※2021年1月期決算データ反映、コメント刷新
S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。
データソースはMorningstarです。
今回はターゲット(TGT)をご紹介します。
基本情報
会社名 | ターゲット |
ティッカー | TGT |
創業 | 1902年 |
上場 | 1969年 |
決算 | 1月 |
本社所在地 | ミネソタ州 |
従業員数 | 406,000 |
セクター | 一般消費財・サービス |
S&P格付 | A |
監査法人 | EY |
ダウ30 | × |
S&P100 | 〇 |
S&P500 | 〇 |
ナスダック100 | × |
ラッセル1000 | 〇 |
地域別情報
ほぼすべて米国内ビジネスのため割愛
商品種類別売上構成比
※「ハードライン」とは電子機器、電化製品、スポーツ用品、宝石などを指す。
商品種類別売上高推移
業績
キャッシュフロー
バランスシート
資産
負債純資産
株主還元
連続増配年数
52年
過去10年の配当成長
年率+12.3%
この10年で配当は3.2倍になりました。
過去の株主リターン(年率、配当込み)
過去10年(2011~2020):+14.6%
過去20年(2001~2020):+11.0%
過去30年(1991~2020):+14.9%
バリュエーション指標(2021/4/13時点)
予想PER:21.3倍 最新情報はこちら
配当利回り:1.3% 最新情報はこちら
コメント
ターゲットは食品から日用品、衣料品、化粧品、おもちゃ、家電製品まで取り扱う大手スーパーマーケットチェーンです。ニューヨークなど都市部では小型の店舗も展開しています。
事業は米国内のみ。2021年1月末の店舗数は1,897。もっとも多いのがカリフォルニア州で307店舗。次いでテキサス州153店舗、フロリダ州126店舗。
商品種類別の売上構成比を見ると、もっとも多いのが「美容、日用品」で26%を占めます。「食品・飲料」が占める割合は2割未満です。食品中心のスーパーマーケットとはちょっとイメージが異なるでしょうか。
ネット通販にも力を入れています。
2015年末に薬局・診療所事業をCVSヘルスに売却しました。
財務データを確認してみましょう。
FY20の売上高は935億ドルで前年比+20%と大幅増収。既存店売上は+19%。ネット経由の売上は2倍超に増加。コロナ禍における巣ごもり需要の恩恵を受けています。
FY20の純利益は43.7億ドルで前年比+33%。営業利益も+17%と好調。
営業CFは100億ドルの大台を超えました。営業CFマージンは11%と過去最高。
総資産の約7割が固定資産ですが、この大半は店舗の土地建物や備品といった有形固定資産です。流動資産の大半は棚卸資産(在庫)です。典型的な小売り業のBSという印象でウォルマートと似ています。
連続増配年数52年。自社株買いにも積極的でほぼ毎年配当以上の買戻しを実施しています。ただFY20は業績好調な割に配当、自社株買いともに控え目。キャッシュ潤沢なのでFY21に大還元が期待できそうです。
蛇足ですがターゲットはどちらかというと、ヨーカドーとかイーオンみたいな感じです。大型スーパー的な感じ?競合だとウォールマートとかですかね。
アメリカで百貨店というと、macy’s、Neiman Marcus、Nordstormなどを思い浮かべます。これらの中でもポジショニングがあるので同一ではないですけれども。
>競合だとウォールマートとかですかね。
そうなんですね!
実はこれは知りたくて、色々とググったのですがあまり情報が見つからず。
確かに店内写真を見るとウォルマート寄りかなとは思いました。
ウォルマートよりもちょっと高級志向なのかなって思いましたが、ヨーカドーやイオンと言われるとかなり大衆大型スーパーですね。
ウォルマートと競合するって聞くと、なかなかTGTに長期投資するという決断は下しにくいです。。
ところで、記事タイトルの「百貨店」という表現は微妙かもしれませんね。
修正を検討します。
情報ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
初めまして。素晴らしい分析記事有難うございます。米国株四季報は日本のドン・キホーテと説明してあるのですが、それはかなり違うと思います。購買イメージはこんな感じです。米国に引っ越します。枕、ベッドカバー、タオル、ゴミ箱、その他等々、生活立ち上げに必要な用品等を安価に買いそろえるためにTargetに行きます。奇抜な商品はありません。シンプルで、コスパの良い商品が多かったという記憶です。Wal-Martと比較すると、清潔で整理整頓できているポジティブな印象をいつも感じていました。
また、出店戦略に関してもドンキとは異なっていると思います。郊外中心に米国全域に幅広くという感じです。私の情報は十年ぐらい前なので、最新の情報は、
http://savvy-life-savvy-style.com/analysis-tgt/
が的を得たレポートになっています。
初めまして、こんにちは。
なるほど、実生活に基づいたコメントで大変参考になります。
別の読者様も先日コメント下さいましたが、ターゲットはウォルマートと競合する関係で私たちがイメージする百貨店とは異なるのですね。
私は最初はてっきり大丸とか三越なんかに近いのかと勘違いしていましが、それとは違うようですね。
サイトのご紹介ありがとうございます。
読みました。
こちらのサイトも実際にターゲットユーザーの視点から記事を書かれていて、とても参考になりました。
私は自分の投資家としての弱みをはっきり自覚しておりまして、それは米国株投資を判断する際にどうしても会計財務的な視点に偏りがちだということです。
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」という言葉で言うなら、今までも今もずっと会議室で働いてきた人間です。
現場から上がってくる数字をふーーんって偉そうに眺めている立場にいます。
なので、仕事においてもビジネスの実務の現場を全く知りません。
むろん営業の経験もありません。
そういう環境も合って、米国企業のビジネスを見る時も常に数字数字で見てしまう癖があります。
なので、このようなコメントはとても勉強になってありがたいです。
投資、ブログ続けながら少しずつ勉強していきたいです。
初めまして、いつもブログを拝見してます。私はシーゲルも読みましたが結局、VISAなどの銘柄を中心に保有してます。
米国株の銘柄分析はキッシュフローなど、とても見やすくていつも参考にしてます。これからも分析を続けてくれると嬉しいです。
うさぎさん、はじめまして。
いつもご覧頂いてありがとうございます。
投資の目的、投資戦略は人それぞれですものね。
Vの営業CFマージンの高さには目を見張るものがあります。
また、ここ数年の自社株買いの規模もかなり大きいです。
私はどうしてもある程度の配当利回りを欲する性格でして、Vは今のところ避けている状態です。
>米国株の銘柄分析はキッシュフローなど、とても見やすくていつも参考にしてます。
そのように言って頂けて、とても嬉しく思います!
私は会計しかわからず、各企業のビジネスについて詳細な記事はよほど調査しないと書けません。
自分の能力でできる範囲のこととして、会計的な業績やキャッシュを正確に記事で公開したいと思っています。
これからも分析続けます。
既存企業のデータ更新の方が多くなると思いますが、なるべく新規企業もピックしていくよう努力していきますね。
激励のコメントありがとうございます。
TGTは購入はしませんでしたが、大変勉強になりました。分析ありがとうございます。
最近、四季報をパラパラみていて買ってみようかなという気になった銘柄がBUDですが記事にして下さってますね、私も税金が高く見送りに一票です。
これからも記事楽しみにしています。
ご無沙汰しております。
もともとは以前nsusuさんが、TGTどうですか?とコメントしてくださったことがきっかけでした。
あまり注目していなかった銘柄(というか存在すら知らなかった)ですが、連続増配50年近くもある優良企業でした。
利回りがどうしても魅力的に見えますが、投資は見送ります。
やはりウォルマートが強いだろうと思い。
BUDとても高収益な優良企業でした!
が、読者の方がコメントで教えて下さったとおり税金が高いですね。
あそこまで税率が高いと、どれだけ優良企業であっても投資は躊躇しますね。
税引後の最終リターンが大事ですから。
ありがとうございます。
これからもブログ運営がんばります。
今後ともよろしくお願いします。
こんばんわ、このTARGETってお店4年前にハワイに新婚旅行で行った際に有りました
遠目に、なんのお店かな?って感じで中には入らなかったです、入ってみればよかったかな?
思わぬところで当時の記憶が蘇りました!
うちの奥さんはROSSだったかな?日本のしまむらかユニクロみたいなお店で部屋着代わりの
Tシャツやら雑貨やら買いまくってましたが・・・
そういえばAT&Tの携帯ショップもすぐに見つけられましたね
米国株投資をしている今なら別の視点でいろんなものを観察できたのかなと思いました
ご無沙汰しております。
こんにちは。
ターゲットはカナダにも進出しているようですが、ほぼ米国内でのビジネスです。
なので、どうしても日本人投資家には馴染みが薄くて投資判断が難しいところです。
ターゲットは最近業績が予想を下回って株価は軟調です。配当利回りは4%を超えています。
長期的に見れば投資妙味があるような気がするのですが、やはり顧客としてどうしてもターゲットの強みがわからないところがあります。
まあそれを言い出すと、ターゲットに限った話ではないのですがね。
AT&Tやベライゾンも米国内オンリーのビジネスなので、日本人には縁遠い企業です。
ただ、これらは通信インフラなので事業内容は分かりやすいです。
スーパーマーケットは実際に足を運んだ方が、投資判断に自信が付く気がします。
出張や赴任でアメリカに行くチャンスもあるかもしれないので、その際はターゲットにもウォルマートにも寄ってみたいです。
ハワイで新婚旅行っていいですね!