バフェット氏は以前こんな発言をされています。

今後(米国の)金利が上がっていけば、(米国)株の投資利回りも上がっていくだろう

このバフェットの言葉の真意は何でしょうか?
金利が上がれば、株の投資利回りも上がるとはつまりどういう意味なのでしょうか?

このバフェット氏の発言を私が意訳するとこうなります。

「今後(米国の)期待インフレ率が上がっていけば、(米国)の株価は下がるだろう」

金利は期待インフレ率に読み替えました。
株の投資利回りが上がっていく、という部分は株価は下がると読み替えました。

期待インフレ率が上がれば株価は下落します。セクターにかかわらず全ての株式が下落すると思います。インフレ率が上がれば、高いインフレを超える名目リターンが得られる水準まで株価は調整します。マーケットは合理的なので、もし期待インフレ率が上がればこのバリュエーション調整は不可避です。バフェット氏が言っている通りです。

 

長期投資家は別にマーケットを出し抜く必要はありません。S&P500ETFや「素晴らしい企業」の株をほどほどの価格で買って長期保有するのが一般解だと思います。でもだからって、マクロ経済動向を理解しないでよいとは思いません。長く投資を続けていると、景気循環や金利変動を経験することになります。それらに応じて株価も大きく揺れ動くことが想定されます。

日々の株価変動要因を完全に把握するなんて無理です。ニュースや新聞で「税制改正を期待してNYダウは上昇しました」って感じでそれっぽい言説が毎日語られますが、まああんなのテキトーに言ってる面もあるでしょう。

そんな近視眼的な見方ではなく、もう少し遠目から「なぜ最近株価は下落しているのか?」を考えることは意味あることだと思うんです。日々の株価の動きはランダムウォークだとしても、期間を広げて見れば長期金利などのマクロ経済指標と株価は密接に関連しているはずです。

暴落時に怖くなって投げ売りしてしまうことが、長期投資に失敗してしまう一番の原因ではないでしょうか。経済動向と株価の関係をなるべく理解して、マーケットが調整局面に入っても冷静にホールドできるといいのかなって思います。

冒頭の繰り返しになりますが、期待インフレ率が上がれば株価は下落するはずです。でもあなたが長期投資家なら、その株価下落を恐れる必要はありません。長期で見れば株はインフレに負けないからです。