※2018年12月期決算データ反映、コメント刷新(2019/4/30)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はマスターカード(MA)をご紹介します。

基本情報

会社名マスターカード
ティッカーMA
創業1966年
上場2006年
決算12月
本社所在地ニューヨーク州
従業員数14,800
セクター情報技術
S&P格付A
監査法人PwC
ダウ30×
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

7年

過去10年の配当成長

年率+30.5%

この10年で配当は14.2倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

上場来(2007~2018):+28.5%

バリュエーション指標(2019/4/30時点)

予想PER:27.6倍 最新情報はこちら

配当利回り:0.5% 最新情報はこちら

コメント

マスターカードは、”プレイスレス”のフレーズで有名な国際カードブランドです。売上規模では最大手ビザの3分の2ほどです。

Master cardのブランドライセンスと決済ネットワークを提供しています。マスターカード自身はクレジットカードを発行してはいません。そこはビザと一緒。

Master Cardは世界で広く周知されている有名ブランドです。消費者としてはビザとマスターカードで特に優劣はないですかね。まあ、2枚目のクレジットカードを作る時は1枚目と違うブランドで作った方が、リスクヘッジになっていいかなあくらいでしょうか。と言いつつ、私は2枚持っているクレカは両方ともVISAですが。

2002年にEuro Cardと統合。2016年にはブレグジットの混乱が残る中、英国のVocalink社を11億ドルで買収し、英国の決済ネットワーク事業を拡充しました。英国政府は決済市場の規制を大幅に緩和しています。

カード発行会社から会員数に応じて徴収する加盟手数料と決済手数料が収益の柱です。

国際ブランド専業はビザとマスターカードだけで、今後新規参入があるリスクは低いです。決済ネットワークビジネスには高いネットワーク効果があるので、すでに巨大化した2社に追随するのは事実上不可能と言えるでしょう。

財務諸表を見てみましょう。

売上高は過去10年一貫して増加し続けており、この10年の成長率(CAGR)は11.6%もあります。高収益かつ成長著しいことが財務諸表からよくわかりますね。

FY18の売上高は149億ドルで前年比+20%。大きく成長していますが、うち4%相当は収益認識基準の改正によるものとのこと(会社注記によれば)。また、買収も寄与しており実質的な増収率は+14%程度です。これでも依然大きな成長です。クロスボーター取引の手数料収入が伸びました。

FY18の純利益は58億ドルで前年比+50%。前年FY17は税制改革関連で約9億ドルのコストを認識しました(繰延税金資産の減損)。ただし、当FY18も訴訟引当金として11億ドルの特別損失を計上しています。はい、こんな感じで、純利益は一時要因が複数絡んでApple to Appleで比較しずらいです。

ってことで調整後利益を見ましょう。調整後純利益はFY17が49億ドルに対してFY18は68億ドル。法人税率低下の恩恵があることを考えても大きな伸びです。少なくとも売上伸長(実質ベース)14%と同水準の利益成長は達成していると見ています。素晴らしい。

キャッシュフローは潤沢です。設備投資が少ないのでフリーCF≒営業CFという状態です。フィリップモリスなどタバコ会社を彷彿とさせるキャッシュフロー構造です。営業CFマージンは40%以上ありため息が出るほど高収益です。目安と言われる15%なんて余裕でクリア。

バランスシートを見てみましょう。流動資産と固定資産が半々ですね。流動資産は現金(短期投資含む)と売掛債権が大半です。固定資産はのれんと他無形資産です。無形資産はソフトウェアが多いです。M&A絡みではなく自社開発のシステムを資産化したものと思われます。

負債純資産を見るとオレンジ色の固定負債が増えて、グレーの純資産が年々減少していることがわかります。これは自社株買いの影響です。積極的な株主還元が純資産を食いつぶすという優良米国企業によく見られるパターンです。フィリップモリス、ボーイング、マクドナルドなどと同じです。

配当は毎年グングン伸びています。この10年のDPS(一株当たり配当)成長率は驚異の30%。さらに凄いのが自社株買いの規模です。直近5年間で配当総額の5倍近い自社株買いをしています。おかげさまで、総還元性向は100%を超えています。マスターカードは(ビザも)株主還元とEPS成長を両立させている末恐ろしい企業です。

上場来2007年~2018年の株主リターン(配当再投資前提)は28.5%でS&P500指数に余裕で勝利。今後30年間もこのリターンが継続するとはさすがに思わないですが、S&P500指数には勝つ可能性が高いだろうと思っています。