株式と不動産は2大投資対象です。不動産の方が資金面含めややハードルが高い面はありますが、どちらもサラリーマンが本業の傍らで実践することができます。

ただ、不労収入を生む資本になり得るという点は共通であっても、株式投資と不動産投資は並列に語ることが難しいかなと思います。

前者はペーパーアセットで、後者はリアルアセットですし。そこと関連することですが、両者の一番の違いは株式は労働力を投入する余地がほぼゼロなのに対して、不動産は自分の労働力を投入する余地がたくさんある点だと思います。

「不動産投資」という表現を嫌う方もたまにいます。そうじゃなくって「賃貸経営」だと。なるほど、そう言いたくなる気持ちもわかります。株と違ってただ買って放置ってわけにいかないですからね。

不動産は創意工夫を凝らすことで利回りを高めることができます。たとえば、ボロ物件を買って自分でリフォームするとか。朽ち果ててぱっと見誰も住めないような一軒家を激安で買って、それを自分の力でリフォームして貸し出すことができれば利回り50%以上も可能らしいです。業者にリフォームを依頼したらそんな高利回りは無理ですけどね。他人の労働力には極力頼らずに、自分でやらないといけません。

後は客付けのために管理会社との良好な人間関係を作る努力とか、入居者からの修繕依頼に迅速に対応するとか。賃貸経営をやったことはないから思い付きで言ってますが、借りる立場であるので何となくはわかります。管理が行き届いている物件で内見でわかります。そういう家に住みたいなって思います。

不動産投資はただお金を出すだけで、すべて自動でキャッシュが入ってくるような楽なもんじゃないです。他の投資家より労働力を多く上手く投入することで差別化して利回りを高める機会が与えられています。そこが不動産投資の魅力だなと感じます。裏を返せば、良質な住空間をなるべく安い値段で提供する努力をしないと高い利回りは実現できない可能性が高いとも言えますが。

一方で、株式投資は不動産のように労働力を投入する余地は一切ありません。どの銘柄をどのタイミングで買うか分析し考えるという点では頭を使いますが、企業の業績を改善させるためにやれること何もありません。ただ、経営者と従業員と時代の流れを信じるのみです。株式「投資」とは言っても株式「経営」とは言いません。

エクソンモービルの業績が低迷しているからって、株主として会社に働きかけることはできません。不動産投資では「仲介手数料多くお支払いしますので、うちの物件の紹介をもっと積極的にお願いします。」てな感じで活動できますが、株式投資ではできません。やりたくてもやれません。発行済み株式数の5%以上を持つような大株主なら別ですが。我々個人株主はただ株を持ってリスクを負うのみ。

投資家が自分の労働力を投入する余地がないので、株で飛び抜けて高い利回りを得るのは難しいです。投機的な値上がりは別として、純粋に投資額とEPSの関係で利回り30%、40%を継続するのはほぼ無理です。優良大型株であれば長期の利回りの幅はせいぜい5%~15%のレンジじゃないでしょうか。まあ、その程度の差でも複利では大きな違いになりますけどね。

労働力を投入できない点を株式のデメリットみたいに言っちゃいましたが、そこが株式投資のメリットでもあります。つまり、自分の労働力を捧げる必要がないということです。株式収入は完全不労所得です。個別株を買っているなら3ヵ月に1回の決算ウォッチくらいやった方がいいですが、それもインターネットのおかげで凄く簡単にできます。そういう情報をタイムリーに教えてくれるアプリもありますし。

会計、ファイナンスが好きでその延長で株式投資を始めたところがあります。最初はインデックス投資でしたが、途中から個別株中心に変わりました。以前は高配当銘柄、いわゆるバリュー株ばかり買ってましたが、最近はグロース株にも投資してバランスを意識しています。

過去の運用リターンはインデックスに負けています。現在の保有銘柄ありきで考えずに、読書や経験による投資観の変化、外部環境の変化に応じて銘柄を入れ替えて、少しでも利回りを改善できるように頑張っていきたい気持ちはあります。

ありますが、株式投資は自分ではどうにもならないコントロール不能な部分が多すぎるから悩み過ぎてもしゃーないなとも思っています。投資家としてできるのは銘柄の売り買いだけですから。

株式投資は「投資」の要素が強すぎて「経営」の要素が皆無です。だから投資が副業とは言いつつも、なんか副業って感じがしない。それくらい収入が自動化されているから良いことなんだけど、なんか株に人生を捧げるほど熱中はできない自分がいます。好きですけどね、株は。株が好きっていうか、ファイナンス的なことをごちゃごちゃ考えるのが好きってだけかなw。