インデックス投資では個別企業の分析をすることは基本ありません。
バリュエーションが適正な時にリスク許容範囲内で投資をして、あとはホールドし続けます。
このバリュエーションを評価するときに最も参考になるのがPERです。
PERとは株価を一株当たり利益(EPS)で割った数値です。
株価が一株当たり利益の何倍になっているかを表す指標です。
先進国株式では15倍〜20倍が標準的な水準でしょうか。
PERだけで株価の妥当性を判断できるわけではありませんが、割安割高感を見るうえで最も参考になる重要な指標です。
ジョンソンエンドジョンソンやフィリップモリス、エクソンモービルといった超優良銘柄の長期投資は有望な投資方法ですが、これら黄金銘柄でさえバリュエーションが高い時に買ってしまうとパフォーマンスは悪くなります。
超長期で持てばいいかもしれませんが。
バリュエーションは常に大事なのです。
Yahoo Finance(英語版)でPERを確認しよう
Yahoo Finance(英語版)は日本語版ヤフーファイナンスより遥かに情報量が多く便利です。
ヤフーの無料サイトとなめたらいけません。
私もお気に入りに登録して、頻繁に利用しています。
こちらをクリックしてください。
調べたい株価指数に連動するETFのティッカーコードを入力すると、その指数の前月末時点のPERを確認することができます。P/E(ttm)という項目がありますが、これがPERです。
つまり、全世界株式のPERを調べたかったら、全世界に投資するETFのティッカーを入力すればいいし、アメリカ株のPERを調べたかったらS&P500連動型のETFのティッカーを入力すればいいのです。
と言っても、具体的に言われないとわからないと思いますので説明します。
全世界株式のPER バンガード VT
全世界株式指数に連動するETFは複数ありますが、ここではバンガードのETFを使います。
指数との著しい乖離がない限り、どのETFを使ってもいいです。
全世界株に投資するバンガードのETFは「バンガード・トータル・ワールド・ストックET」です。
ティッカーコードはVT。
以下の手順に従ってください。
①Yahoo Finance(英語版)を開く
こんな画面が表示されるはずです。
②”VT”と入力し、Search Financeを推す
入力スペースに”VT”というティッカーコードを入力して、Search Financeを押してください。
VTの詳細情報が表示されます。
③P/E(ttm)という項目の数値をチェック
VTの詳細画面の真ん中あたりにP/E (ttm)²という項目があります。
これがPERです。
16という数字があります。
現在(2016年6月)、世界株式のPERは16倍ということです。
簡単ですよね。
アメリカ株式のPER バンガード VOO
同じ要領であらゆる国、地域のPERを調べることができます。
アメリカのS&P500指数のPERを調べるときはバンガードのS&P500連動型のETFである”VOO”を入力してください。
上記の”VT”を”VOO”に変更するだけです。
アメリカ株のPERは18倍とわかりました。
新興国株式のPER バンガード VWO
中国やブラジル、ロシアなど新興国株式に投資している方もいると思います。
新興国株式のPER調べたいときは、バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETFを使用します。
ティッカーコードは”VWO”
今までと同じ要領で”VWO”と入力します。
新興国株式のPERは13倍とわかります。
ここ数年新興国株式は売られているので、世界株式のPER16倍よりも低くなっています。
まとめ
主要な地域について、バンガードETFのティッカーコードを例にまとめておきます。
地域 | ティッカーコード |
全世界 | VT |
米国(S&P500) | VOO |
欧州 | VGK |
新興国 | VWO |
アジア太平洋 | VPL |
バリュエーションは常に大事
長期株式投資の結果を左右する最も大きな要因は、アセットアロケーションだと言われます。投資タイミングは誰にもわからないし、あまり考えても長期結果には大きな影響はないと言われることがあります。
しかしとはいえ、明らかに割高な局面というのはあるものです。
例えば、ITバブルの頃、アメリカ株式市場のPERは40倍超もありました。
このような明らかに市場が過熱しているときは、いくら長期志向といえども多額な資金を投じるのは慎重になるべきでしょう。
簡単に確認できるので、せめてPER位は購入前には一度事前に確認することをお勧めします。
繰り返しになりますが、バリュエーションは常に大事です。
Yahoo Finance(英語版)はお気に入り登録必須です。
Hiroさん、はじめまして。スノーボールと申します。
「世界株 per」で検索していてたどり着きました。
キャピタルパートナーズのPDFは、私もよく利用していたのですが、残念ながらページがなくなってしまったように思います。
前にも一度、見れなくなって復活したことがあったので、今回も期待しているのですが・・・。
スノーボールさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
仰る通り、キャピタルパートナーズ証券のHP変わっていますね。
ホームページの中を一通り探ってみましたが、以前のPDFはどこにもありませんね。
残念です・・
ブログ読者に誤解を与えないように、時間ある時にこの記事を訂正しておこうと思います。
ご指摘ありがとうございました。
Hiroさん、はじめまして、インテルと申します。
yahoo financeのウェブページでetfの現時点perを見えますが、
perの履歴データがあるでしょうか。
また、yahoo financeだけではなく、etfのper履歴を見えるサイトがあれば、
是非教えてください。
宜しくお願い致します。
インテルさん、はじめまして。
PER推移は私も以前欲しいと思いましたが、見つかりませんでした。
海外サイトまでサーチすればあるかもしれませんが、今のところ発見できずにおります。
ETFのPERは以下のETF.comさんで見れますので、確認されてみて下さい。
http://www.etf.com/
Hiroさん、はじめまして。まーと申します。
サイトの方、よく閲覧させてもらっています。
私もHiroさんと同様にHDVへの投資を検討しているのですが、
その際にHDV銘柄の現在PERについて調べようとしたところ、
複数の結果が現れて困惑しております。
ETF.com:16.45
blackrock(公式):20.19
bloombergデータによる単純平均PER:19.8
bloombergデータによる加重平均PER:18.5
PERの性質上、誤差が発生するのはやむを得ないとは思いますが、
差が大きすぎでどれを信用するべきか悩んでおります。
個人的には加重PERが一番現状を表しているように感じますが、
Hiroさんの意見をお聞かせ願えないでしょうか。
まーさん、はじめまして。
いつもお世話さまです。
blackrock公式の20.2倍か、ブルームバーグ加重平均の18.5倍かどちらかかと思いました。
結論としてはブルームバーグの加重平均PERがもっとも妥当な気がいたします。
ETF.comの16.45倍はS&P500平均より低いですね。HDVのPERはS&P500平均よりは高いと思います。
単純平均と加重平均なら、後者の方が望ましいです。
簡便的に単純平均を計算するのは良いと思いますが、せっかく加重平均があるならそちらを使った方が良いですね。
ただ、ブルームバーグの加重平均PERの方がblackrockの公式PERと遠いのが少し気に掛かります。
blackrockは単純平均で算出しているのかもしれません。
というわけで、私ならブルームバーグの加重平均PERを使うと思います。
こう見ると、やはりHDVは高収益な企業が多いだけあってPERは高めですね。
ありがとうございます、興味深いデータでした。
短期的な株価値上がりは求めず、ひたむきに配当を貰い続けたい人のためのETFです。
ETFのPERって数値探すの大変ですよね。
ETF.comしか知らなかったので勉強になりました。
ブルームバーグで見れるのですね。今度見てみます。
返信ありがとうございました。
最近の下落や、TやVZ等の比較的低PERが上位にいる割に
20.2倍は高いかなと思い、逆にETF.comの16.45倍は
流石に低すぎるだろうと感じて少し調べてみた次第です。
なので、ブルームバーグのデータを調べて算出したのですが、
私もHiroさんが予想している通り、blackrockは単純平均で
PERを算出していると推定します。
ただ、HDVは上位10銘柄で54%程度とかなりの偏りがあるので、
やはり加重平均で算出する方が妥当性が高いと判断したわけです。
恐らく、加重平均のPER18.5が一番妥当だとは思いますが、
これを算出するのが面倒くさい(笑)
何せ、HDVは銘柄が少ないとはいえ、75銘柄のPERを全て調べないと
算出できないので、毎日この作業を実施する気にはなれませんね。
せめて、米国市場の全PERが取得可能なデータベースがあればと思います…
個人的には加重平均でPER17.5倍(過去十年のダウとNASDAQの単純平均)程度で
買いたいなーと考えています。
確かに、VZとTの2銘柄がHDVのPERを押し下げている面はありそうですね。
この2つでHDVの15%弱を占めますから。あとIBMも低PERですね。
これら以外は概ねS&P500平均を超えるPERだと思います。
平均するとやはりおっしゃる通り、S&P500平均よりは高い印象があります。
ETFのPERを自分で算出するのは困難の極みですねw。
HDVなら銘柄数がまだ少ないので、気合で算出できなくもないです。上位20銘柄の加重平均でもそこそこいい数字になりそうです。
VYMなど構成銘柄数が数百になると自分で計算はちょっと厳しいですね。
加重平均PER18倍は感覚と一致します。
フィリップモリスなど保有銘柄の時価が大きく下落したせいで、買い増ししてないHDVの構成比率が上がってきました。
買い増ししているPMやXOMの構成比はむしろ下落して、一切買い増ししてないHDVの構成比は上がっています(笑)。
ETFはやはりボラティリティ低く安心して見ていられます。ポートフォリオの10%~20%をETFにする方針は今後も継続しようと思います。
最近の悩みとしては、HDVと保有銘柄が重複し過ぎていることです・・。