S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回は仏サノフィ(SNY)をご紹介します。

 サノフィ銘柄分析

基本情報

会社名 サノフィ
ティッカー SNY
創業 2004年
上場
決算 12月
本社所在地 フランス パリ
従業員数 10万人超
セクター ヘルスケア
S&P格付
監査法人

 

ダウ30 ×
S&P100 ×
S&P500 ×
ナスダック100 ×
ラッセル1000 ×

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

不明

過去9年の配当成長

年率+3.9%

この9年で配当は1.4倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年:+6.6%

バリュエーション指標(2018/12/31時点)

予想PER:12.9倍 最新情報はこちら

配当利回り:4.2% 最新情報はこちら

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サノフィ(SNY)はフランスのパリを本拠とする大手製薬会社です。”Empowering Life”がスローガンで、「健康上の課題を抱える人を支える」を志しています。2004年にサノフィ・サンテラボ(株)とアベンティスファーマ(株)が合併し現在の組織体制になりました。

世界100カ国以上で事業を展開しています。新興国市場でのビジネスが大きいのが特徴です。売上高の約3割は新興国です。

事業セグメントは大きく分けると以下の3つ。
・医薬品
・消費者向けヘルスケア
・ワクチン

医薬品部門は売上高の7割強を占める主要ビジネスです。希少疾患、糖尿病、心血管分野が主な対象マーケットです。2018年1月にバイオベラティブを116億ドルで買収しましたが、当社は希少血液疾患(血友病など)に強みを持つ企業です。

医薬品部門の主な製品ポートフォリオとしては以下があります。
・糖尿病薬「ランタス」、”Toujeo”
・ゴーシェ病(※)薬「セレザイム」、「マイオザイム」
・多発性硬化症薬「オーバジオ」
中でもインスリン製剤の「ランタス」の売上は大きく、年間46億ユーロの収入をもたらしています。
※ゴーシェ病は日本に約150人しかいない希少疾患。

消費者向けヘルスケア事業は咳・風邪、疼痛緩和、栄養補助などを担っています。アレルギー性疾患治療剤「アレグラドライシロップ」、鎮痛剤「ドリプラン」などが有名です。

ワクチン部門は、インフルエンザや百日咳、ポリオ、肺炎等を対象にした製品を展開しています。

財務データを見てみましょう。

売上高はこの10年実質横ばいです。FY11に売上が増加しているのは、米バイオヴェラティブ買収の影響です。

FY17は前年比+3.6%と増収でした。医薬品部門は「ランタス」の売上不調で減収でしたが、消費者向けヘルスケア部門が+45%と大きく伸びました。新興国でのワクチン事業が好調の要因です。

FY17の純利益は84億ユーロで前年から2倍近く増加しています。2017年1月に動物用医薬品事業をベーリンガーインゲルハイムに売却しており、それに伴う特別利益が46億ユーロ計上されています。なお、ベーリンガーインゲルハイムの消費者向けヘルスケア部門を対価として譲り受けています(つまり事業交換)。 この特別利益の影響を除外すれば、むしろFY17の純利益は前年より悪化します。一時要因を除いた調整後EPSはFY16が5.7ユーロなのに対して、FY17は5.5ユーロです。

キャッシュフローは潤沢ですが、営業CFは落ち気味ですね。

バランスシートですが、総資産の半分以上が過去のM&Aによって認識したのれんと無形資産です。買収で成長してきた会社なのでしょう。

配当は大きな成長は見られません。この10年の増配率は年率4%ほど。配当性向は80%を超えていますから、利益成長なしに大きな増配は難しい状況です。毎年、配当総額の半分程度の自社株買いを実施しており、総還元性向は100%を超えています。