昨日の夜、マツコ・デラックスの番組がやってたんですが、それが面白くて見入っちゃいました。平成バブルで浮かれていたかつての日本の若者の生活、文化が紹介されていました。都内の大学生が家賃20万円のマンションに一人暮らしするのが普通だったなんて、今ではとても信じられないです。地価はうなぎ登りでしたからね。

陣内孝則などが出演しているトレンディードラマが大流行りだったそうです(どうでもいい話だけど、うちの親父は陣内孝則そっくりです)。「私をスキーに連れてって」というドラマをきっかけに、多くの若者がスキー場を訪れゲレンデの恋に期待したとか。西武グループがスキー場経営に乗り出したのもその頃らしいです。一つのドラマがそこまで個人や企業の行動に影響を与えるなんて凄いですね。

驚いたのが、そうやって若者が週末にスキーを楽しむようになったのは、その当時週休二日制が普及したことが一因なんだそうです。へー!って思いました。週休2日って私が生まれたくらいに日本に定着したのかあ。今では土日休みが当たり前ですが、かつては週6日も働いてたわけです。豊かな日本を築いてくれた先人に感謝です。

最近はコロナ禍をきっかけに週休3日の議論まで出ているくらいです。先日、東芝が週休3日でも給与を維持するというニュースを見かけました。中身は読んでませんが、ついに日本を代表する大手企業でこの話題が出てくるようになったかーと思いました。

週休2日から3日に変わっても基本的に労働者の給料は変わりません。なぜなら、給料は労働量、成果に対して払われるのではなく、労働力の再生産コストとして決まるものだからです。給料とは生活費なんです。だから年齢とともに上がります。年齢が上がると家族を養うケースが増えるからです。成果に比例する分もありますが、ごくわずかです。ちょっと評価が良くても年収が数十万円上がるくらいでしょ。

休みが1日増えても、私たちの生活費は変わりません。仕事があろうとなかろうと、ご飯を食べるし布団で寝ます。休日が増えるとむしろ娯楽費が嵩むくらいです。仕事だけしてるとお金ってあまりかからないですよね。安い家を借りて、会社と自宅の往復だけの生活がもっとも金が貯まります。つまらんけど、私は20代半ばの頃はそうやって蓄財してました。

ちょっと話が逸れました。給料=生活費である以上、週休3日にしたからといって経営者(資本家)は労働者の給料を下げるわけにはいきません。ITなどによる生産性改善によって、労働日数が減るのは正社員にとってはありがたいことです。労働時間が減るのに給料は変わらないから。パートなど時給労働者は相対的にしんどくなります。

労働量は減るのに給料が一緒だと資本家は嫌がります。なるべく人を雇いたくないし、既存の社員もぶら下がり組から順に解雇したいと思うでしょう。しかし、特に日本は労働者は法律で強く保護されているので、そう簡単に首を切ることはできません。

アーリーリタイア、脱サラして起業など色んな生き方がありますね。ライフスタイルは人それぞれで別に正解なんてありませんが、労働者重視の日本企業で正社員として雇用されつつ、その給料を株主重視の米国株に投資するというのはなかなか筋がいいと思います。私はそれを選びましたし、当面止めるつもりはありません。人によっては株式ではなく不動産を選ぶこともあるでしょう。不動産も株式ほどではないですが、不労度合いが高い良質な収入源になります。

ただし、株式や不動産といったいわゆる不労所得の相対的な魅力は低下傾向だと感じます。というのも、そもそも労働収入自体が段々と不労化しているからです。週休3日となれば祝日を合わせれば事実上、1年365日のうち半分は非稼働になるのではないでしょうか。

いつか週休3日が定着し、それがまた数十年かけて週休4日、5日となるでしょう。そしていつかはベーシックインカムが登場するかもしれません。

そうやって徐々に労働収入が不労所得化していくと、伝統的な不労所得である不動産や株式、債券の保有者に対する羨望のまなざしはなくなっていきそうです。

しかし、そうなるのはまだまだ先のこと。週休2日から週休3日が話題に上がる今日まで30年掛かりました。労働が不要になる世の中はまだまだ想像できません。コロナショックが起こる前まで米国では歴史的な低失業率が続いていました。マックジョブが増えているとは言え、やはり人間の体、頭脳なくして今の豊かな社会は維持できません。詰め込みと批判されがちですが、学校教育も欠かせません。

不労所得代表である株式の相対的魅力は低下傾向です。でも、私たちが現役のうちはその優位性は健在かなと思います。また、日本企業のサラリーマンでいるという選択も悪くないです。

サラリーマン(日本)+株式投資(米国)というダブルエンジンで資本主義をサバイブする方法は廃れていません。まだ余裕でいける。しっかり機能します。少なくとも21世紀前半は大丈夫だと見ています。