※構成銘柄等のデータ更新、コメント刷新(2018年10月21日)
米国経済を牽引するのは大手ハイテク企業です。FANGやFAAMGなどという呼称もあるくらいです。
アップルの時価総額は1兆ドルを超えました。マイクロソフトはサティア・ナデラCEOに変わってから業績好調で株価もうなぎ登り。決済大手のビザは私が知る限り、米国企業でトップと言っても過言ではないくらいの高収益体質を築いています。
私たちの生活はもはや先端テクノロジーなしには成り立ちません。スマホなしの生活なんて想像できません。マイクロソフトのエクセルなしで経理の仕事をこなすのは絶対に絶対に無理です。
そんなテクノロジー(ハイテク)セクターに投資できるETFがテクノロジー・セレクト・セクター SPDR® ファンド(XLK)です。
XLKの紹介をする前に抑えておきたいポイントがあります。2018年9月にMSCIとS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによる世界産業分類基準(GICS)が変更になり、テクノロジーセクターの中身はかなり変わりました。
かつてXLKの主要銘柄だったアルファベット(グーグル)やフェイスブック、AT&T、ベライゾンコミュニケーションズはテクノロジーセクターからコミュニケーション・サービスという新設セクターに移籍しました。
それを踏まえた上で、XLKの中身を見ていきましょう。
XLKはこんなETF
概要
テクノロジー・セレクト・セクター指数の値動きと利回りに、経費控除前で概ね連動する投資成果を上げることを目標とします。
経費率
0.13%
組入銘柄数
66銘柄
上位構成銘柄
ティッカー | 銘柄名 | 比率 |
AAPL | アップル | 20.6% |
MSFT | マイクロソフト | 17.3% |
V | ビザ | 5.1% |
CSCO | シスコシステムズ | 4.3% |
INTC | インテル | 4.3% |
MA | マスターカード | 3.9% |
NVDA | エヌビディア | 3.0% |
ORCL | オラクル | 2.8% |
ADBE | アドビ・システムズ | 2.5% |
IBM | IBM | 2.5% |
CRM | セールスフォース・ドットコム | 2.2% |
ACN | アクセンチュア | 2.1% |
AVGO | ブリードコム | 2.0% |
TXN | テキサスインスツルメンツ | 2.0% |
PYPL | ペイパル | 1.9% |
QCOM | クアルコム | 1.9% |
ADP | オートマチック・データ・プロセシング | 1.3% |
INTU | インテュイット | 1.1% |
MU | マイクロン・テクノロジー | 1.0% |
CTSH | コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ | 0.9% |
HPQ | ヒューレット・パッカード | 0.8% |
FIS | フィデリティ | 0.7% |
AMAT | アプライド・マテリアルズ | 0.7% |
FISV | ファイサーブ | 0.7% |
ADI | アナログ・デバイセズ | 0.6% |
上位10社構成割合:66%
上位25社構成割合:86%
※2018年9月の世界産業分類基準(GICS)の体系変更反映済み
ティッカーをクリックすると銘柄分析記事に飛びます。
産業別構成比
売買回転率
79%
※最近セクター変更があって銘柄が大きく動いているのであまり参考になりません。かつてのXLKの回転率は5%程度と低かったです。一時的に回転率が高く算出されているだけの可能性が高く心配無用です。
分配金利回り
1.3%
過去10年トータルリターン
年率+17.5%
アップルとマイクロソフト次第
新XLKの特徴はとにかくアップル(AAPL)とマイクロソフト(MFST)の割合が大きいことです。この2社で約4割を占めます。フェイスブックとアルファベット、AT&T、ベライゾンがコミュニケーション・サービスに移った影響です。旧XLKでもアップルの割合は大きかったですがそれでも13%くらいで、マイクロソフトは10%程度でした。
ビザ(V)、シスコシステムズ(CSCO)、インテル(INTC)まで含めた上位5社で全体の半分を占めます。
経費率は0.13%と低いです。
ここ10年のトータルリターンは年率+17.5%でS&P500を大きくアウトパフォームしています。リーマンショック以降の米株価上昇を牽引しているのはハイテク企業ですから、それが数字に表れていますね。
金利は上昇してきました。現在の10年債利回りは3.2%ほど。ハイテクセクターは金利上昇に弱い性質があるので、ここは注意が必要でしょうか。ただ、まだ景気回復期が続くならば相場を牽引するのは引き続きハイテクセクターになる可能性が高いと見ています。
XLKはテクノロジー(ハイテク)セクターのポジションを簡単に取れる便利なETFです。ただ、アップルとマイクロソフトにかなり偏っているということを覚えておいた方がいいですね。
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米国企業のセクターはこう変わる!~コミュニケーション・サービスセクター新設~
こんばんは
今月から米国株式デビューしたばかりですが、QQQとXLPのETF の他に個別株式は、ハイテク関連でアップル、マイクロソフト、ビザを選び
…意識しなかったですがXLKの上位3社を買い揃えた事になりました。
ETFでS&P500やQQQで、この三社が重複してますが…やっぱり日常生活でこの三社が衰退する未来が想像できないくらい、我々の生活に密着してるのが強いかなぁと思ってます。
個別株でXLK上位3社の個別株を持っているけど、改めてXLKの構成を見ると欲しくなる企業が目白押し
シスコとかも個別株で欲しくなりますが、まずはコレクター気質を我慢して、今のポートフォリオで成長を目指します。
いつも役立つ情報、有難うございます
大企業=優良企業とは一概に言えませんが、事業が魅力的だから世の中に広まって結果として大企業になるという面はあると思います。
優良企業を探して投資していたら、結果として優良ETFの構成銘柄と重複することはよくあることだと思います。
私はHDVの構成銘柄と個別銘柄がかなり重複していて、もはや分散投資の意味をなしていない状況でここをどう整理するか考え中です。
アップル、マイクロソフト、ビザどれも魅力的です。
収益が高い点だけじゃなく、3社ともバリュエーションがまとまな点を好感しています。
目先の株価変動は何とも言えませんが、PERで見て割高感はありません。
投資家は慎重姿勢を崩していないと思います。
>シスコとかも個別株で欲しくなります
同感です。私もシスコ欲しいです。
キャッシュフロー半端ないです。
>コレクター気質を我慢して、
ここの我慢は難しいですよね(笑)。
米国株って優良企業が多すぎて目移りします。
たばこ会社はPMとMOだけ持ってますが、BTIも欲しいです。
ヘルスケアはJNJとBMYも欲しいな~と狙ってます。
ただあまりに銘柄数を増やし過ぎても何か嫌嫌なので、考えものです。
現在の株価下落はリセッション入りした、もしくはリセッション入り目前だと考えても良いと思いますか? 管理人様の御意見が伺いたいです。
また、リセッション突入した際におすすめできるETF等があれば教えて頂きたいです。キャッシュポジションを増やすことが一番の対策だとは思うのですが。
根拠の薄い個人的意見ですが、リセッション入り直前とは思えません。
まだFRBは数回利上げを続けようとしている最中です。
過剰な債務も見当たりません。
新興国はトルコは別にしても、ドル建て債務はそこまで大きくなるドル高に対して強くなってます。
私はまだリセッション入りは先だと思っています。
米国株のバリュエーションは妥当です。減税もあってEPSも伸びています。
ハイテク株が買われ過ぎとたまに言われますが、アップルもマイクロソフトもPERはいたって普通です。
利益成長力に見合ったレベルに見えます。
仮にリセッション入りが目前としたら、投資対象は債券がよいです。
安全資産として買われる可能性が高いです。
具体的にはBNDやAGGがあります。
株式の中では公益セクター、生活必需品セクターが相対的に強いです。
具体的にはXLUやXLPです。
あと金も買われると思います。GLD、IAU、GLDMなどです。
ジェフリー・ガントラック氏は金に強気です。