※2018年12月期決算データ反映、コメント刷新(2019/5/7)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はアムジェン(AMGN)をご紹介します。

基本情報

会社名アムジェン
ティッカーAMGN
創業1980年
上場
決算12月
本社所在地カリフォルニア州
従業員数21,500
セクターヘルスケア
S&P格付A
監査法人EY
ダウ30×
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

製品別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

8年

過去7年の配当成長

年率+37.8%

この7年で配当は9.4倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+14.8%
過去20年(1999~2018):+11.5%
過去30年(1989~2018):+21.3%

バリュエーション指標(2019/5/7時点)

予想PER:12.0倍 最新情報はこちら

配当利回り:3.3% 最新情報はこちら

コメント

アムジェンは1980年にカリフォルニア州で設立されたバイオ医薬品企業で、遺伝子組み換え技術や分子生物学の技術を駆使して難病の治療に貢献しています。バイオテクノロジーのパイオニア的存在で、今や世界トップクラスの独立系企業になりました。

重篤で治療法が確立されていない分野に研究開発リソースを集中させています。具体的には骨粗鬆症や骨髄腫などの骨の病気、片頭痛などの脳神経科学、血液領域、腎臓病などです。主力製品は以下の通り。

エンブレル:関節リウマチ薬
ニューラスタ:白血球増殖薬(化学療法を受けるがん患者)
アラネスプ:赤血球増殖薬
プロリア:骨粗鬆症薬
センシパール:二次性の副甲状腺機能亢進症の治療薬
XGEVA(デノスマブ):骨転移癌治療薬

2013年にオニキス・ファーマシューティカルズを約104億ドルで買収しました。当買収で多発性骨髄腫(MM)治療薬「カイプロリス」を取得しました。

日本では2013年からアステラス製薬と合弁会社アムジェン・アステラス・バイオファーマを設立してビジネスを展開しています。米アムジェン側が51%の持分を保有しています。脂質異常症、骨粗しょう症、胃がん、急性リンパ芽球性白血病、非ホジキンリンパ腫のバイオ医薬品の研究開発に注力しています。

財務データを見てみましょう。

FY18の売上高は237億ドルで前年比+3.9%。「エンブレル」、「ニューラスタ」という2大主力製品が減収となったものの、「プロリア」と「XGEVA」が大幅に増収となりました(骨に関する疾患が増えているのか)。全体としては販売数量が増加したものの単価は落ちました。

FY18の純利益は84億ドルで前年の3倍超。FY17は税制改革に伴って米国外留保利益に一括課税コストが60億ドル以上発生した影響で、V字回復に見えています。法人減税の恩恵もあってFY18の純利益率は35%とかなり高い数値になっています。

キャッシュフローはきれいです。毎年莫大な営業CF・フリーCFを稼いでいます。営業CFマージンは驚異の48%。製薬会社の中でもトップクラスの収益性を誇っています。

バランスシートを見てましょう。流動資産が多いですが、内容は主に現預金です。税制改革の後押し(レパトリ税制によって米国外留保利益に対して一括で低率課税された) もあって前年よりは手元資金は減っていますが、まだ多いです。今後、自社株買いかM&A等に充当されるでしょう。

負債純資産を見るとFY18に自己資本比率が19%まで低下していることがわかります。大量の自社株を買い戻しており、純資産が削られています。

株主還元ですが、配当は2011年度から開始しており、それまでは無配だったようです。配当を開始してから毎年増配を続けています。FY18に178億ドルという大規模な自社株買い戻しプログラムを実行しており、総還元性向は200%を超えています。前述の通り、バランスシートにはまだ多額の資金が眠っており、FY19も同規模の自社株買いを実施する可能性があります。非常にキャッシュリッチな会社です。