FY19(2019年9月期)決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はアップル(AAPL)をご紹介します。

基本情報

会社名アップル
ティッカーAAPL
創業1977年
上場1980年
決算9月
本社所在地カリフォルニア州
従業員数137,000
セクター情報技術
S&P格付AA+
監査法人EY
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報

製品種類別売上構成比

製品種類別売上高推移

セグメント利益推移

開示なし

セグメント利益率推移

開示なし

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

6年

過去7年の配当成長

年率+41.1%

この7年で配当は7.9倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+30.8%
過去20年(1999~2018):+27.2%
過去30年(1989~2018):+17.7%

バリュエーション指標(2019/11/9時点)

予想PER:17.5倍 最新情報はこちら

配当利回り:1.2% 最新情報はこちら

コメント

スティーブ・ジョブズが1977年にパソコン開発のためにガレージで起業した会社がアップル設立の起源です。

1976年に初代マイクロコンピュータである「AppleⅠ」を開発しました。その後に発表した「AppleⅡ」が大ヒットし、1980年には株式上場を果たします。

1984年にマックの愛称で親しまれる「Macintosh」を発売。今見ると図体がデカく使いにくそうなパソコンですが、当時としては画期的な商品でした。ジョブスは「Macintosh」を「AppleⅡ以来のメチャクチャ凄いPCだ」と自信満々に商品発表を行いました。

よくスタバに行きますが、MacBookでカタカタ作業している人をよく見かけます。MacBookは軽くて持ち運びしやすそうです。アップルには信者がたくさんいます。だから、高額なiPhoneが世界中で売れ続けます。iPhoneの世界販売台数は2億台/年を超えます。特に日本のスマホ市場はiPhoneのシェアが高く60%近くあります。米国のそれは35%です。

ジョブズは「Macintosh」の生産について強気の計画を指示しましたが、当初の販売は計画を下回る結果となりました。それが原因で1985年にジョブスは自らが創業したアップル社を追放されました。1996年に復帰するまでの10年間、アップルはジョブズ不在の時期でした。

2001年にはポータブル音楽プレイヤーのiPodを発売。そして、2007年にiPhoneを発表。iPhoneはアップルのドル箱商品に成長しました。iPhone1台当たりの製造原価は250ドル弱と言われますが、それを700ドル以上で販売しています。30%近くある高い営業利益率はiPhoneの高いグロスマージンが生み出しています。iPhoneは世界中の人々の生活に革命を起こし、仕事の進め方、コミュニケーションの方法を大きく変えました。

ジョブスはiPhone4Sの発表後、2011年5月に56歳の若さでこの世を去りました。

2015年以降、iPhoneの販売収入は横ばいが続いています。今後は稼働しているiPhone1台当たりの収益を最大化すべく、Apple MusicやApple TV+といったサービス売上を拡大させていく方針です。また、AirPods等のウェアラブルの収入も伸びてきました。FY19時点で総売上高に占めるiPhoneの割合は55%にまで下がっています(FY15は67%でした)。

ウォーレン・バフェット氏が経営するバークシャー・ハサウェイは、積極的にアップル株を買い進めています。今やアップルはバークシャーのポートフォリオの25%を占めるまでになりました。ウェルズ・ファーゴやクラフトハインツ、コカ・コーラの2倍超を保有しています。

財務データを見てみましょう。

FY19(2019年9月期)の売上高は2,601億ドルで前年比▲2%の減収となりました。ドル高を加味すればほぼトントンと言えるでしょう。出荷台数減少によりiPhoneの販売収入が▲14%と大幅減。一方でiPad+13%、ウェアラブル等+41%、サービス+24%とiPhone以外の事業がアップル全体の業績を下支えしました。サービス売上の割合は18%にまで拡大しています。今後のさらなる成長に期待したいです。

グロスマージンは40%前後を維持しており収益性は落ちていません。グラフには載せてませんが営業利益率が25%と前年の27%からやや低下。販管費、研究開発費用がじわじわと増えています。

FY19の純利益は552億ドルで純利益率は21%。やや減益となりました。

営業CFマージンは20%台後半で高収益。設備投資が少なくフリーCFも潤沢です。この莫大なフリーCFを原資に積極的な株主還元を進めています。

バランスシートを見てみましょう。流動資産の中身は主に現預金(短期投資含む)です。2019年9月時点の現預金は1,000億ドル超の現金同等物があります。固定資産の大半は「市場性のある有価証券(Marketable securities)」ですが、詳しい中身はわかりませんでした。設備等の有形固定資産は少ないです。

負債純資産を見るとグレーの純資産が年々減少しているのがわかります。莫大な自社株買いによって利益を吐き出しているためです。

FY12から配当を出しており、DPS(一株当たり配当)はこの7年で8倍に拡大しました。また、配当以上に自社株買いが目立ちます。特にFY18とFY19の2年間は凄まじく、合計で1,396億ドルも買い戻しています。約15兆円。米マクドナルドやアドビの時価総額にほぼ匹敵する額です。