投資リターン(トータルリターン)はインカムゲインとキャピタルゲインに分けられますよね。インカムとは配当、キャピタルとは株価上昇です。
リターン=配当 + 株価
株価はEPS×PERです。
※EPS=一株当たり利益
つまり、
リターン=配当 + EPS×PERです。
EPSは税引き後利益÷発行済み株式数と分解できます。
つまり、
リターン=配当+(利益 / 株式数)×PER
となります。
この式から長期で投資リターンを最大化するには
①配当が増える
②利益が増える
③株式数が減る(自社株買い)
④PERが上昇する
の4つをなるべく同時に満たすことが重要だと分かります。
なんだか理屈っぽく言いましたが、何も特別なことではありません。これを理解しておくことは長期投資家としては大切なことです。なぜなら、長期での投資リターンは上記4要素すべて重要だからです。
短期トレードの場合、重要なのは④(PER)のみです。企業のファンダメンタルズとか関係ありません。企業収益は関係なくマーケットの心理が上向いてくれるかどうかにかかっています。
一方で、長期投資の場合は特に①、②、③が重要です。配当がドンドン増え、かつ自社株買いもしつつ、利益総額も増える。そんな企業に投資できれば株主は儲かります。
もっと言えば④PERも上昇すればなおよし。しかし、PERは二の次です。なぜなら、長期投資であってもPERの上昇幅は限定的だからです。せいぜいPER10倍が20倍になるのが関の山。PERが2倍になるのは決して小さなインパクトではありませんが、20年、30年と投資を継続していく中で配当やEPSが増えていく潜在力に比べれば小さなものです。配当やEPSは2倍どころか、4倍、10倍と成長する可能性がありますから。
まあ、とは言えPERも投資リターンにそれなりのインパクトはあります。つまり、買い値も大事ってことです。しかし、買い値(④)よりも企業の収益力(①、②、③)の方がよほど大切です。
この式を理解したからって、儲かる銘柄が選別できるわけではありません。でも、きちんと株主利益の仕組みを理解した上で投資するのかしないのかで、リターンの質は変わってくると思います。リターンは同じでも、そのリターンに至るまでの各投資家の判断の質は千差万別です。なるべく、数字で突き詰めて投資判断できるといいのかなって思います。
チャートを頼りに株を買うのは良くないと思います。
①現在の配当はいくらで、今後どれくらい成長するか?
②現在の純利益はいくらで、今後どれくらい成長するか?
③現在の発行済み株式数はいくらで、今後どれくらい減少するか?
④現在のPERは〇〇倍で、将来どれくらい拡大するか?
という4つの要素を総合的に分析します。
将来のことは当然わからないけれど、わからないなりにでも過去の財務データとか見ながら、自分なりに将来をシミュレーションしてみることが大切かなと思います。投資判断は最後は「えいや!」になるとは言え。
企業の利益とは配当支払い前のことなのか、配当金を支払った後なのかわからなかった(わからない人でも財務諸表見ればすぐわかると思いますが)ので勉強になりました!
配当金を支払ったあとが、利益と言うんですね。
ありがとうございます!
おつかれさまです。
そこはちょっと専門的な話になるのですが、配当支払いは利益処分と言ってPLの費用にはならないです。
>配当金を支払ったあとが、利益と言うんですね。
配当を支払う前が利益と考えるのが正確ですかね。
税引き後利益を配当か、自社株買いか、内部留保か、事業投資かどれに使うか考えることになります。
そうなんですか!ご説明ありがとうございます。
やっぱ、そううまい話はないですよねー。自分でもちょっと調べたけどよくわからなかったんで勉強になりました
この辺は会計トピックでもわかりづらいところですね。
所有者たる株主への資金還元なので損益計算には出てこないということです。