 |
S&P500 | 〇 |
ナスダック100 | × |
ラッセル1000 | 〇 |
地域別情報
地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報
セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

セグメント利益率推移

業績


キャッシュフロー

バランスシート
資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数
9年
過去10年の配当成長
年率+18.8%
この10年で配当は5.6倍になりました。
過去の株主リターン(年率、配当込み)
過去10年(2010~2019):+20.4%
過去20年(2000~2019):+6.5%
過去30年(1990~2019):+12.2%
バリュエーション指標(2020/9/4時点)
予想PER:15.3倍 最新情報はこちら
配当利回り:2.0% 最新情報はこちら
コメント
コムキャストは米国のケーブルテレビ最大手です。2002年にAT&Tのケーブルテレビ部門を買収し現在の規模になりました。2009年にNBCユニバーサル事業をGEから取得。NBCユニバーサルの映画では「ワイルドスピード」が大好きです。
また、インターネット接続事業も保有しています。つまり、コムキャストはAT&Tやベライゾンのようなネット通信インフラ事業と同時にコンテンツ事業も保有しているということです。
開示セグメントは以下の3つ
・ケーブルネットワーク
・NBCユニバーサル
・スカイ
「ケーブルネットワーク」はケーブルテレビ(CATV)、高速インターネットサービス、広告収入などで稼いでいます。CATV離れが進んでいますが、それを相殺する以上に高速インターネットを提供するブロードバンドサービス事業が伸びています。
「NBCユニバーサル」は世界的なメディア・コングロマリットで日本でもお馴染みですね。ホームエンターテイメント、劇場、映画、テーマパーク、ラインセンス供与などの事業があります。
スカイは2018年に取得した英国の有料テレビ事業です。

財務データを見てみましょう。
FY19の売上高は1,089億ドルで前年比+15%。スカイ買収効果が大きく、当該影響を除外すれば売上高はほぼ横ばいです。ケーブルネットワーク事業は+3%の成長、NBCユニバーサルは▲5%の減収でした。高速インターネットサービスの需要が堅調です。FY19の純利益は130.5億ドルで前年比+11%
営業CFは売上・利益拡大のペースと歩調を合わせる形で増加しています。営業CFマージンは25%前後で高水準。
バランスシートを見てみましょう。総資産の9割が固定資産ですが、中身の大半は無形資産です。特に金額が大きいのがフランチャイズ権です。企業や地方自治体との契約がもたらす将来収入相当を無形資産認識しています。買収によって取得したケーブル・サービス権もあります。FY18に総資産が増加しているのは、スカイ買収の影響です。のれん、無形資産が増えました。
DPS(一株当たり配当)は右肩上がりで、配当性向も30%ほどと増配余地あります。自社株買いは毎年50億ドル前後実施してきましたが、FY19は5億ドルと控えめ。スカイ買収にお金を使ったからでしょう。