※構成銘柄等のデータ更新、コメント刷新(2018年10月21日)
長期投資であればどんな銘柄でも必ず利益が得られるわけではありません。株主価値を棄損するような企業の株式を長期保有しても、むしろ損失が拡大するだけです。
常に高い利益を出せる企業を長期投資の対象にした方がいいです。
生活必需品セクターの優良企業というのは景気にかかわらず、いつも安定した売上、利益を出してくれます。なぜなら、そのままですが生活必需品だからです。
未来のテクノロジーがどう変わるか予測できません。
今から50年前、いや30年前でもいい、人々がアップルのiPhoneを持って、フェイスブックというSNSで世界中の人々と繋がっている世界を誰が想像できたでしょうか。人工知能やポケモンGOの仮想現実が最近話題ですが、恐らく今から50年後は今の我々がとても想像してないような社会環境になっているはずです。それこそ、自動運転の自動車がビュンビュン走り回っているかもしれません。そこら中にドローンが荷物を運んでいるかもしれません。人々は労働から解放されて、毎日を楽しそうにあるいは暇そうに過ごしているかもしれません。
未来の社会がどうなるか予断はできません。しかし、それでも変わらないと断言できることがあります。それは、人々が朝起きて歯を磨き、顔を洗い、食事をして夜はゆっくり寝るという人間生活の根本の部分です。人間の体が急に進化して、食料なしでも生きていけるようになんてならないでしょう。
つまり、生活必需品セクターは永続してキャッシュを生み出すセクターと言えます。
そんな生活必需品セクターの優良企業に投資するうえで非常に優良なETFの一つが、ステートストリートの生活必需品セレクト・セクターSPDRファンド(XLP)です。
XLP紹介
概要
生活必需品セレクト・セクター指数の値動きと利回りに、経費控除前で概ね連動する投資成果を上げることを目標として運用。
対象国
米国企業のみ。
経費率
0.13%
組入銘柄数
32銘柄
上位構成銘柄
上位構成銘柄は以下の通り。
ティッカー | 銘柄名 | 比率 |
PG | プロクター&ギャンブル | 13.0% |
KO | コカ・コーラ | 10.6% |
PEP | ペプシコ | 9.3% |
WMT | ウォルマート | 8.3% |
PM | フィリップモリス | 8.3% |
MO | アルトリア・グループ | 4.5% |
COST | コストコホールセール | 4.4% |
WBA | ウォルグリーンズ | 4.3% |
MDLZ | モンデリーズ・インターナショナル | 4.1% |
CL | コルゲート・パルモリーブ | 3.7% |
KMB | キンバリー・クラーク | 2.5% |
STZ | コンステレーション・ブランズ | 2.5% |
KHC | クラフト・ハインズ | 2.4% |
SYY | シスコ | 2.3% |
EL | エスティ ローダー | 1.9% |
ADM | アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド | 1.8% |
GIS | ゼネラルミルズ | 1.8% |
KR | クローガー | 1.5% |
MNST | モンスター・ビバレッジ | 1.4% |
CLX | クロロックス | 1.3% |
TSN | タイソン・フーズ | 1.2% |
K | ケロッグ | 1.2% |
MKC | マコーミック | 1.1% |
HSY | ハーシー | 1.0% |
CHD | チャーチ&ドワイト | 1.0% |
上位10社構成比率:70%
上位25社構成比率:95%
ティッカーをクリックすると銘柄分析記事に飛びます。
売買回転率
12%
分配金利回り
2.8%
過去10年のトータルリターン
年率+11.5%
XLPの長期保有は間違いない
構成銘柄はプロクター&ギャンブル(日用品)やコカ・コーラ(飲料)、ペプシコ(飲料菓子)、ウォルマート(小売り)、フィリップモリス(たばこ)、コストコホールセール(会員制小売り)など世界を代表する企業ばかりです。
構成銘柄数は32とやや少なめです。1年前は37銘柄ほどありましたので、さらに銘柄が絞られて集中投資していることが記事をアップしている中でわかりました。しかし、優良大型株に集中投資できている分むしろ安心してホールドできるとも解釈できます。一般的に言って30銘柄もあればリスク分散としては十分です。
経費率は0.13%と1年前の0.14%から若干下がっていますね。バンガードの生活必需品セクターETF(VDC)の0.10%には及びませんが、十分低コストで良心的。
過去10年リターンは年率11.5%でS&P500のそれ(+13.8%)を下回っています。この10年、経済成長が続いておりXLPには不利な相場環境だったので仕方ないと思います。それでも11%というリターンはさすがです。
分配金利回りは2.8%とかなり高まっています。S&P500の利回りより1.0%も高いです。景気回復局面なのでディフェンシブ株中心のXLPの株価の上値は重いですが、構成銘柄はしっかり増配を続けています。それが利回りを押し上げています。ペプシコやアルトリアの増配率が高いです。プロクター&ギャンブルとウォルマートの決算が好調で、これからの増配が期待できそうです。
XLPは短期間で大儲けできる商品ではありませんが、長期保有ではかなり高いリターンが期待できる優良ETFです。今は個別銘柄中心にポートフォリオを変更したので保有していませんが、以前保有していました。お気に入りのETFでした。
もしよかったら、構成銘柄リストのティッカーをクリックして銘柄分析記事を見てみて下さい。どの企業もガッチリ儲けている姿がキャッシュフロー計算書、損益計算書からよくわかります。こういった銘柄を長期で保有したら損する方が難しいくらいです。
初めまして。最近投資を始めようと思っている者ですが、XLPとHDVどちらにするか悩んでいましてhiroさんの意見を聞かせて頂きたいと思います。高配当株に投資するHDVは分配金利回りが高くなりがちで他のETFに比べてインカムゲインが大きい為にかかる税金も大きく、昔とは違って配当税も高いので複利の恩恵が逓減されるのではないかという不安があります。それよりは分配金は少なくても含み益が期待できそうなETFへの投資の方がキャピタルゲインを得られて利益を大きくあげられそうな気がするのですが、そうなると長期投資で一番良いのは下落局面にも強く生活必需品大型株に投資するXLPが一番堅実だと思ったのですが。
hiroさんが数あるETFの中でなぜXLPでなくHDVを選ばれたのですか?やはりシーゲル教授の生活必需品の過去リターンのアノマリーが知られすぎているから買われすぎやすいという事もあるのでしょうか?
初めまして。
XLPとHDVどちらも低コストで優良銘柄のオンパレードで素晴らしいETFですよね。
私はどちらのETFも高いリターンが期待できると思っています。
敢えて選ぶとすると、ブログ内でも書いておりますがHDVを選びます。
それは長期投資では、成長の罠に嵌らないオールドエコノミーの高配当銘柄に投資し続けることが大事だと思っているからです。
XLPの上位構成銘柄はKOやPMなどまさに高配当オールドエコノミー株なのですが、その他に一部ですが無配、低配当の銘柄も含まれています。
そのため、XLPの配当利回りは市場平均よりちょっと高い程度です。
配当利回りを気にし過ぎる必要はなく、市場平均程度の利回りがあれば十分とも言えます。
なんですが、一部ではありますが低配当の成長企業をポートフォリオから除外するため、XLPには追加投資しない方針です。
それに対して、HDVは高配当の大型株ばかりなので、より長期保有に適していると判断しました。
>シーゲル教授の生活必需品の過去リターンのアノマリーが知られすぎているから買われすぎやすいという事もあるのでしょうか?
いえいえ、さすがにそれはないと思いますよ。
これは、私のかなり偏見に満ちた判断ですので、それほど気にしなくてよいかもしれません。
XLPも文句なしに素晴らしいETFです。
十分長期投資に値する商品だと今でも思っていますよ。
XLPが下落相場に強いのはおっしゃる通りだと思いますし。
私はETFの追加投資はHDVだけにする!とブログで宣言しておりますが、HDVの将来パフォーマンスにそれほど強い自信を持っているわけではもありません。
銘柄入替も多いですし、こちらで管理できない要素が多いですから。
これから投資を始められるとのことで、商品選びに悩まれるお気持ちすごくわかります。
ただ、HDVやXLPなどの優良ETFに辿り着いている時点で十分だと思います。
どうでしょう、一つに絞らずに、HDVとXLP両方に投資するのも良いかもしれません。
投資を続けながら、パフォーマンスを見ながら商品を一つに絞るのもありだと思います。
慌てる必要は決してないのですが、先ずは投資を始めてみることも大切なことかなと思います。
以上、参考になれば幸いです。
もしまだ疑問などあれば、遠慮なくご連絡下さいね。
では、投資頑張って下さい!
こんばんは
二週間程前に、XLPを初めて買ったので、解説有難うございます。
バックテストに、以下のツールを使ってます。
https://www.portfoliovisualizer.com/
これで、XLPとVOOを比較するとCAGRがXLPの方が高く出てきます。
XLPとQQQを混ぜたポートフォリオでは、50:50, 75::25など比率を変えて比較すると、少しだけQQQを混ぜるとVOOより優れた(ような)ポートフォリオになりました。
将来は分からないけど、安定的で分配金が魅力的なXLPやVDCに、成長が期待できるQQQを組み合わせるのは合理的なのかなぁ…と、凡人ながら感じました。
米国株…投資を始めた途端に上下に動き出し……株価を見るのが毎晩楽しみです。
来月の仕込みに向け、Hiroさんのブログがとても勉強になってます
いつも有難うございます
こんばんは。
こんな高度なツール使われてるんですね!
私も参考にさせて頂きます。
XLPもQQQもどちらも魅力的ですね。
QQQの紹介記事も内容更新していきます。
セクター変わったので、これを機にセクターETFなどの情報をすべて更新したいです。
>株価を見るのが毎晩楽しみです。
ささやかな娯楽ですよねw。
私は夜中にゲームしながらスマホで株価見て楽しんでます(笑)。
ただこうやって楽しんでいられるのも、比較的相場が堅調だからかもしれません。
仮に大きな調整局面に突入しても楽しんで株価を見れるくらいにどっしり構えておきたいと思います。
でも暴落したら株価は見ずに寝るかな~・・・。
こんばんは
バックテストのツールは、こちらのブログ読者様が以前にコメント欄に書かれていて使ってみました。
ティッカーと保有割合を入力するだけで、自分のポートフォリオとVOO と比較できるから、便利ですね。
でも、当たり前ですが期間の時間軸の取り方次第でCAGRが変わったり、解析結果を自分で解釈するのに精一杯です。
ゲーム感覚で、自分で買う予定が無いポートフォリオを作ってみたり……暇つぶしにも、バックテストツールをいじってると楽しいですね。
将来の収益は誰も保証できないけど、財務情報やバックテストツール、ブログで紹介される知識で、自分の経験値を上げていきたいです。
今夜も株式が微妙に下がり向きで、来月に定期買い増しするイメトレが楽しいです。
いつも有難うございます。
こんばんは。
色々組み合わせてシミュレーションすると楽しそうですね。
個人でも昔の機関投資家並みの情報に触れられて、便利な時代になりました。
個人投資家だから不利なことはもはやなく、むしろ有利なことばかりです。
>今夜も株式が微妙に下がり向きで
ですね~。
今月投資するのは早過ぎました!
ここ最近、投資する銘柄次々とすぐに値下がりして悲しくなります(笑)。
高い配当利回りなんて全く関係なくなるくらい下がります。
辛抱強く配当を貰い続けて、長期投資がんばっていきます。
最近のエネルギー株なんてボラティリティ高過ぎて、毎日株価見るのがしんどいです(汗)。
でも見ちゃいます。