エコノミストらは過去数年間、インフレ率予想を引き上げては結果的に裏切られてきた。しかし、2018年は状況が異なると考えるに足る理由がある。インフレ率は従来以上に持続的に上昇し、株式と債券の投資家は新たなトレンドへの対応を迫られるだろう。

バロンズより

 

1950年以降をみると、インフレ率が0%から2%の間にあった期間の平均株価収益率(PER)は18.1倍だった一方、2%から4%の間の期間は17.2倍へ低下する。

バロンズより

バロンズが言っている通り、インフレ率が上昇するとPERは下がります(株式益回りは上昇する)。バロンズによると、インフレ率が2%ほど上昇するとPERは1倍ほど下落するというのが目安みたいです。これは参考になる情報だと思いました。

2017年11月の米国のエネルギー・生鮮食品を除く物価上昇率は前年同月比+1.5%でした。現在インフレ率は0%~2%のレンジにあります。2018年度利益から計算されるS&P500の予想PERは18倍強です。もし、仮にインフレ率が上昇して2%を超えてくるとPERは17倍程度まで下がることを覚悟しておく必要があります。

現在S&P500指数は約2700ですが、これが2500程度まで下がる計算になります。まあ暴落とまで言えるレベルではないですね。しかし、銘柄によってはより大きな影響を受ける可能性があります。

 

公益や通信会社などの金利上昇に敏感な銘柄は特に脆弱(ぜいじゃく)

バロンズ

債券の代替とされやすい公益セクターや電気通信セクターの銘柄は、インフレ率上昇=金利上昇による打撃を受けやすいです。生活必需品セクターも一緒です。これらは長期投資家に人気の高いセクターです。具体的な企業名を言えば、デューク・エナジーやAT&T、ベライゾンコミュニケーションズ、フィリップモリスなどです。

さらに言えば、バロンズは言及してませんでしたが、(インフレ率上昇に伴う)金利上昇はハイテク銘柄にもネガティブです。ハイテク企業は将来の高い利益成長が株価に織り込まれているので、金利上昇=割引率上昇は株価を押し下げます。フェイスブックやマイクロソフトなどですね。

(期待)インフレ率が上昇すれば株価は一時的に下がります。しかし、何度かブログで申し上げていることですが、インフレを価格に転嫁できる優良企業に投資している限りにおいて、金利上昇による株価下落にビビる必要はありません。特にマイクロソフトやフェイスブックなんて価格競争力はかなり強いはずです。多少広告掲載料金が上がったとしても、フェイスブックに広告を載せたいと思う広告主は多くいるはずです。

公益企業は他の業種に比べるとややインフレに弱いです。インフレによるコスト増をすぐに価格に転嫁できないと思われます。しかし、公益ビジネスは一定の利益確保が約束されていますので、タイムラグはあれど利益はいずれインフレに追いつくでしょう。

 

インフレ率に注目していない投資家にとって、2018年はサプライズになる可能性がある。

バロンズ

このブログを読んで下さっているあなたにとっては、今年インフレ率が上昇してもサプライズにはならないと信じています。

お化け屋敷ってお化けが怖いというより暗闇が怖いですよね。暗くて何も見えない、どこから襲われるか分からない感じが恐怖心を生みます。もし明かりがあればお化け屋敷なんてそんなに怖くないと思いますよ。なんか物騒な化粧をした兄ちゃんの姿が見えるだけです。

僭越ながら私は何度かブログで記事にして、豆電球ほどの小さな明かりかもしれませんが、あなたの周りを少しばかり照明で明るくしたつもりです。所詮私が文章で書く情報なんて豆電球ほどにしかなりません。ぜひあなた自身で「インフレ率上昇(=金利上昇)が長期リターンに関係ない」という事実を腑に落ちて理解して、蛍光灯の明かりまで付けちゃってください。そうすれば、急にインフレ率が上昇(長期金利が上昇)してもサプライズになんてならないと思います。

 

 

あなたは私Hiroの投資リターンなんてこれぽっちも興味ないと思います。私が大損しようが爆益をゲットしようが他人事ですよね。同じく、私にとってもあなたが投資でどれだけ儲けようと損しようとぶっちゃけ関係ないです。家族でも親戚でもないわけですし。

ですが、なぜか偶然同じ時代に同じ日本で生まれ(この時点で奇跡)、はたまたなぜか同じ米国株という共通の興味関心を持っており(希少人種w)、さらに偶然このブログに集まってくれたわけですよね(ありがとうございます)。どうせなら、皆で株式投資を成功させて豊かになりたいと思っています。このブログがあなたの長期投資成功のお役にほんの少しでも立てればと思い運営しています。

個人が気軽に米国株投資できるようになったのはここ10年くらいのことです。私たちは少なくとも国内では長期投資家第一世代だと思います。私たちが長期投資を成功させる社会的意義は大きいと思います。まあそんな大袈裟なこと考えずに、株で得た利益で自分と家族が幸せになれればそれでいいんでしょうけどね。

「俺の言うこと聞いときゃ間違いないんだよ!!」なんて畏れ多いことは全く思っておりませんが、優良株に投資している、長期投資である、という2条件が揃っているなら金利上昇による株価下落では売らない方がいいと結構自信を持って言えます。企業のビジネスの将来性は勉強不足であまり見えてませんが、ファイナンス的なことは理解しているつもりです。

(期待)インフレ率上昇は2018年の相場波乱要因の一つになる可能性があると睨んでおります(株式も債券も)。これくらいの荒波軽く乗り越えて株式投資を続けましょう。結局株式の価値って配当ですからね。インフレ率が上昇しても将来配当が増えれば無問題なわけです。

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2018年のリスクは、長期金利が自らの意志を持つことだ