調査会社のTPCマーケティングリサーチによると、2017年度の世界のバイオ医薬品市場は前年度比13.9%増の18兆6044億円となった。日米はリウマチなどの炎症領域やがん領域の抗体医薬品が伸び、欧州ではバイオシミラーが普及した。企業別の売上高は上位からロシュ(スイス)、アムジェン(アメリカ)、アッヴィ(アメリカ)の順で続いた。
化学工業日報より
以下はバイオ医薬品市場の成長と概要についてです。
(化学工業日報よりグラフ作成)
世界のバイオ医薬品市場は成長を続けており、2018年度の市場規模は19.5兆円になる見込みです。企業別では、ロシュ(3.6兆円)、アムジェン(2.2兆円)、アッヴィ(2.2兆円)、ジョンソン&ジョンソン(1.5兆円)です。
京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)氏がノーベル医学生理学賞を受賞という嬉しいニュースが最近ありましたが、この研究結果が実用化されたものが小野薬品工業が開発した「オプジーボ」です。がん免疫療法と呼ばれる治療法で、これもバイオ医薬品の一つです。「オプジーボ」は上記円グラフの中では「融合タンパク質」に該当するのかな。
「オプジーボ」と競合するバイオ医薬品としては、メルクの「キイトルーダ」があります。
バイオ医薬品で世界一売れている製品はアッヴィの抗リウマチ薬の「ヒュミラ」です。ジョンソン&ジョンソンの「ステラーラ」も伸びています。
ヘルスケアセクターは21世紀も期待の持てるセクターです。特にバイオ医薬は成長領域です。ただし、バイオ医薬品の開発はハイリスクで開発期間も長期を要します。必然、株主も長期間我慢強く待つことが求められます。また、なるべく銘柄を分散した方が安心です。
こんなニュース見ても昔なら絶対にスルーしてます。でも、今はピピっとアンテナが反応します。米国株投資やってみて良かったなあ思います。極論言えば「米国株投資に関係のあるニュース=ほぼすべての経済ニュース」とも言えるので、自分の専門領域外のニュースも真剣に読もうとします。ただ、あれもこれもとインプット過多になりがちなのが悩みですが。
こんばんは
医薬品やヘルスケア分野は仕事柄、関わっているので、こういう記事ならスラスラ読めてホッとします。
オプチーボの有効成分、ニボルマブについて医薬品添付文書から抜粋しますと以下のように抗体医薬品の分類になります。
……ニボルマブは、ヒト PD-1 に対する”抗体”であり、PD-1 とその リガンドである PD-L1 及び PD-L2 との結合を阻害し、がん 抗原特異的な T 細胞の増殖、活性化及び細胞傷害活性の増 強等により、腫瘍増殖を抑制すると考えられる。……
医薬品分野は個人的には感染症分野が、この先は発達してほしいと願っておりますので、ワクチン、多剤耐性菌に対応する新規抗生物質、抗インフルエンザ薬、抗マラリア薬などのテーマにも注目したいと思います。
こんばんは。
スラスラ読めて羨ましいです!
私は何のことかほとんどわからないけど、ちょっとでも勉強しようと食らいつく意味でコンテンツ化までしてみました(笑)。
オプジーボは抗体医薬品になるのですね。ありがとうございます。
オプジーボって簡単に言うと、元からある人の免疫システムを利用してがん細胞を抑制するということですね。
技術的なことはよくわかりませんが、数十年の研究の結果なのだとノーベル賞を見て改めて実感しました。
小野薬品の粘り強い開発投資が実を結んだということで、日本人として嬉しく思います。
私は個人的に脳卒中分野に興味があります。
最近、芸能人や著名人が脳梗塞や脳出血で無くなられたり、後遺症で苦しんでいる人が多いです。
日本全体で見ても、世界でも増えています。
後遺症が残ると本人も辛いし、社会的な損失も大きいです。
ストライカーやメドトロのステントレトリバーなど治療器具の発達は目覚ましいですが、もっと上流のところで抑えることができないものかと・・。
いつもありがとうございます。
愛読させて頂いております。
腫瘍内科をしている医師でオプジーボも使っています。オプジーボは抗体医薬です。
よろしくお願いいたします。
お医者様にご教示頂き、大変恐縮です。
オプジーボは「抗体医薬」とのことで、理解誤りで失礼しました。
いつもありがとうございます。