※FY20(2020年9月期)決算データ反映、コメント刷新
S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。
データソースはMorningstarです。
今回はアップル(AAPL)をご紹介します。
基本情報
会社名 | アップル |
ティッカー | AAPL |
創業 | 1977年 |
上場 | 1980年 |
決算 | 9月 |
本社所在地 | カリフォルニア州 |
従業員数 | 147,000 |
セクター | 情報技術 |
S&P格付 | AA+ |
監査法人 | EY |
ダウ30 | 〇 |
S&P100 | 〇 |
S&P500 | 〇 |
ナスダック100 | 〇 |
ラッセル1000 | 〇 |
地域別情報
地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報
製品種類別売上構成比

製品種類別売上高推移

セグメント利益推移
開示なし
セグメント利益率推移
開示なし
業績


キャッシュフロー

バランスシート
資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数
9年
過去9年の配当成長
年率+31.4%
この9年で配当は8.9倍になりました。
過去の株主リターン(年率、配当込み)
過去10年(2010~2019):+27.3%
過去20年(2000~2019):+25.4%
過去30年(1990~2019):+20.7%
バリュエーション指標(2020/11/8時点)
予想PER:29.9倍 最新情報はこちら
配当利回り:0.7% 最新情報はこちら
コメント
スティーブ・ジョブズが1977年にパソコン開発のためにガレージで起業した会社がアップル設立の起源です。
1976年に初代マイクロコンピュータである「AppleⅠ」を開発しました。その後に発表した「AppleⅡ」が大ヒットし、1980年には株式上場を果たします。
1984年にマックの愛称で親しまれる「Macintosh」を発売。今見ると図体がデカく使いにくそうなパソコンですが、当時としては画期的な商品でした。ジョブスは「Macintosh」を「AppleⅡ以来のメチャクチャ凄いPCだ」と自信満々に商品発表を行いました。
ジョブズは「Macintosh」の生産について強気の計画を指示しましたが、当初の販売は計画を下回る結果となりました。それが原因で1985年にジョブスは自らが創業したアップル社を追放されました。1996年に復帰するまでの10年間、アップルはジョブズ不在の時期でした。
2001年にはポータブル音楽プレイヤーのiPodを発売。そして、2007年にiPhoneを発表。iPhoneはアップルのドル箱商品に成長しました。iPhone1台当たりの製造原価は250ドル弱と言われますが、それを700ドル以上で販売しています。30%近くある高い営業利益率はiPhoneの高いグロスマージンが生み出しています。iPhoneは世界中の人々の生活に革命を起こし、仕事の進め方、コミュニケーションの方法を大きく変えました。
ジョブスはiPhone4Sの発表後、2011年5月に56歳の若さでこの世を去りました。
アップルには信者がたくさんいます。だから、高額なiPhoneが世界中で売れ続けます。iPhoneの世界販売台数は2億台/年を超えます。特に日本のスマホ市場はiPhoneのシェアが高く60%近くあります。米国のそれは35%ほど。
2015年以降、iPhoneの販売収入は緩やかな下降気味。FY20の総売上高に占めるiPhoneの割合は50%にまで低下(FY15は67%)。今後は稼働しているiPhone1台当たりの収益を最大化すべく、Apple MusicやApple TV+といったサービス売上を拡大させていく方針です。また、AirPods等のウェアラブルの収入も伸びてきました。
ウォーレン・バフェット氏が経営するバークシャー・ハサウェイは、積極的にアップル株を買い進めています。今やアップルはバークシャーのポートフォリオの44%を占めるまでになりました。

財務データを見てみましょう。
FY20(2020年9月期)の売上高は2,745億ドルで前年比+6%の増収。ドル高の逆風を受けつつの高成長。
製品種類別の伸長率は以下の通り。
iPhone ▲3%
Mac +11%
iPad +11%
ウェアラブル、アクセサリー +25%
サービス +16%
この9月決算にはiPhone12の販売実績が織り込まれていないのもありますが、サービスやウェアラブルなどiPhoneに依存しない収益体質になりつつあることがわかります。
FY20の純利益は574億ドルで+4%の増益。純利益率は21%で前年並み。
営業CFマージンは30%弱と過去5年の平均並み。設備投資が少なくフリーCFも潤沢です。この莫大なフリーCFを原資に積極的な株主還元を進めています。
バランスシートについて。流動資産の中身は主に現預金(短期投資含む)です。2020年9月時点、約900億ドル超の現金同等物があります。固定資産の大半は「市場性のある有価証券(Marketable securities)」。設備等の有形固定資産は少ないです。
負債純資産を見るとグレーの純資産が年々減少しているのがわかります。莫大な自社株買いによって利益を吐き出しているためです。ROE74%。
2012年から配当を出しており、DPS(一株当たり配当)はこの8年で9倍に拡大。また、配当以上に自社株買いが目立ちます。配当性向は25%ほどですが、総還元性向(配当+自社株買い / 純利益)はこの3年は100%を超えています。
いつもお世話になってます。
アップル株、やはりいいですね。
バフェット銘柄になってからも株価が上昇しつづけ、
今買うのは躊躇してしまいますね。
もちろん、数年間で割高も解消されそうなEPSの伸びですね。
一年前から、暴落したら買い増す!と言いながら、
今年は好調そのもので出遅れてしまった感がありますが、
以前から所有していたJNJなどは美味しく育っていますw
アップル株も、どこかのタイミングで購入するのが
正しいのかなあ、、と考えています。
のりのりっちさん、こんばんは。
こちらこそ、いつもお世話になります。
アップルは2017年はグングン株価上がっちゃいましたよね。
さすがバフェット氏が投資したタイミングは巧いですよね。
iPhoneの販売は今後も底堅いと思われるので、なかなか株価は調整しないでしょうね。
仮に金利が上昇しても、アップルはグーグルやマイクロソフトほど株価に影響はないと見ています。
ただ、アップルはここまで株価上昇してもまだPERは18倍で市場平均以下です。
iPhoneの成長が鈍化しているので、低いPERは正当化される面もありますが、それほど割高感はありません。
しかし、、ここまで株価が上昇していると心理的には買いずらいですよね。。わかります。
同じ理由でMSFTやJNJも手が出せていません。
JNJ羨ましいです!w
私もアップル株狙っていますよ。
ハイテクセクターは今IBMのみですが、他の候補としてはMSFTとAAPL、CSCOなどです。
配当好きな性格なので、利回り1.4%の今のAAPLは抵抗ありますね~。
2018年の投資戦略を年末にゆっくり考えようと思います。
うちの会社は残り営業日7日です。一年経つの早いですよね。
こんばんは
AAPLの分析記事、アップ有難うございます。
AAPLはコアなファンに支えられながら、今は大衆の必需品の一角を占める勢いですね。
AAPLがファンの支持を失う未来が想像し難いですが…消費者の信頼を失う不祥事は、どの企業にも起こり得るリスクですかねぇ。
不確実な不祥事リスクを防ぐためには、チャレンジ精神とともに誠実な企業文化を醸成したり……ありきたりですが、まともなガバナンス経営が続けば、株主の一人としてAAPLへの投資に安心感を持ち続けていられます。
私のポートフォリオのハイテク組では……AAPL, MSFT, Vは生活必需品に化けた安心投資の伴侶です。
CSCOは…未来に微妙な不安も感じる育成メンバー…みたいな立ち位置かな、多分
いつも役立つ情報、有難うございます。
AAPLの年次報告書見るの楽しかったですよ!
なぜだかわかりませんが、高収益な優良企業のレポートを見るのはワクワクするんです。
報道等でよく言われていることではありますが、iPhone販売台数は横ばいの状態で売上成長している様子がよくわかりました。
販売数量は微増にもかかわらず、売上高は16%も伸びています。ここまで単価を引き上げられるのはさすがアップルです。
実際に仕事をしてみて実感することですが、お客さんからお金を取るのって簡単なことじゃないです。
値上げを受け入れさせるのはiPhoneの実力あってこそです。
ブランド力なのかiOSの強みなのか。
あと改めて思ったのが、2019年からデバイス別の販売数量を非開示にする方針が残念だな~ということです。
アップルの年次報告書すごく丁寧でわかりやすいです。
情報開示が後退してしまうのは残念に思います。まあ色々と大人の事業があるのはわかってますが。
ハイテク分野は中国との競争もあって、情報開示にセンシティブですよね。
AAPLはBtoCのハイテク企業として安心感持って保有できますよね。
私も欲しいです!!
でも配当利回りが・・
配当利回りにこだわるのって損ですよね~。
そもそもアップルの配当利回りが低いのは、単に自社株買いが多いからですし。
hiroさん。こんばんわ。
Appleで発表されたApple Cardは、クレジットカード業界を革命をもたらすポテンシャルを秘めている気がします。
現在クレジットカードの不正使用が増加していますが、ほとんどは番号流出です。Apple Cardには番号がなく、決済時にiPhoneで顔認識か指紋認識が必要となっています。そのために不正使用が極めて困難です。Appleがゴールドマンサックス提携して開発とのことです。
私自身は、普及すれば今のクレジットカードから乗り換えると思います。
鎌倉見物さん、こんばんは。
情報ありがとうございます。
既存のクレジットカードと大差ないだろう~と先入観があってニュース読み流していました。
番号なしで決済可能とは革命的ですね。
生体認証で決済とは映画の世界みたいです。
しかもキャッシュバックまであるそうな。
アメックスグリーンがお気に入りですが、私もApple Cardに切り替える可能性はあると思います。
まずは様子見ですね。どれくらいのお店で使えるのかが気になります。
ところで、恐らく決済ネットワークはビザかマスターカードのものを利用するはずです。
やはりどんな支払いツールが生まれようと、この2社は利益を得る立場で居続けるだろうと思います。