※2020年12月期決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)をご紹介します。

基本情報

会社名 フィリップ・モリス・インターナショナル
ティッカー PM
創業 1987年
上場 2008年
決算 12月
本社所在地 ニューヨーク州
従業員数 71,000
セクター 生活必需品
S&P格付 A
監査法人 PwC
ダウ30 ×
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

12年

過去10年の配当成長

年率+6.9%

この10年で配当は1.9倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2011~2020):+8.4%
設立以来(2009~2020):+10.6%

バリュエーション指標(2021/2/11時点)

予想PER:13.2倍 最新情報はこちら

配当利回り:5.5% 最新情報はこちら

コメント

フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は、スイスのローザンヌに本社を置く売上高世界2位のたばこ会社です。かつては世界トップでしたが、レイノルズ・アメリカンを買収したブリティッシュ・アメリカン・タバコが現在は世界最大のたばこ会社となっています。

2008年に米アルトリア・グループの米国外事業が分離してできた会社です。米国は訴訟社会でFDA(アメリカ食品医薬品局)の規制が非常に厳しいです。事業上野不確定要因を切り離すために米国外事業を分離しました。

米国を除くアジア、欧州など32カ国でビジネスを展開しています。売上高全体の49%がヨーロッパ、34%がアジア、11%が中東アフリカです。

開示セグメントは以下の2つです。
・可燃タバコ
・リスク低減製品(RRPs)

可燃タバコとは所謂紙巻きタバコです。将来的にはすべて加熱式タバコに移行すると表明していますが、現状ではまだ売上高の76%が紙巻きたばこです。主なブランドに「マールボロ」、「L&M」、「チェスターフィールド」、「ラーク」、「パーラメント」など。

リスク低減製品(Reduced-Risk Products)は加熱式タバコユニットのことで、具体的にはアイコスとその関連製品です。

財務データを確認しましょう。

FY20の売上高は296億ドルで前年比▲3.7%。為替の影響(特に新興国通貨安)を除けば▲2.2%。単価上昇も販売数量減を相殺するには至らず。紙巻きたばこの出荷数量は前年比11%減、加熱式たばこは28%増。

コロナ禍の中、奮闘した方ではないかというのが株主としての個人的感想。

FY20の純利益は80.5億ドルで前年比+3%と増益。営業利益は+11%と減収の中大幅な増益を達成。営業利益率は前年35%に対して当年40%と5ポイント改善。

加熱式たばこの生産性向上とマーケティングコストの抑制が利益を押し上げました。粗利率は前年64.7%に対して当年66.7%と2ポイント改善。

営業キャッシュマージンは34.2%と過去10年で最高を記録。

バランスシートを見てましょう。流動資産と固定資産が半々です。流動資産はキャッシュと棚卸資産です。固定資産はタバコを製造するための工場設備と、過去のM&Aによって発生したのれんが主です。

調達側(BSの右側)を見て目立つのがマイナスの純資産です。安定キャッシュを武器に積極的な株主還元を続けてきた結果、純資産はマイナスになっています。

配当はこの10年で2倍に成長。配当利回りは5%台と高いですが、グラフを見ればわかる通り自社株買いは2014年以来実施していません。株価も横ばいが続ています。