炭水化物オン炭水化物って言葉ありますよね。嫌いじゃないけど、健康と体重を気にしてあまりやらないかな。家系ラーメンたまに行きますけど、大体どこのお店もライス無料です。ですが、僕は付けません。健康というか単純に食べ切れないから。お好み焼とライスって組み合わせもちと無理やな~。餃子定食は行けるけど。

メシの話はこの辺にして投資の話。炭水化物オン炭水化物ならぬ、不労収入オン不労収入を実現できる銘柄があります。米マクドナルドです。

株式とは何もせずにただそれを持っているだけで、配当やキャピタルゲインを得られる最強の不労収入源です。さらにマクドナルド自体が莫大な不労収入を得ているので、マクドナルド株主は不労収入オン不労収入という特権的立場にあります。

なぜマクドナルドが不労収入を得ているかと言えば、世界中にあるマクドナルド3万7千店舗のうち、9割以上がフランチャイズ店舗だからです。売上高ベースで52%がフランチャイズ収入、利益ベースでは80%以上をフランチャイズ店から得ています。フランチャイズ収入の割合が増加するに連れて、マクドナルドの利益率は上昇しています。

以下はFY13~FY18の売上高(直営店、フランチャイズ収入)推移と、粗利率の推移です。

粗利率が大きく上昇しています。直近FY18では50%を超えています。

フランチャイズ収入の方が利益率は高いです。そりゃそうです。店舗運営は別の第三者に任せて、自分は上納金を受け取るだけなのですから。

フランチャイズというのはビジネスの最終形態です。フランチャイズ化って簡単に言いますけど、どんな企業でもできるわけではありません。ブランド力、商品力のあるごくごく一部の企業だけがビジネスをフランチャイズ化できます。

フランチャイズ化するためにはフランチャイジーの存在が必要です。マクドナルド本社に上納金を差し出してもいいから、マクドナルドブランドを使ってお店を開業したいと思ってくれる人が存在しないと成立しません。マクドナルドは世界中で親しまれているハンバーガーだし、製造プロセスが高度に標準化されているからこそ、ここまでフランチャイズ化を推進することができます。

最近、セブンイレブンの24時間営業が問題になりました。オーナーに契約で24時間営業を求めているけど、それは倫理的にどうなのかという問題。社会的に問題になったからセブンイレブン側も折れて見直しを検討していますが、もし明るみに出なかったら24時間営業は継続されていたかもしれません。それくらい、フランチャイザー側の交渉力は強いです。「俺たちの看板、商品、マーケティングを使ってんだろ」と強気に出れます。

24時間営業反対の声を上げるのは当然とは思うものの、付加価値の大半をフランチャイザーであるセブンイレブン本社に頼った状態でビジネスをやれば、ジリ貧に陥るのは当然とも思います。問題の本質は24時間営業どうこうではなく、ビジネスの基盤を他者に委ねていることだと思うんですけどね。まあ、それでも「フランチャイズやりたい!」って手を挙げる人がいるから、契約は成立するわけですが・・。

ロイヤリティ収入というのは貴族的な収入です。何も仕事しなくてもただ寝ているだけで毎月お金が降ってくる。気が付いたら口座にお金が入金されている。資産収入です。利益率っていう概念すら無くなってきます。利益率ほぼ100%です。

2018年12月期の米マクドナルドの財務諸表を見ましたが、利益率はもはやハイテク大手のマイクロソフトやアルファベット並みです。外食産業と情報産業で全く領域は異なりますが、本質は同じかもしれません。つまり無形資産を売っているということです。マクドナルドのフランチャイズ収入とハイテク大手のITプラットフォームが生み出す収入、この2つは似ている気がします。黙っててもお金が降ってくるという点が似ています。コストを掛けずに規模を拡大できる点も似ている。ネットワーク効果の有無は違うけどね。マクドナルドのビジネスにネットワーク効果は期待できないかな。

米マクドナルドを日本マクドナルドと同じ風に見ていると判断を誤ります。まあ、ビジネスのことを把握してなくても、米マクドナルド社の財務諸表を見れば誰でも気が付きます。えげつない利益率です。繰り返しですが、ハイテク大手に匹敵します。そして、今後もフランチャイズ化を進める同社の方針を考えれば、利益率はさらに高まるかもしれません。

PER20倍超と、米マクドナルド株(MCD)決してお買い得な銘柄ではありませんが、長期保有には非常に向いている銘柄だと思います。多額の資本を使わずとも、フランチャイズ網を広げることは可能です。安定したフランチャイズ収入が今後もマクドナルド株主の懐を温めてくれるはずです。

日本マクドナルドの財務諸表もチラッと見たことありますが、比べものになりません。圧倒的に米マクドナルドの方が高収益です。長期投資ではシンプルに優良企業に投資した方が結果が出ると思います。もちろんバリュエーションには気を付けつつ。

もはや投資スキルどうこうではなく、知っているか知らないかの違いでしかありません。日本マクドナルドではなく、米マクドナルドという投資対象があると知っているかどうか。長期投資が前提であれば、米マクドナルドを選ばない理由はありません。収益力の高さは、外食産業の中では群を抜いています。

いや、だから違うんだよな、外食産業じゃないんだよ、情報産業なんだよな、米マクドナルドって。

(参考)
MCD銘柄分析