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【KHC銘柄分析】クラフト・ハインツは大手食品メーカーでバフェット銘柄

   

※2017年12月期決算データ反映、BSデータ追加、コメント刷新(2018/3/11)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はクラフト・ハインツ(KHC)をご紹介します。


  KHC財務情報等

基本情報

会社名 クラフト・ハインツ
ティッカー KHC
創業 2013年
上場 2015年
決算 12月
本社所在地 イリノイ州
従業員数 41,000
セクター 生活必需品
S&P格付 BBB-
監査法人 PwC
ダウ30 ×
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上高

 

業績

 

キャッシュフロー

 

バランスシート

資産

負債純資産

 

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

 

連続増配年数

4年

 

バリュエーション指標(2018/3/11時点)

PER:7.5倍(※) 最新情報はこちら

配当利回り:3.7% 最新情報はこちら

配当性向:64% 最新情報はこちら

(※)法人減税に伴う一時収益でFY17の純利益が過大になっており、実績PERは参考になりません。調整後EPSをベースにした実績PERは19倍です。

 

感想

クラフト・ハインツは2015年にクラフト・フーズとHJハインツが合併して誕生した世界5位の食品会社です。北米欧州を中心に約190の国と地域で事業を展開しています。クラフトブランズは110年以上の歴史を誇り、世界の食卓を今も支えています。クラフト・チーズドレッシングやハインツ・トマトケチャップ、オスカーメイヤーの加工肉食品などが有名です。

元の会社の一つであるHJハインツは、ブラジルの投資会社3Gキャピタルとバークシャー・ハサウェイが2013年に買収した企業です。バークシャーは現在KHCの筆頭株主であり、KHC発行済み株式数の27%を保有しています。KHCは2018年3月時点でバークシャーの投資ポートフォリオの第3位の銘柄です(約13%)。ちなみに、1位はアップル(15%)で2位はウェルズ・ファーゴ(14%)です。

旧クラフト・フーズのチーズドレッシングと旧HJハインツのケチャップが稼ぎ頭です。

KHCは2017年2月に英ユニリーバの買収を試みたが失敗に終わりました。加工食品業界は健康ブームや新興ブランドに押されて成長が鈍化しており、今後大規模な再編が起こっても不思議ではありません。

 

FY10からの財務数値推移を見てみましょう。
(FY10~FY15まではHJハインツ単体のデータです。)

売上高は合併後の2年間(FY16とFY17)は260億ドル程度で推移しています。買収後にグロスマージンが5%ほど改善しています。3Gキャピタルは厳しいコスト削減施策で有名なので、収益性が改善したのかもしれません。とは言え、コカ・コーラ(約60%)やペプシコ(約55%)のマージンには及びません。単純比較はできませんけどね・・。

なお、FY17に純利益とEPSが急伸しているのは法人減税に伴う一時的な利益が出ているためです。調整後EPSはほぼ前年並みです($3.3→$3.5)。実績PERは過少になっているので注意しましょう。

キャッシュフローは安定しており、営業CFマージンは合併後に20%ほどにまで改善しています。今後もこの収益性が継続できるのかウォッチしたいです。FY17の営業CFとフリーCFが急落しておりフリーCFにいたってはマイナスになっています。これは年金基金への拠出と他一時コストによるもので、特に心配する必要はありません。本業は悪化していません。

バランスシートを見てましょう。流動資産がかなり少なく固定資産の比率が9割以上です。「固定」資産と聞くと、工場や機械をイメージするかもしれませんが違います。現代の大企業で固定資産が多い時は無形資産が多いケースが大半です。クラフト・ハインツはM&Aを繰り返してできた企業なので、「のれん」と「買収に伴う無形資産(商標権や顧客資産など)」がメチャクチャ多いです。この2科目で資産全体の86%を占めます。しかも、KHCは「買収に伴う無形資産」を償却していないため、減損しない限りバランスシートに残り続けることになります。固定資産が多いですが、対応する負債純資産を見ると大半が固定負債と純資産でありきちんとバランスが取れています。

配当については申し訳ないですが合併後の過去3年分しかデータがありません。たった3年ではありますが増配は続いていることがわかります。配当性向的にもまだ増配余地はありそうです。2018年3月現在の配当利回りは3.7%とかなり高配当で魅力的ですね。

 

食品ビジネスはあまりぱっとしない華やかさに欠けるオールドエコノミーですが、だからこそ、株価は割高になりにくく配当再投資が有効に機能し易いセクターだと言えます。KHCの前身であるHJハインツは、シーゲル教授の『株式投資の未来』の中で20世紀後半の投資リターンが良かった銘柄として紹介されています(年率リターン 14.8%)。

しかしながら、現在のKHCの株価が示す通りやや苦境に直面しているもまた事実です。現在は3Gキャピタル主導でコスト削減が進んでおりEPSも改善しています。オスカー・マイヤーの本社ビルを売却し、過去3年で数千人レベルのレイオフも実行しています。ただコスト削減に頼り過ぎるとジリ貧になりがちです。英ユニリーバに買収を仕掛けたことからも、KHC経営陣と3Gキャピタル等の大株主の焦りを感じます。

KHCに限らずですが加工食品ブランドの未来をどう判断するか各投資家次第です。誰も未来はわかりません。ちなみに、私は大手食品ブランドは100年後も生き残っているだろうと楽観視しています(明確な根拠はありませんが)。

 - 米国株銘柄分析