11月末のポートフォリオです。

前月から大きな変化はありません。

11月は2件取引を行いました。

月初にAT&T(T)に約40万円投資しました。携帯サービス料金の下落圧力、競合スプリントとTモバイルの再編、そして850億ドルにも上るタイムワーナー買収、と不確実性に満ちている状況ではありますが、6%弱という配当利回りの誘惑に負けて投資しました。NISA口座です。

タイムワーナー買収は当初は、垂直統合だから独禁法には引っ掛かからないだろうと思われていましたが、ここに来て雲行きは怪しくなってきました。司法省は仮に統合を承認するにしても、CNNもしくはディレクTVの売却を求めているとの報道もあります。トランプ氏はCNNの大統領選報道が不公平だったとして、不満を持っているようです。トランプ大統領の圧力が司法省を動かしている面があるのかもしれませんね。

タイムワーナー買収がどうなるか全く読めませんが、AT&Tが提供する通信ネットワークに対する需要は今後も消えないどころか、むしろ増加していくでしょう。米国内のスマホ市場は飽和していますが、スマホ通信量が減ることはないでしょう。スマホなしの生活は考えられません。先進国の人口増加は「出生率」よりも「移民」がキーワードになりますが、米国は移民を受け入れることで今後も人口は伸び続ける見込みです。

通信業界は2017年パフォーマンスが悪いですが、投資家期待が低い分、長期投資妙味はあると考えています。AT&Tは高配当な成熟銘柄ですし、短期的な反発を期待することなく地道に配当再投資をやっていこうと思います。

 

中旬にフィリップモリス・インターナショナル(PM)に約10万円投資しました。これもNISAで買いました。

最近ドル安是正の影響からか、PMはやや売られ気味で配当利回りは4.2%です。高配当に見えますが、PMの過去の配当利回りから考えると飛びぬけて高いわけでもありません。PERも23倍とS&P500平均を超えています。バリュエーションに割安感は全くありません。しかし、圧倒的なキャッシュ創出能力から毎年生み出される多額の配当はとても魅力的です。

PMは私のポートフォリオの主力銘柄の一つです。10%を上限に今後も積極的に買い増す方針です。

 

ところで、昨日はハイテク株が売られましたね。

ところで、昨日(2017/11/29)は珍しくハイテクセクターが大きく売られました。ハイテクセクターETFのXLKは前日比▲2.2%でした。

アマゾン▲2.7%、アップル▲2.1%、マイクロソフト▲1.8%、アリババ▲3.6%、フェイスブック▲4.0%、アルファベット▲2.5%と各社軒並み下落しました。また、2017年大暴騰を続けていた半導体大手のエヌビディアは▲6.8%と小暴落しました。

なぜハイテク株が売られたのでしょうか?

最初、金利が急上昇したのかと思いました。

金利上昇は、特にアマゾンやフェイスブックなど無配株にネガティブです。金融商品の価値は、将来キャッシュフローの割引現在価値の合計です。例外はありません。無配株であってもその資産価値の根拠は将来の配当です。無配株もいつか必ず配当を出すという前提で株価は決まっています。無配企業の理論株価は、いつ始まるかわからない遠い将来の配当を割り引く必要があるので、金利上昇に敏感に反応します。割り引く期間が長くなればなるほど、金利変動の影響を受けやすくなるからです。

ところが、特に長期金利が上昇している様子はありませんでした。

なぜハイテク株が売られたのか、理由はわかりません。ここまでグングン上昇してきたので、これくらいの調整はあっても不思議ではありません。別に暴落と言えるレベルではありませんし。最近米国株式市場は穏やかな日々が続いているので、2%の下落でも暴落に感じるかもしれませんが。

ハイテク株は買われ過ぎて割高だという意見も聞かれますが、そんなに危険領域にあるとは思えません。少なくとも、2000年初のITバブルの時にような非合理な買われ方は全くしてません。ハイテクセクターのPERは全セクターで一番高いですが(一時的に業績悪化しているエネルギーを除く)、そんなめっちゃくちゃ高いわけでもないです。

あと個人的に思っていることなのですが、投資家の頭の中には、まだまだ2000年末からのITバブル崩壊の記憶が鮮明に残っていて、それがハイテクセクターの株価の行き過ぎを抑え込んでいる気がします。『トムソーヤの冒険』の著者マーク・トウェインは「歴史は同じように繰り返さないが、韻を踏む」と語りましたが、人間そんな短期間に同じ過ちはしないと思います。2000年当時のトレーダーは、今でも現役バリバリの人が多いでしょう。ただ「韻を踏む」ので、ハイテクではない別の場所でバブルが起こって崩壊することは今後もあるかもしれません、、ビットコインとか・・。

ドットコムバブルの時は、会社名に”.com”とあるだけでガンガンお金が流れたそうですが、今は違います。現在のハイテクセクターを牽引するのは、名ばかりではなく真に実力のある優良企業ばかりです。ハイテクセクターの予想収益成長率約12%で、S&P500平均の2倍超です。もちろん全セクタートップです。ハイテクセクターの株価が上昇しているのは、利益増加という経済的背景があってのことです。投資家の期待感が高過ぎるようには見えません。ハイテクセクターで大暴落が起こるような、そんなバリュエーションには見えません。

また短期的に調整することはあるでしょうが、アップルやマイクロソフトなどの優良株を保有している投資家は慌てて売る必要はないと思います。

金利が急上昇しても、マイクロソフトのようなブルーチップは売らない方がいいと思います

(優良)株は長期で金利上昇に(=インフレに)勝ちます。