米国とカナダでマリファナ(大麻)の合法化が進んでいます。カナダは2019年内に合法化され、米国でも数年内には全州で合法化されると見込まれています。コロラド州、ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州で先行して合法化されました。
特にカリフォルニア州は米国で消費される大麻の80%を生産しているそうです。
以下、ウォールストリートジャーナルにあったグラフです。
すっごい伸び率ですよね~。ちょっと驚きました。
2017年~2022年(予想)の成長率を出してみたところ、なんと年率+28%!
大麻は飲料の原材料として使われることが期待されています。大麻飲料市場も、上記グラフと同じペースで伸びる可能性があります。
飲料は成熟事業です。炭酸飲料に至っては市場は縮小しています。コカ・コーラやペプシコなど大手飲料メーカーは、消費者の健康志向に対応しようと努力しています。
そんな飲料業界において、今もっとも成長期待が熱いのが大麻飲料市場かもしれません。
大麻飲料に大きく投資している米国企業がコンステレーション・ブランズ(STZ)です。
コンステレーションは、2017年にカナダの大麻栽培会社キャノピー・グロースに約2億ドル出資しました。そして、今年2018年には約40億ドルを追加で出資しました。
40億ドルも出資するということは、キャノピー・グロースはコンステレーションの子会社か、少なくとも持ち分法適用会社にはなります。大麻飲料事業にコミットするという強い決意を感じます。これだけ成長が期待される市場ですから、投資する価値はありそうですね。先行者利益を取れると美味しそうです。
コンステレーションのFY07~FY17の売上高推移です。
2013年からグッと成長していますが、「コロナ」や「モデロ」といったビールの米国販売権を取得したためです。ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)から買ったものです。
ABインベブは独禁法の関係から、米国でのコロナ販売権を譲渡せざるを得ない状況に追い込まれ、優良事業をコンステレーションに譲り渡した経緯があります。これはぶっちゃけラッキーM&Aです。棚ぼた要素は否定できません。
コロナビールが成長の牽引役ですが、さらに大麻飲料でも成功できればダブルエンジンです。株価はさらに大きく上昇するかもしれません。
現在の予想PERは20倍弱でコカ・コーラと同等です。高いPERに見えるかもしれませんが、コロナビールと大麻飲料のダブルエンジンによってもたらされる利益成長期待を考えれば、妥当(ないし割安?)と言えそうです。
個人的に飲料業界で今もっともホットな銘柄がコンステレーション・ブランズ(STZ)です。営業CFマージンは20%超で収益性も素晴らしい。大麻ビジネスがきちんと利益を生むのかは今後要チェックです。
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【STZ銘柄分析】コンステレーション・ブランズは「コロナ」ビールが成長を牽引するアルコール飲料大手
個人的に大麻ビジネスはかなり将来性があると思ってるんですが、一つ気になる点がありまして。
それは競合先になるであろう、たばこビジネスの存在です。
PMやMOの株価が下がり、大麻企業の株価が上がるのか、それともたばこ企業も大麻を扱い始めるのか……(電子タバコのような感じで大麻を扱えれば、一気に流行りそう)。
個人的には後者だと考えていますが、そうなるとたばこ企業に投資しとけば良くね?って考えてしまいます。
是非hiroさんのお考えをお聞きしたいです!
読者さんのご依頼を受けてコンステレーション・ブランズの銘柄分析をするまで、大麻ビジネスについて全く知りませんでした。
調べれば調べるほど、成長期待の高い分野だということがわかりました。
成熟した飲料セクターにこんな成長の種があったとは・・。
大麻は確かにタバコと競合しそうです。
大麻を吸うことで得られる感覚ってどんなものなんでしょうかね。私には想像もつきません。
タバコを吸う人は、仕事の合間とかにふ~っと一息付けることに価値を感じているんだと思います。
それと同じ効果が大麻にあるのかは、わかりませんね。
もし大麻が有望だということになれば、資金力のある大手タバコ会社が事業買収すると思います。
(Nさんと同意見です。)
こんなに親和性の高い業種は他にないでしょうから。
アルトリアなど、今まで食品など他業界を買収して、結果として分離してきた経緯があります。
タバコ銘柄は独特のバリュエーションをされる面がありますから、他業種と混ぜるのは投資家目線でもあまり好ましいことではないかもしれません。
ですが、大麻ならビジネス統合しても問題なさそうです。
ところで、コンステレーションの大麻飲料は、アルコール飲料とカニバるリスクがあると思っています。
そこの競合の方が大きいのかな~と思っていました。
大麻飲料はお酒ほど酩酊はしないらしいですが。
質問に答えていただきありがとうございます!
大麻はたばこのような感じで吸う以外にも、医療目的として使われる場合もあるようなので、たばこ以上のポテンシャルを秘めていると思ってます。
飲料関連は初耳でした。益々大麻への期待が高まりますね。
自分はたばこ銘柄には今まで目を向けたことが無かったので、認識が合っているか教えてほしいのですが、PM、BTI、JTがたばこ企業で、MOがPMの親会社?って考えであってますか?
娯楽用としても認められる流れが米国カナダであるようですね。
それで、大麻飲料を合法的に販売することができます。
ただ、今まで構築されてきた地下ビジネスネットワークがあるはずで、そことの関係性など課題はある気がします。
私は飲料ばかりに目が行って、大麻がタバコと競合するという発想を持てませんでした。
こちらこそ、情報ありがとうございます。
>MOがPMの親会社?
いえいえ、違いますよ。
同じ系列ですが、資本関係はありません
FDAの規制が厳しく民間訴訟も多い米国と、その他の国を分離させるために、2008年に米国外管轄としてフィリップモリスインターナショナルがアルトリアグループから分離しました。
資本関係が続くとスピンオフした目的を実質的に達成できなくなります。