今まで何度かアルトリアグループ(MO)に投資してきました。最初に投資したのは、、いつだっただろう。はっきり覚えてない。こういう時ブログは便利です。これまでのすべての買付・売却を記事に残しています。
「記録」によると始めてMOに投資したのは2017年4月のこと。110万円も一気に投資してました。買付単価は@71.53ドル。当時の記事タイトルを見ると「割高感は消えないがえいや!で」とか書いてるじゃん。おい、そいつは本当に割高だったんだよ。何してんだよ、(当時の)Hiro。
現在(12月21日終値)のMOの株価は49ドル。買い値71ドルからの下落率は31%。一応MOは生活必需品セクターでディフェンシブ株なんだけどな・・。現実はこの有り様です。
結果として当時のMOの買付は、割高を掴んでしまったと言わざるを得ないです。もちろん30年の長期で考えれば十分リターンが出る可能性があるとか、そういう「夢」はいくらでも自由に語れます。が、これまでの株価推移を見れば、少なくとも短期的には割高を掴んでしまったことは否定しようがない事実です。
なぜ71ドルでエントリーしたのか。当時の自分の心理は結構ちゃんと覚えています。
・リーマンショック以降MOはずっと右肩上がりで、これといった調整局面はない。今後もこの右肩上がりの流れは続くだろう。
・もはや、現在のMOはJNJのような安定銘柄となり高値を追ってでも投資しないと、一生投資する機会は訪れないんじゃないか。
・PLとキャッシュフロー計算書を見て、あまりの収益性の高さに驚いた。こんな高収益の会社なら順張りで投資するのは仕方ないだろう。
・PERは20倍超でS&P500を超えている。しかし、訴訟などでタバコ会社の経営が不安定な時期はもう終わったんだ。これだけ収益が安定していて増配力もあるなら高いバリュエーションも異常ではない。PERはやや高いだけど、市場平均以上の増益・増配を実現できるだろうから問題ないだろう。
当時のMOへ投資した時の自分の脳内を言語化するとこんな感じかな。
しかし、自分の考えは甘かった。「タバコ会社の経営が不安定な時期はもう終わったんだ。だからPER20倍超あってもおかしくないだろう。」という判断は甘かったです。
健康志向からタバコの需要は減っています。米国の若い世代では電子タバコが流行っているようですが、MOは自社で開発することはできず電子タバコ大手のジュール・ラブズの株を高値で買わざるを得ない状況に追い込まれました。紙巻きタバコより健康に害はないという触れ込みのアイコスは、いまだ米FDAの承認を得られないまま。マリファナという新市場をどう取り込んでいくかというのも経営課題でしょう。
MOは前途洋々だと思って投資したけど、それは楽観的過ぎたか。今思えば2017年の春頃、WSJが「復活を遂げた米タバコ業界、黄金期到来か」という記事を掲載した時に警戒すべきだったな。奇しくもWSJのこの記事が出た時がMOの最高値の頃でした。
過去を悔やんでも意味はないですが、今後の投資判断に活かすために、MOを高値掴みしてしまったことをきちんと反省したい。が、これがなかなか難しい。当時は当時で自分なりに検討を重ねて投資しましたから。
MO高値掴みで得られた教訓は、ありきたりだけどこんな感じかな。
・バリュエーションは常に大切
・銘柄分散は重要
・時間分散は重要
買値は常に重要です。いくらMOほどボロ儲けしている会社でも、PERが30倍とか40倍にもなっていれば買い控えます。当時のMOの(予想)PERは20倍ちょい。ちょっと高いけど投資できる範囲だと判断しました。PERや配当利回りをチェックするという基本は、今後も欠かさずやります。
銘柄分散はやっぱ大事。「自分が完璧に理解している少数の銘柄に集中投資する方が、むしろリスクは下がる」というバフェット先生の考えは、投資経験浅く米国経済に精通していない私が真似できるもんじゃない。
MOはポートフォリオの10%まで買い上げていました。10%は当時の自分の投資方針の上限割合です。10%に留めておいたから損失は限定的だったとも言えるけど、MAX10%まで買い進めたから損失が膨らんだとも言えます。今後はどんな銘柄でも例外は設けず、上限は5%にするつもりです。銘柄分散は重要です。
時間分散も大切。2017年4月に110万円投資(@71ドル)した以降、2度MOを買っていました。
2017年9月:100万円投資(@64ドル)
2018年5月:30万円投資(@55ドル)
後の2回の投資ももちろん今から振り返れば割高です。しかし、71ドルの時に一気に買い付けていたらもっと損失は膨らんでいました。短期的な株価変動なんてミスターマーケットの感情次第ですから、やはり時間分散は大切です。ただ、4月に110万円、9月に100万円投資というのは、ちょっと性急過ぎたかもしれない。「MOは優良株だからポートフォリオの10%まで早く買い進めたい!」と思っていました。もう少し時間分散を徹底すべきだったなと今は思っています。
というわけで、MO高値掴みから特別な教訓を得られたわけではありません。財務データを見る、バリュエーションをチェックする、銘柄と投資タイミングを分散する、という当たり前のことをちゃんとやろうと改めて思ったくらいです。基本が一番大事ってことか。
でもこういう基本的なことを真面目にコツコツこなすことが、マーケットに居続けて、長期投資で成功する上で大切なのかなとも思います。サッカーで言えば、トラップ、パスの基礎練習を怠らない、体力をしっかり付けるということ。エラシコ、ヒールリフト、マルセイユ・ルーレットみたいなテクニカルな技を調子に乗ってやらないこと。
経験に勝る勉強はないなと思いました。そうポジティブに考えよう。いや、でもやっぱり30%以上の含み損のしんどさは消えないけど・・。
(関連記事)
アルトリア・グループ(MO)に110万円投資! 割高感は消えないがえいや!で
こんにちは。MOは痛いですね。
私も保有比率は10%あるので、手痛いパンチをいただきました。
ところで割高については
個別株でPERを参考にしているんですが、ETFの場合に割高/割安はどこで判断していますか?
配当利回りですかね?
ETFの保有銘柄のPERを加重平均すれば数字は出ますが、
業界が違うとレンジも変わるので意味があるのかな〜と思っています。
ETF比率を上げたいなと思っているので、
もしよければ教えていただきたいです。
こんばんは。
ETFの割安割高の判断は個別株よりも難しいですよね。
主にPERと分配金利回りの推移を見てざっくり把握しています。
すべての銘柄のPERを考慮するのは実務的に厳しいので、上位銘柄だけを見ています。
HDVについてはブラックロックのHPに、HDV自体のPERが掲載されているので、それも参考にしています。
S&P500指数のバリュエーションと連動する傾向もありますから、マーケット全体の過熱度合いも参考にします。
セクターETFだと金利の状況なども考慮に入れてます。
と言っても答えはわからず、いつも不安の中投資しておりますが。
ちょうどHDVのPERを知りたかったんです。ありがとうございます。
原油価格が低迷してる割に、12/21時点で PER 20.15というのは結構高いですね。
むむむ・・・ちょっと買い進みづらい気分になりました。
次に買うときは個別株に手が出そうです(笑)
PER20倍は安くはないですよね。
ETFにしろ個別株にしろタイミングは難しいです。
そう言えば、HDVは銘柄入替が行われました。
近い内に記事にします。
10月以降の相場にはいろいろ気付かされます。
いろいろな格言を身にしみて感じる日々です。
賢者というのは頭がいいから賢者なんですよね。
私は経験しないとダメでした笑
私も良い勉強になっています。
リーマンショックを経験されている方は「この程度暴落でもない」という感じでさすがです。
長くマーケットに居続ければ色々ありますね。私はまだ数年ですが。
株式投資の難しいところは、財務分析をしたとしても、それだけでは片手落ちなんですね。
過小評価のバリュエーションと長期的なヒストリカル(10年来で安値近辺かどうか)も不可欠ですね。
経験してやっと気付く事ですが。
財務分析は過去。株価は未来を反映している。
片手落ちになるのはやむを得ない面があると思いますね。
>経験してやっと気付く事ですが。
ですね~。