※2019年12月期決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はアボット・ラボラトリーズ(ABT)をご紹介します。

基本情報

会社名アボット・ラボラトリーズ
ティッカーABT
創業1888年
上場1937年
決算12月
本社所在地イリノイ州
従業員数107,000
セクターヘルスケア
S&P格付A
監査法人EY
ダウ30×
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント別情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

セグメント利益率推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

47年

過去6年の配当成長

年率+14.8%

この6年で配当は2.3倍になりました。

※アッヴィ分社化後のFY13~FY19で計算。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2010~2019):+15.7%
過去20年(2000~2019):+11.4%
過去30年(1990~2019):+13.4%

バリュエーション指標(2020/3/5時点)

予想PER:21.6倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.9% 最新情報はこちら

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アボット・ラボラトリーズ(ABT)は1900年にイリノイ州で創業した世界的な医療機器・製薬メーカーです。医療機器メーカーとしてはメドトロニックに次ぐ売上規模を誇り、世界150カ国以上で事業を展開しています。幅広い領域をカバーしていますが、特に心疾患に力を入れています。

事業ポートフォリオは以下の4つです。
・医療機器
・診断製品
・栄養

・エスタブリッシュ医薬品

「医療機器」は末梢血管疾患へのインターベンション治療デバイス(ステントやガイドワイヤー、バルーンカテーテルなど)、心疾患に対する薬剤溶出ステント、冠動脈ガイドワイヤー、ガイディングカテーテルなどを主に扱っています。

「診断製品」は診断システム、検査システムを販売しています。血液分析装置、出生前の染色体異常を特定する診断薬、HIVや肝炎など重要疾患の診断モニタリング装置などがあります。

「栄養」は小児用及び成人用の栄養剤を取り扱っています。液体タイプの経腸栄養剤、高エネルギー栄養剤、アミノ酸飲料などがあります。バニラ味、ストロベリー味、バナナ味など患者さんが美味しく飲みやすいよう工夫されています。

「エスタブリッシュ医薬品」は特許が切れて後発品が存在する医薬品 を取り扱っています。新薬部門は2013年にアッヴィ(ABBV)として分社化しました。

これまで積極的なM&Aで組織を再編、成長してきました。

2016年に眼科手術器具事業をジョンソン&ジョンソンに43億ドルで売却。2009年に買収した事業でしたが心臓血管領域に注力するという会社方針のため売却に至りました。

2017年1月にセント・ジュード・メディカルを236億ドルで買収。セント・ジュードは心房細動、心不全などの心臓分野に強みを持つ企業です。当買収によってアボットは心臓血管領域のほぼすべての市場でトップブランド製品を持つことになりました。心疾患を強化するという長期的戦略に沿った買収です。

2017年4月には診断薬・機器のアリーアを53億ドルで買収することで合意しました。アリーアはマラリアやデング熱などの感染症の診断薬を持つ企業です。

財務データを見てみましょう。

売上高がFY13に半減しているのは新薬部門を分社化(アッヴィ)したためです。それ以降はFY16まで200億ドル前後の売上高で安定推移していました。FY17にセント・ジュード・メディカルを買収し、270億ドルまで売上高は上昇しています。グロスマージンはアッヴィ分社化後でも55%前後あり高収益です。

FY19の売上高は319億ドルで前年比+4%。ドル高影響を除いた実質ベースでは7.3%の成長です。米国で5.6%、米国外で8.3%の伸長。事業別では医療機器部門が+11.4%(為替ニュートラル)と高い伸びを記録。

FY19の純利益は37億ドルで前年から1.5倍に拡大。コスト削減によって営業利益率が改善し、結果として最終利益も改善傾向にあります。

キャッシュフローも安定しており、セントジュード買収後のFY17以降は営業CFマージンが20%台まで改善しています。

FY17に総資産が増加しているのは、セントジュード等の買収に伴ってのれんと無形資産が増加しているためです。その買収資金を手当てするため銀行借入を行っており、固定負債も増加しています。2016年から有利子負債がかなり増加していますが、本業盤石でキャッシュリッチなため資金繰りに懸念はありません。

連続増配47年の配当貴族です。配当性向は60%程度で増配余地を残しています。セントジュード買収後は自社株買いの規模がやや少なめです。