※2018年12月期決算データ反映、コメント刷新(2019/6/16)
S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。
データソースはMorningstarです。
今回はゼネラル・エレクトリック(GE)をご紹介します。
基本情報
会社名 | ゼネラル・エレクトリック |
ティッカー | GE |
創業 | 1892年 |
上場 | 1892年 |
決算 | 12月 |
本社所在地 | コネチカット州 |
従業員数 | 283,000 |
セクター | 資本財 |
S&P格付 | BBB+ |
監査法人 | KPMG |
ダウ30 | × |
S&P100 | 〇 |
S&P500 | 〇 |
ナスダック100 | × |
ラッセル1000 | 〇 |
※2018年にNYダウ除外
地域別売上構成比
セグメント別売上構成比
業績
キャッシュフロー
バランスシート
資産
負債純資産
株主還元
連続増配年数
0年
過去10年の配当成長
年率▲11.4%
この10年で配当は0.3倍になりました。
過去の株主リターン(年率、配当込み)
過去10年(2009~2018):▲4.1%
過去20年(1999~2018):▲4.4%
過去30年(1989~2018):+5.3%
バリュエーション指標(2019/6/16時点)
予想PER:13.8倍 最新情報はこちら
配当利回り:0.4% 最新情報はこちら
コメント
ゼネラル・エレクトリック(GE)は、1889年にトーマス・エジソンが設立した歴史ある他国籍コングロマリット企業です。世界180カ国でビジネスを展開しており、28万人の従業員を抱える巨大企業です。1896年のダウ平均株価算出以来、これまで構成銘柄に入り続けている唯一の企業でしたが、2018年にNYダウ銘柄から除外となりました。
2018年12月末時点の事業セグメントは以下の7です。
・航空
・電力
・石油、ガス
・ヘルスケア
・再生可能エネルギー
・輸送
・照明
電力部門は全体で2番目に大きい部門ですが唯一の赤字部門で再建は道半ばです。営業利益の大半は航空部門とヘルスケア部門が稼ぎます。
が、稼ぎ頭のヘルスケア部門はGE本体から切り離されます。2019年2月にバイオ医薬事業を210億ドルでダナハーに売却。残ったヘルスケア部門は分社化の予定です。油田サービス大手ベーカーヒューズ株の売却も将来的にはあり得るかもしれません。また、輸送・照明部門は撤退するとフラナリー前CEOは語っていました。GEの事業ポートフォリオは当面は目まぐるしく変わりそうです。
業績低迷を受けて2017年に配当を50%カット、2018年には実質無配になっています。
財務データを確認してましょう。
この2、3年で急激に業績が悪化していることがわかりますね。
FY18の売上高は1,216億ドルで前年比+1.0%。電力部門が大幅減収だったものの航空、石油ガス部門の増収で相殺できました。ただし、石油ガス部門は2017年7月のベーカーヒューズを統合した影響が大きいです(2017年は下半期しかPLに貢献してないが、2018年は通期で貢献している)。したがって、FY18は実質的には若干の減収と見ています。
FY18の純利益は▲223億ドルでした。電力部門ののれん220億ドルを減損した影響です。主に2015年の仏アルストム買収にかかるのれんの減損です。
キャッシュフローからも業績の低迷が見てとれます。FY18の営業CFは42億ドルとプラスではありますが、売上高に占める比率(営業CFマージン)はわずか3.5%です。設備投資を控除したフリーCFは38億ドルのマイナスです。
配当はリーマンショックによる景気悪化の影響を受けて2009年に減配しています。その後は順調に増配を続けてきましたが、前述の通り2018年に実質無配に転落しました。2016年に一株あたり0.24ドルあった四半期配当は2017年0.12ドルに、2018年には0.01ドルになりました。自社株買い実績は直近3年はゼロです。
いつも楽しく拝見しております。
もしご興味あれば、GEの現CEO出身のダナハー(DHR)、ダナハーからスピンオフしたフォーティブ(FTV)の銘柄分析を行っていただけないでしょうか。
マイナーな銘柄だからか日本語では全くと言って良いほど情報がないのですが、株価の成長率は凄まじいです。
知らない会社でしたが、米国会社四季報にしっかり載っていました。
「一般産業向けに検査、試験・測定、センサー、運搬・監視、制御などの各種機器を製造・販売」とのこと。
2016年にスピンオフでまだ財務データが少ないのがネックですね。
すぐには厳しいかもしれませんが、銘柄分析依頼リストに記載しておきます。
ご依頼ありがとうございます。勉強になります。