※2019年12月期決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はアルトリア・グループ(MO)をご紹介します。

基本情報

会社名アルトリア・グループ
ティッカーMO
創業1919年
上場1923年
決算12月
本社所在地バージニア州
従業員数7,300
セクター生活必需品
S&P格付BBB+
監査法人PwC
ダウ30×
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別情報

事業範囲は米国のみ。

2008年に米国外事業をフィリップモリスとして分離。

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

セグメント利益率推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

※FY19は純利益マイナスのため、配当性向も総還元性向も便宜上100%としている。

連続増配年数

11年

過去10年の配当成長

年率+9.5%

この10年で配当は2.5倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2010~2019):+15.5%
過去20年(2000~2019):+18.0%
過去30年(1990~2019):+15.1%

バリュエーション指標(2020/2/28時点)

予想PER:9.2倍 最新情報はこちら

配当利回り:8.0% 最新情報はこちら

コメント

アルトリア・グループは全米トップのたばこ会社です。2008年に米国外事業をフィリップモリス・インターナショナルとして分離したので、売上は100%米国内です。

事業セグメントは以下の3つ
・たばこ
・無煙たばこ
・ワイン

「たばこ」部門が紙巻きタバコと葉巻を取り扱うセグメントで、総売上高の9割弱を占めます。40年以上米国のトップブランドの地位にある「マールボロ」を販売しています。「マールボロ」の全米シェアは43%。最大の競合はレイノルズ・アメリカンです。レイノルズは現在ブリティッシュ・アメリカン・タバコの傘下に入っています。葉巻は「ブラック&マイルド」のブランド名で販売しています。

「無喫たばこ」は加熱式タバコや電子タバコを扱います。事業規模はまだ小さいです。

2018年12月、電子タバコ最大手のジュール・ラブズの株式の35%を128億ドルで取得しました。ジュールへの投資は持分法で処理されます。後述しますが、投資資産の大半がすでに減損されています。

また、同じく12月、マリファナ(大麻)ビジネスを手掛けるカナダのクロノスの株式の45%を取得すると発表しました。18億ドル相当になります。クロノスへの投資も持分法で評価されます。こちらも減損済み。

約10%の株式を保有する酒類大手アンハイザー・ブッシュインベブ(ABインベブ)株についても、持分法を適用しています。

財務データを確認してみましょう。

売上高は250億ドル前後で横ばいが続いています。

FY16に純利益とEPSが急伸していますが、ABインベブのSABミラー買収に伴って、アルトリアが保有していたSABミラー株の売却益が計上されたためです。FY17も純利益がかなり上振れていますが、税制改革に伴って34億ドルの一時収益を計上しているためです。100%米国内売上のアルトリアは税制改革の恩恵を受けやすいです。

FY19の売上高は251億ドルで前年比微減。「マールボロ」などの出荷数量減少を単価上昇で補いました。粗利率が改善しており営業利益は増益。

FY19の純利益は▲13億ドルと赤字転落。JUUL株式の減損損失86億ドル、クロノス投資の減損損失14億ドルの影響です。いずれも非現金費用のため営業キャッシュには影響はしません。

キャッシュフローは安定しています。設備投資が少なく、フリーCF≒営業CFとなっています。営業CFマージンは直近30%。

バランスシートを見てみましょう。流動資産は少なく固定資産が9割を占めます。機械設備などの有形固定資産はほとんど持っておらず、無形資産が大半を占めます。固定資産が増減を繰り返しているのは、JUUL等への投資時に増加し減損時に減少した結果です。

FY18から負債が増加しています。JUUL等への投資資金のファイナンスのためです。投資資産を減損しても借金はしっかり残ります、当たり前ですが。

毎年利益の80%以上を配当で還元しています。その上若干の自社株買いも毎年実施しています。フリーキャッシュフローぎりぎりまで配当を出しており、当面は高い増配率は期待できなさそうです。