※2019年4月期決算データ反映、コメント刷新(2019/7/3)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はメドトロニック(MDT)をご紹介します。

基本情報

会社名メドトロニック
ティッカーMDT
創業1949年
上場1977年
決算4月
本社所在地アイルランド
従業員数98,003
セクターヘルスケア
S&P格付A
監査法人PwC
ダウ30×
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

41年

過去10年の配当成長

年率+10.3%

この10年で配当は2.7倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+13.6%
過去20年(1999~2018):+6.1%
過去30年(1989~2018):+16.9%

バリュエーション指標(2019/7/3時点)

予想PER:16.6倍 最新情報はこちら

配当利回り:2.2% 最新情報はこちら

コメント

メドトロニック(MDT)は1949年に設立された医療機器メーカーで業界トップの地位にあります。主な競合としてはアボットラボラトリーズ(ABT)やボストンサイエンティフィック(BSX)、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)などが挙げられます。

事業セグメントは以下の4つ。
①心臓血管
②低侵襲治療
③リストラティブセラピー
④糖尿病

①心臓血管はペースメーカーや、植込み型心臓モニタ、アブレーションカテーテルなどを取り扱うMDTの主力部門です。

②低侵襲医療というのは面白いセグメントの切り口です。低侵襲は最近の医療の流れですね。英語では”Minimally Invasive Therapies”と言います。その名の通りですが、患者さんの侵襲を抑えた治療を施します。具体的に言えば、心血管の治療でメスで開腹せずに足や手首からカテーテルを入れて治療するなどです。

③リストラティブセラピーは、モニタリングなど手術支援器具を取り扱っている事業です。ニューロバスキュラー(脳血管治療)も③リストラティブセラピー事業に含まれます。

メドトロニックは医療機器業界の総合デパート的な存在と言えます。

2015年にアイルランド同業のコヴィディエンを430億ドルで買収しました。コヴィディエンは手術用器具や人工呼吸器に強い企業です。当買収に伴って、メドトロニックは本社をアイルランドのダブリンに移すことになりました。アイルランドは法人税率が12.5%と低いです。

2016年に補助人工心臓のハートウェアを11億ドルで買収しました。世界的に高齢化が進む中、医療機器業界は成長産業であり再編が活発です。

財務データを確認しましょう。

売上高はFY15に急増していますが、コヴィディエン買収による影響です。買収以降、ここ3年間の売上高は300億ドル前後で安定推移しています。グロスマージンは買収後に落ちましたが、徐々に回復しておりFY18では70%となっています。高収益です。

FY18の売上高は305億ドルで前年比+2%と微増でしたが、一部低侵襲医療事業の売却があったため実質的な増収幅は見た目より大きいです。糖尿病、ニューロ(脳血管)分野が二桁伸長を記録。脳梗塞はまだまだ課題が多く残る領域です。狙っている競合も多いですが、これからの10年でマーケット拡大が期待できます。

FY18の純利益は46億ドルで前年比+49%。前年FY17は税制改革に伴う一時コストが19億ドルあり利益が一時的に押し下げられていました。

バランスシートを見てみましょう。2014年のコヴィディエン買収によってのれんが約300億ドル、無形資産が約250億ドル増加しました。2018年末時点でのれんが総資産に占める割合は45%、無形資産のそれは23%にも上ります。米国企業はのれんを償却しなので、今後もBSに残り続けます(減損リスクはある)。無形資産の中身は顧客関連資産、技術資産、特許などです。すべて一定の年数で償却しており、非償却の資産はありません。

コヴィディエン買収資金手当てのため170億ドルを社債で調達しており当時有利子負債が増加しましたが、年々債務は減少しています。自己資本比率は56%。財務に特段の懸念はありません。S&P格付けはシングルA

連続増配41年の配当貴族です。自社株買いにも積極的。FY13以降、総還元性向は毎年100%を超えています。大型M&Aがあったにもかかわらず、株主還元を怠っていません。低金利を利用して安い資本を調達できたおかげでもあります。ついこないだ8%の増配を発表しました。業績堅調で配当性向も高くありませんから、今後も一桁後半の増配率は問題なく達成できそうです。