アマゾンの10-Kレポート(日本で言う有価証券報告書)を初めてみました。色々と興味深い情報があって楽しかったのですが、個人的に驚いたのがAWSの業績を個別に開示していた点です。アルファベットがYouTubeの情報を「その他」に一括りにしているのとは対照的です。

これが、アマゾンのセグメント別売上構成比です。
売上高の約10%がAWSによるものです。

で、驚いたのがセグメント別の営業利益構成比です。以下はアマゾンの10-Kレポートの抜粋です。黄色の色塗は私が個人的にやったものです。


かなり小さい画面ショットで申し訳ありません(特にスマホの方はほとんど見えませんよね・・)。

2017年度の営業利益は41億ドルだったのですが、うち43億ドルがAWSがもたらしたものです。ってことは、電子小売り事業の営業利益はまだ赤字だということです。簡単にまとめるとこうなります。

セグメント 営業利益金額
電子商取引 ▲2億ドル
AWS +43億ドル
合計 +41億ドル

AWSが生み出すキャッシュがなければ、アマゾンはまだ赤字企業ということになります。AWSはまだまだ成長段階の事業ですが、これがどれだけアマゾンの成長に寄与しているかよくわかります。

AWSの営業利益率を推定計算すると約25%です。まだ成長途上の事業であることを考えれば、驚異的なマージンです。これはめっちゃくちゃ驚いた。まさかAWSがここまでアマゾンの業績に貢献しているだなんて、今日10-Kレポートを読むまで知りませんでした。

イメージとしては、AWSで稼いだキャッシュを、電子商取引事業にガンガン投資している感じです。AWSがもたらす年間収入が約170億ドル(約2兆円)で、キャッシュフロー計算書によると年間の設備投資額は約140億ドルです。ほぼイコールですね。

AWSすげ~って思いました。そりゃ、マイクロソフトやアルファベットなどIT大手がこぞってクラウド事業に参入するわけですね。そりゃこれだけ儲かる事業はレッドオーシャンになりますわな。そこで競争に勝ってシェアを伸ばせるアマゾンの凄さを改めて感じた次第です。

やっぱアマゾン優良企業ですね。ネット小売り事業が成熟して「金のなる木」になれば、AWSとの二刀流でざっくざっく配当を送ってくれる企業になりそうです。ああ、やっぱ凄い会社やわ。バフェットさんがアマゾンに投資しなかったことを後悔していると言うのも納得です。

てか、ちゃんと10-Kレポートまで読むって大事だな~って思いました。大事な情報が詰まっています。これからも、気が付いた情報はなるべくブログで還元していくようにします。