※2019年12月期決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)をご紹介します。

基本情報

会社名 フィリップ・モリス・インターナショナル
ティッカー PM
創業 1987年
上場 2008年
決算 12月
本社所在地 ニューヨーク州
従業員数 73,500
セクター 生活必需品
S&P格付 A
監査法人 PwC
ダウ30 ×
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

12年

過去10年の配当成長

年率+7.5%

この10年で配当は2.1倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2010~2019):+10.7%

バリュエーション指標(2020/2/16時点)

予想PER:14.6倍 最新情報はこちら

配当利回り:5.3% 最新情報はこちら

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フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は、スイスのローザンヌに本社を置く売上高世界2位のたばこ会社です。かつては世界トップでしたが、レイノルズ・アメリカンを買収したブリティッシュ・アメリカン・タバコが現在は世界最大のたばこ会社となっています。

2008年に米アルトリア・グループの米国外事業が分離してできた会社です。米国は訴訟社会でFDA(アメリカ食品医薬品局)の規制も厳しいです。これら不確定要因を切り離すために米国外事業を分離しました。

米国を除くアジア、欧州など32カ国でビジネスを展開しています。売上高全体の44%がヨーロッパ、35%がアジア、14%が中東アフリカです。

開示セグメントは以下の2つです。
・可燃タバコ
・リスク低減製品(RRPs)

可燃タバコとは所謂紙巻きタバコということでしょう。フィリップモリスは将来的にはすべて加熱式タバコに移行すると表明していますが、現状ではまだ売上高の86%が紙巻きたばこです。主なブランドに「マールボロ」、「L&M」、「チェスターフィールド」、「ラーク」、「パーラメント」などがあります。

リスク低減製品(Reduced-Risk Products)は加熱式タバコユニットのことで、具体的にはアイコスとその関連製品です。現在アイコスは25カ国以上で販売されています。

財務データを確認しましょう。

売上高は過去10年、300億ドル前後で推移しています。タバコは衰退ビジネスと言われますが(事実そうですが)、PLを見れば収入は横ばいを維持していることがわかります。粗利率は65%と高いです。ちなみに、比較してよいかわかりませんがコカ・コーラ社の粗利率は約60%です。やはりタバコは儲かりますね。

ROEのグラフがFY11から底に張り付いていますが、純資産がマイナスとなりROE算定不能になっているためです。

FY19の売上高は296億ドルで前年比+0.6%。微増ですが、ドル高が逆風になっており実質的には3.8%成長しています。ドイツ、インドネシア、日本、フィリピン、トルコでの単価上昇が貢献しました。加熱式タバコ事業は前年から36%伸びており、全売上高の19%を占めるまでになりました(前年は14%)。粗利率は1%改善しました。

FY19の純利益は72億ドルで前年比▲9%の減益。為替差損に加えて、一部資産の減損や工場閉鎖コストが発生しました。

キャッシュフローはきれいです。営業CFマージンはFY19には34%に達しています(過去10年平均は31%)。設備投資が少なくて済むのでフリーCFも潤沢です。

バランスシートを見てましょう。流動資産と固定資産が半々です。流動資産はキャッシュと棚卸資産です。固定資産はタバコを製造するための工場設備と、過去のM&Aによって発生したのれんが主です。

調達側(BSの右側)を見て目立つのがマイナスの純資産です。安定キャッシュを武器に積極的な株主還元を続けてきた結果、純資産はマイナスになっています。純資産がマイナスとはつまり債務超過状態ということで、一般的には好ましいことではありません。しかし、PMは営業CFが潤沢なのでここまで純資産を切り崩しても資金は回ります。

配当は一貫して増え続けています。配当利回りは2020年2月現在5.3%。ただし、配当性向は100%近くあり増配余地は限られます。自社株買いは直近4年(FY16~FY19)はゼロ。配当で精一杯で自社株買いの余裕は当面はなさそうです。