こんな発言する資格、私にないのは重々承知している中、敢えて言ってるみるのですが、個別株投資ってホントはめちゃくちゃ簡単なのかもしれません。

①過去の株主リターンが優秀(S&P500平均を超えている)
②過去の財務データが優秀

この2つを満足する銘柄(①が優秀なら②も大抵優秀)を買えばいい。決算はきちんと確認して落ち目と思えば売る必要もあるけど、基本はホールド。配当は地道に再投資を続ける。買い値も大事だけど、PERは過度に気にしない。

はい、これだけ。

簡単じゃないでしょうか?

これを簡単と言えるのは、インターネット環境が整った現代だからです。

過去の株主リターンも業績もググればすぐに見れます。

先日、四季報を見ていてバフェット銘柄のムーディーズ(MCO)が目につきました。利益率がべらぼうに高く凄いなあと。

そこでムーディーズの①(過去の投資利回り)と②(業績)を無料サイトだけで確認しました。

ブログで銘柄分析をやり慣れているからというのもありますが、①と②を一通り確認するのに要した時間はものの30分程度です。10年分の財務データをちゃちゃっとエクセルに落としてグラフにして分析しました。

MCOは優れた投資対象だと判断しました。バフェットが20年間もガチホするだけはあります。

インターネットがなかった30年前に、これと同じだけの分析をやろうと思ったらどれだけ大変なことか。年次レポートを10年分揃えるだけで苦労しそうです。企業に請求するんでしょうか。零細個人投資家の要求に応じてくれるんでしょうか。

年次レポートが揃ったとして、財務データを時系列に紙に書いて分析しなくちゃいけません。必要に応じてグラフも作る。面倒だし書き間違いもたくさん起こっちゃいそうですね。

過去の株主リターンなんてどうやって調べるんでしょうか。株価チャートは昔も簡単に見れたんでしょうか。いや、そう簡単にチャートも見れなかったのかもしれません。

仮に株価チャートを手に入れたとしても、配当まで含めたトータルリターンを計算するなんて困難でしょう。

インターネットがなかったから、いくら会計知識があっても優良企業をスクリーニングするだけで膨大な時間が必要になります。1社調べるだけでも骨が折れそうです。数十社の企業を調べて比較するなんて下手したら数カ月かかるかもしれません。

かつてなら数カ月かかった作業が、現代はほんの数時間で実現できます。投資家、とりわけ個人投資家の生産性は著しく改善しました。

私たちはとても恵まれた時代に株式投資をやっているんだと、たまにふと思う時があります。

低コストでのインデックス投資が可能になったのもテクノロジーのおかげですが、個人がこれほど個別株投資をやりやすくなったのもテクノロジーのおかげです。

①(過去の投資利回り)と②(業績)をチェックして、かつきちんと分散投資を徹底していれば、個別株投資はさほどハードルが高いものではないと感じています。

シンプルに優良企業を買えばいいって、簡単に聞こえますが、それすらインターネットがなかったら難しいことです。情報が無料でいくらでも取れる今は、シンプルに優良企業を買うことくらい誰でもできます。

慎重な人ほど、ほんの数時間、企業の財務データを調べたくらいで儲かるほど投資は甘くないと警戒するかもしれません。

しかし、現代の数時間の銘柄リサーチは30年前の1週間、1カ月の銘柄リサーチに相当するのではないでしょうか。たいした分析やってないように思えて、実はすごく深い分析ができているんですよ、きっと。

あまり複雑に考え過ぎず、インターネットというテクノロジーをフルに活用して、シンプルに優良企業を買い続ければ長期投資はきっと報われると思います。