※FY21(2021年12月期)決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はユニオン・パシフィック(UNP)をご紹介します。

基本情報

会社名ユニオン・パシフィック
ティッカーUNP
創業1862年
上場1969年
決算12月
本社所在地ネブラスカ州
従業員数32,124
セクター資本財
S&P格付A-
監査法人Deloitte
ダウ30×
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

セグメント情報

セグメント別売上構成比

バルク:穀物、肥料、食品、石炭など
産業用:工業用化学薬品、プラスチック、金属、鉱物など
プレミアム:自動車、インターモーダル輸送

セグメント別売上高推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

16年

過去10年の配当成長

年率+16.1%

この10年で配当は4.5倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2012~2021):+19.4%
過去20年(2002~2021):+17.7%
過去30年(1992~2021):+14.2%

バリュエーション指標(2022/2/20時点)

予想PER:21.0倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.9% 最新情報はこちら

コメント

ユニオン・パシフィック(UNP)は、1862年創業の米国最大の鉄道輸送会社です。米国中西部に幅広く路線を敷設しており、その全長8万㎞以上にもなります。米国だけでなく一部カナダとメキシコにも接続しています。

輸送する貨物は以下の3つに区分して報告されています。
・バルク
・産業用
・プレミアム

「バルク」は農作物、小麦などの穀物、その加工品、肥料、食品、石炭などです。

「産業用」は化学製品、プラスティック、木材、製紙、メタルなど。

「プレミアム」は自動車関連、インターモーダル輸送です。

財務データを見てみましょう。

FY21の売上高は218億ドルで前年比+12%。前年はCOVID-19による経済一時停止によって輸送量が全般的に減少していましたがFY21は回復。

粗利率の上昇がすんごいです。
FY19:41.8%
FY20:47.0%
FY21:48.2%

UNPはトップラインこそさほど成長していませんが、利益率上昇と自社株買いによってEPSは大きく成長してきました。隠れグロース株と勝手に呼んでます。

FY21の純利益は65億ドルで前年比+22%でした。純利益率は30%。営業利益率は43%とGAFAも驚く利益率です。バイデン大統領が儲け過ぎと茶々を入れてくるだけはあります。

総資産の大半は固定資産です。鉄道車両やレールなどの有形固定資産です。総資産の90%が有形固定資産です。鉄道会社のBSって感じです。

この10年の増配率は年率+16%と高水準。安定した営業CFが配当を支えています。配当性向はまだ40%程度ですから増配の余裕は残しています。

自社株買いも多く総還元性向は100%超です。FY21の買い戻し額は過去最高でした。