バリュー株の復活となるか?

バリュー株とはPERや、PCFR、配当利回りといったバリュエーション指標が平均以下の株を指すのが一般的です。具体的にはPERが10倍台半ばを下回るとバリュー株と認識されることが多いかなと思います。厳密な定義はありません。

私の保有銘柄で言うと、ベライゾン・コミュニケーションズ(PER12.5倍)、シスコシステムズ(13.3倍)なんかはバリュー株になりますね。

この10年でGAFAを始めとしたグロース株のパフォーマンスがバリュー株を上回ってきました。

がしかし、拡張的な財政政策とワクチン開発の良好なニュースによる景気抑揚効果によって長期金利が上向き始め、バリュー株の復活が近いという意見をここ最近よく聞きます。

バリュー株の復活はこれまでも何度も囁かれては消えていきました。やっぱり決算の力強さ、バランスシートの堅牢さはハイテク等のグロース株に分があると思いますし、過度な期待はしない方がいいかなあというのが今の私の心境です。

まあ、未来のことはわからないので、どっちに転んでもいいようにグロース株にもバリュー株にも投資しておくのがいいのかもしれません。

2種類のバリュー株長期投資

さて、バリュー株に注目が集まっている昨今ですが、私はバリュー株長期投資には2種類あると考えています。

①将来グロース株に変貌する隠れ成長株を仕込んでおく
②低PER、高配当利回りの銘柄を持ち続けてしぶとくリターンを重ねる

①プロのバリュー株投資(バフェット流)

①こそがプロの投資家がやるバリュー株投資だと思います。マーケットが将来の成長ドライブに気付いておらず、平均より低いPERで評価されているけど、実際には二桁のEPS成長が可能な銘柄を探して投資する。

そうすれば、実際に高い成長期待が認知された時にPERは上昇し、多額のキャピタルゲインの恩恵に預かることができます。時間とともに実際のEPSも成長する。株価=EPS×PER。EPSとPERが同時に上がるとリターンは凄いことになりますね。

1980年代後半のコカ・コーラ(KO)、2000年代のアップル(AAPL)がこのパターンでした。どちらもバフェット銘柄です。

バフェットはForm 10-Kを熟読してはそういう銘柄がないか血眼になって探しているのでしょう。最近、バークシャーが大規模な自社株買いを発表したのは、そんなグロース株に変貌できるバリュー株が見つからなかったからだと思います。

①のバリュー株投資は難易度が高いです。マーケットは割安株として扱っているのに、それを隠れグロース株だと確信して命の次に大事なお金を投入するのは簡単ではありません。お試し少額ならやれても、ポートフォリオの何十%も突っ込むのは難しいです。

②素人の私がやれるバリュー株投資はこっち

②のバリュー株投資は、低PERや高配当など一般的にバリューと言われる銘柄への投資を続け、配当も地道に再投資して利益を積み重ねていく方法です。

この10年こそバリュー株はボロボロですが、株式市場の歴史を見るとバリュー株はグロース株をアウトパフォームしてきたことがわかります。

ジェレミー・シーゲル氏の『株式投資の未来』やジェームズ・P・オショーネシー氏の『ウォール街で勝つ – 株式投資で最高の収益を上げるために-』を読むと、低PER株、高配当株が市場平均を上回ってきたことを客観的なデータで確認することができます。

過去50年の結果がこれからの50年も当てはまるという保証はないものの、軽視もできません。ポートフォリオの一部でこういったバリュー株を保有するのもありだと思います。

将来グロース株になるなんて淡い期待は持たないこと。低い期待をちょこっとでも超える決算を20年、30年続けてくれればいい。期待が低いなら、高いEPS成長がなくとも相応のリターンが実現します。成長必ずしもリターンにあらず。

このバリュー株投資で大切なことは永続する企業を選ぶこと。いくら期待が低いからって、衰退し倒産してしまう銘柄に投資してしまっては儲けはありませんから。

ETFがいいですかね。低PERや高配当に的を絞ったETFも数多くありますから、そういうのを利用してバリュー株への長期投資を続けるのはいい方法だと思います。特に今みたいにグロース株のプレミアムが剝がれ落ちそうな時は、ポートフォリオのヘッジ効果もあります。

私はここ1、2年でだいぶグロース株を増やしましたが、これからもバリュー株への投資は諦めずに続けるつもりです。それはこの記事で言う②のバリュー株投資法です。

将来のグロース株化を期待してがめつく低PERの個別株を狙い過ぎるのは控えます。せいぜい既保有分くらいで留めようかなと。