FY19(2019年7月期)決算データ反映、コメント刷新(2019/9/13)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はシスコシステムズ(CSCO)をご紹介します。

基本情報

会社名シスコシステムズ
ティッカーCSCO
創業1984年
上場1990年
決算7月
本社所在地カリフォルニア州
従業員数75,900
セクター情報技術
S&P格付AA-
監査法人PwC
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

開示なし

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

8年

過去8年の配当成長

年率+35.5%

この8年で配当は11.3倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+12.7%
過去20年(1999~2018):+4.3%
上場以来(1991~2018):+23.2%

バリュエーション指標(2019/9/13時点)

予想PER:14.0倍 最新情報はこちら

配当利回り:2.8% 最新情報はこちら

コメント

シスコシステムズ(CSCO)はカリフォルニア州サンノゼに本社を置く世界トップの通信機器メーカーです。ネット接続に使うルーター、スイッチで高いマーケットシェアを持ちます。

事業セグメントは以下の4つ。
・インフラプラットフォーム
・アプリケーション
・セキュリティ
・サービス

「インフラ・プラットフォーム」はシスコのレガシー部門に該当するところで、スイッチやルーター、データセンター関連製品を取り扱っています。売上高の6割弱を占めます。

「アプリケーション」は電話会議システムやWeb会議、IoT関連、2017年に買収したアプリケーション性能管理(APM)ソフトのアップダイナミクス(AppDynamics)などです。

「セキュリティ」はコンピューターをウイルスやハッキングから守る統合脅威管理システム、ポリシー設計、アクセス管理などです。

「アプリケーション」と「セキュリティ」を成長分野と位置付けており、両セグメントの売上成長率は10%近くあります。近年サイバー攻撃が増えていることから、特に「セキュリティ」部門は成長市場です。また、レガシーのスイッチも製品を全面刷新するなどしてきちんと投資を続けています。

「サービス」はテクニカルサポートを行う部門です。売上高の4分の1を占める事業で意外と重要性は高いです。アフターサービスこそ重要ですよね。ユーザー側からするとシステムのサポートが手厚い企業には安心感を覚えます。

財務データを確認しましょう。

売上高緩やかに成長を続けていますが概ね横ばいです。ハイテクバブル当時の輝きは良い意味で薄れ、すでに老舗企業になっています。

FY19の売上高は519億ドルで前年比+5.2%。セキュリティ部門が+16%と高い伸びを記録。インフラプラットフォーム部門も+6%と堅調でした。

FY19の純利益は116億ドルで大幅増益。前年FY18は税制改革に伴う一時費用(米国外留保利益に対する繰延税金負債の計上など)を約100ドル計上した影響で純利益はほぼゼロでした。今期はそういった特殊要因はなく22%と高い純利益率を記録。

キャッシュフローは安定しています。FY19の営業CFマージンは30%を超えました。

バランスシートを見てみましょう。FY17をピークに流動資産が減って総資産も減少傾向なのがわかります。蓄えていた現金を吐き出して自社株買い等に使っているからです。税制改革が企業行動に影響を与えている様子がよくわかります。手元現金は依然200億ドル以上あり潤沢です。固定資産の大半は過去の買収で認識したのれんです。

負債純資産を見ると純資産が減っているのがわかります。やはり自社株買いの影響です。FY17末に51%だった自己資本比率はFY19末では35%まで低下しています。

配当はFY11から出しており、これまで増配を続けてきました。配当を始めた当初のDPS(一株当たり配当)は0.12ドルでしたが、FY19では10倍超の1.36ドルもあります。税制改革の影響もあって自社株買いも非常に多いです。FY18とFY19の2年間でなんと総額400億ドル近い自社株を買い戻しており、これは同期間の配当総額120億ドルを大幅に上回ります。米国企業らしい財務戦略を感じます。 今後も継続的な自社株買いが期待できそうです。