S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。
データソースはMorningstarです。
今回はエマソン・エレクトリック(EMR)をご紹介します。
基本情報
会社名 | エマソン・エレクトリック |
ティッカー | EMR |
創業 | 1890年 |
上場 | 1944年 |
決算 | 9月 |
本社所在地 | ミズーリ州 |
従業員数 | 87,500 |
セクター | 資本財 |
S&P格付 | A |
監査法人 | KPMG |
ダウ30 | × |
S&P100 | 〇 |
S&P500 | 〇 |
ナスダック100 | × |
ラッセル1000 | 〇 |
地域別売上構成比
セグメント別売上構成比
業績
キャッシュフロー
バランスシート
資産
負債純資産
株主還元
連続増配年数
62年
過去9年の配当成長
年率+4.4%
この9年で配当は1.5倍になりました。
過去の株主リターン(年率、配当込み)
過去10年(2009~2018):+9.7%
過去20年(1999~2018):+7.2%
過去30年(1989~2018):+10.8%
バリュエーション指標(2019/1/9時点)
予想PER:14.8倍 最新情報はこちら
配当利回り:3.2% 最新情報はこちら
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エマソン・エレクトリック(EMR)は、1890年創業の交流モーター製造会社を起源とする電気、電子機器コングロマリット企業です。BtoBの産業向けのみならず、BtoCの一般消費者向けにも電子機器を供給しています。世界150カ国以上でビジネスを展開しており、北米での売上高が約半分、アジアと欧州がそれぞれ2割ほどです。
60以上の独立した事業体を傘下に抱えていますが、事業セグメントとしては大きく以下の3つに分かれています。
・Automation Solution(自動化ソリューション)
・Climate Technology(温度空調コントロール)
・Tools & Home Products(工具及び家庭用品)
自動化ソリューション事業では、計測・分析機器、工業用バルブ、レギュレーター、それらを統合したシステムの提供を行っています。なかなか製品イメージが湧きません。会社ホームページを見ましたが、専門性の高い工業製品ばかりです。
温度空調コントロール事業は、住宅の冷暖房、業務用のエアコン、冷蔵庫などを取り扱っています。食料品店の冷蔵装置の温度コントロールを遠隔監視や、冷蔵輸送サービスの温度監視といったサービスも提供しています。
工具及び家庭用品部門では、配管工事に使用するパイプレンチ、パイプカッター、排水管洗浄装置、家庭及び業務用の扇風機、給湯器、廃棄物処理装置などを取り扱っています。
幅広い工業製品をカバーしているなと思いました。顧客も小売り、外食からエネルギー産業、一般消費者まで幅広そうです。
なお、2016年12月にNetwork Power(ネットワーク電源システム)事業を売却しました。
財務データを見てみましょう。
売上高推移を見るとFY16にガクッと下がっていることがわかります。Network Power部門を売却したためです。それ以降FY17、FY18と成長しています。
FY18(2018年9月期)の売上高は174億ドルで前年比+14%。ただしM&Aによって押し上げられた影響があり、オーガニックな成長は+8%ほど。自動化ソリューション部門が伸びました。利益も安定しています。
営業CFマージンは15%前後あります。設備投資が意外と少なくフリーCFも潤沢です。
バランスシートについて。固定資産が総資産の7割を占めます。FY18に10%ほど固定資産比率が上昇していますが、買収によってのれんと無形資産が増加しているためです。設備産業という印象がありましたが、機械装置等の有形固定資産が総資産に占める割合は17%と低いです。
連続増配62年の配当王。ただしここ10年の増配率は年率4%ほどで緩やかです。自社株買いを含めた総還元性向は毎年ほぼ100%です。