幣ブログでは「米国株銘柄分析」というカテゴリーを設けて、主要米国株(ADR含む)の財務データを紹介しています。

その中に株主還元データも載せています。たとえば、以下は決済大手ビザ(V)の記事に掲載しているデータです。

DPS=一株当たり配当

このグラフを見れば、「ああ、やっぱビザは優良株だけあって配当は毎年伸びてるんだなあ」ってわかりますよね。

でも、ビザの株主還元の真骨頂は配当ではなく自社株買いなんです。

それは上記グラフからも読み取ることは可能です。配当性向は20%前後ですが、総還元性向は100%近くあります。その差額の80%相当が自社株買いです。つまり、ビザの自社株買い金額は配当の4倍近くあるということです。

米国企業は配当よりも自社株の買い戻しで株主に還元したがる傾向があります。その方が税務的に株主にメリットがあるし、何より経営陣が保有するストックオプションの価値が上がるからだと思われます。

是非、自社株買いには注目して欲しいです。配当好きの私が言うのもなんですが、配当だけに着目して投資すると失敗します。

自社株買いも含めた総還元を見た方がいいです。ビザは低配当ですが、高還元と言えます。利益の100%を株主に還元してるわけですからね。

高配当銘柄が有望なんて発想はもはや持っていませんが、高還元銘柄は有望だと今でも思っています。総還元性向は常に注目しています。

要は配当だけじゃなくて自社株買いの規模もしっかり見た方がいいということです。

そこで!

「一株当たり配当」ならぬ「一株当たり自社株買い」をグラフに追加してみようかと考案中です。キャッシュフロー計算書から自社株買い総額を取って、それを発行済み株式数(自社株買いによる株数減少反映後)で割れば計算できます。

ビザで試しに作ってみました。


どうですか、このグラフ?
見やすいですか?

青色の配当よりも黄色の自社株買いの規模がすごく大きいことがわかりますよね。この自社株買いがビザの右肩上がりの株価のエンジンの一つです。

色々ご意見はあるかと思いますが、ちょっとこれで今後更新してみようかなと検討中です。データ作るの若干面倒だけど、作る価値はあると思ってて。

ビザの他にも自社株買いガンガンやってる米国企業はたっくさんあるので、是非見て欲しいんですよね。たとえば、私の保有銘柄で言うとユニオンパシフィック(UNP)とかマイクロソフト(MSFT)とか。

逆に高配当だけど自社株買いが少ない銘柄としてはベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)などがあげられます。