※セグメント情報をアップデート(2019/9/1)
FY18(2019年6月期)決算データ反映、コメント刷新(2019/8/18)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はマイクロソフト(MSFT)をご紹介します。

基本情報

会社名マイクロソフト
ティッカーMSFT
創業1975年
上場1986年
決算6月
本社所在地ワシントン州
従業員数144,000
セクター情報技術
S&P格付AAA
監査法人Deloitte
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント別営業利益推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

15年

過去10年の配当成長

年率+13.7%

この10年で配当は3.6倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+20.9%
過去20年(1999~2018):+7.8%
過去30年(1989~2018):+22.3%

バリュエーション指標(2019/8/18時点)

予想PER:23.0倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.4% 最新情報はこちら

コメント

マイクロソフトは1975年創業の世界的なソフトウェア開発会社です。

お馴染みのWindowsはPC用OSで圧倒的なシェアを誇っています。1990年代に当時最大のパソコンメーカーだったIBMが自社製品に組み込むOSとしてWindowsを採用し、一気にシェアが拡大しました。表計算ソフトのExcelや文書作成ソフトのWord、プレゼン資料用ソフトのPowerPointなどの業務用ソフトウェアでも世界首位です。また、家庭用ゲーム機のXboxも販売しています。

クラウド事業Azureに力を入れており成長しています。クラウド事業はアマゾン、マイクロソフト、グーグルのIT大手3社が強いです。

自社で開発したソフト「ウィンドウズ」を売ることで儲けてきたのがこれまでのマイクロソフトでしたが、現在はウィンドウズの枠にとらわれずあらゆるプラットフォームで多様なサービスを提供する方向に舵を切っています。それがナデラCEOの戦略であり、大きな成果を上げています。単発売り切りよりも、継続的な課金型(サブスクリプションモデル)の方が収益も安定します。

これまでの主要なM&Aを紹介します。

2011年10月にスカイプを85億ドルで買収しました。私は最近、仕事でよくスカイプ使ってます。face to faceでコミュニケーション取れて便利で気に入ってます。スカイプがマイクロソフト傘下ってあまり知られてない事実かもしれません。

2016年12月にリンクトインを262億ドル(約3兆円)で買収しました。過去最大規模の買収額となりました。リンクトインはビジネス特化型のSNSで登録ユーザー数は4億人を超えます。転職市場が小さい日本ではマイナーな存在ですが、世界的にはメジャーなSNSです。リンクトインとOfficeとの連携を深めるなどしてシナジーを創出していく戦略のようです。

2018年6月にギット・ハブを75億ドルで買収すると発表しました。ギット・ハブはソフト開発者のソースコードを共有するサイトを運営する企業です。まだ売上規模の小さな企業ですが、75億ドルという大枚を払って買収します。リンクトイン、スカイプに次ぐ過去3番目の規模の大型M&Aです。「オープン・ソース」という今のマイクロソフトの戦略の方向と合致しているという判断でしょう。

現在NY市場で最大規模を誇り、時価総額は1兆ドルを突破しました。

財務データを見てみましょう。

売上高は緩やかに成長。FY17にトップライン1,000億ドルを達成。

FY18の売上高は1,258億ドルで前年比+14%。成長は加速しています。クラウド事業が+21%と伸びたことは大方の予想通りでしょうが、注目したいのは昔からの「ウィンドウズ」事業も+8%と力強い伸びを示したこと。Office365も+33%と高成長。リンクトインも+28%と好調。あらゆる事業が堅調に伸びている印象を受けました。営業利益率は30%を超えており、キャッシュ製造マシンと化しています。

FY18の純利益は392億ドルで前年比+137%。前年FY17は税制改革に伴って137億ドルの特別損失を計上しており、その反動で大幅増益。Non-GAAPの調整後EPSは前年比+22%の4.75ドル。売上伸長率以上に利益が伸びています。

キャッシュフローは美しい。毎年莫大な営業CF、フリーCFを生み出しています。営業CFマージンは40%近くありますが、これは全米国企業の中でもトップクラス。私が知る限り、これに匹敵するのはビザとマスターカード、フェイスブックくらいです。

バランスシートを見てみましょう。流動資産が多いです。莫大な現預金を保有しているからです。2019年6月末時点で1,300億ドル以上の現預金(短期運用投資含む)を保有しており、これだけで総資産の半分近くを占めます。

業績拡大に伴って総資産(負債純資産合計)は増えていますが、純資産はそれほど増えていません。稼いだ利益をしっかり株主に還元しているからです。低金利を利用して負債を調達してきた影響もあります。

DPS(一株当たり配当)は毎年上昇しており、この10年で3.6倍に成長。自社株買いも積極的です。ここ5年間で見れば配当より自社株買いの方が多いほどです。総還元性向は100%を超えています。