長期投資、資本蓄積には大きく3つのステージがあるかなあと考えています。飛行機で例えるのが個人的なお気に入りです。

第1ステージ:滑走から離陸直前まで
第2ステージ:離陸して高度を上げていくまで
第3ステージ:安定飛行

第1ステージは全力で節約&貯金そして投資。第2ステージは第1ステージの延長線上だけど、ちょっと投資ペースを落とし常識の範囲内で生活水準を上げる。第3ステージは入金はほとんどせずに、やろうと思えば配当だけで生活できる状態です。

各ステージの金額基準は人それぞれです。

第1ステージは貯蓄だけで乗り切った

飛行機は滑走を開始してから高度10メートルくらいに達するまでが、もっとも燃費が悪いです。詳しいことは知りませんが、単位時間当たりの燃料消費は巡航時の3倍ほどと聞いたことがあります。

株式投資での蓄財も同じです。最初がしんどい。新卒の少ない給料をうまくやり繰りして貯金する。そして、少しずつリスク資産を買い始める。ある程度意識して節約しないと金は貯まらないです。平均的な生活をしていると給料はなくなります。資本家はそれくらいに給料を設定しているからです。

そうやって何もないところから10万円、100万円と貯蓄し、株式を増やしていくのが第1ステージ。このフェーズがしんどいのは、資産運用の恩恵をあまり感じられないことです。100万円をS&P500に投資しても年間配当は2万円ほどです。お小遣い程度にしかなりません。だから、このフェーズは運用の巧拙よりも、節約して金を貯める習慣を身に着けることの方が重要だと思っています。第1ステージはとにかく節約&貯蓄。

とは言っても、運用リターンを積み上げていくことも必要ですけどね。私はもう第1ステージはそろそろ終わりかなと勝手に思っていますが、これまでの累積投資リターンはかなり残念です。いま金融資産は2500万円くらいありますが、この原資の大半は自分の労働収入です。もっとうまく運用できてたら3000万円に届いていた可能性もあります。たられば言ってもしゃーないけど。

どこまでが第1ステージなのかは人それぞれです。私はいま年間配当(税前)が100万円ほどで、予想利益(保有株式の時価×益回り)は200万円弱はあります。利益はコロナの影響で不透明なのでざっくり計算ですが。それくらいの株式利益があればまあまあかなと。ここまで来るのに約10年かかりました。

33歳、そろそろ第2ステージ突入かなと

20代の頃は株にのめり込んで、フルスロットル、やる気全開で節約と投資を続けてきました。おかげで、フワッと機体が浮き始めたところです。車輪はすでに滑走路から離れました。第2ステージ突入です。ここから徐々に高度を上げていきますが、滑走から離陸ほどのエネルギーは使いません。もちろん、完全に惰性とはいきませんが。

少しずつ入金を減らしていこうかなと思っています。第2ステージは給料からの投資も続けるけど、ペースは落とします。貯蓄>投資という状態を継続して、現金残高を増やしていきます。ただし、ドル口座に入金される配当は全額再投資に回します。配当がだいぶ増えてきたので、配当を再投資するだけでも毎年それなりの投資額になります。第1ステージでがんばった成果です。

コロナショックで株価が下落したから、むしろ今こそ入金ペースを増やさねば!とちょっと前まで躍起になってましたが、なんかその元気が消え失せてきました。3月後半からだいぶ戻したし、あとアフターコロナの世界で活躍しそうな魅力的な銘柄は割安感がないどころか割高にすら見えるからです。具体的にはマイクロソフト、ウォルマート、アボットラボラトリーズとかですね。

株価が大きく下落して少なくとも表面的には割安に見えるのは、エクソンモービルなどのエネルギー株、ウェルズファーゴやJPモルガン・チェースといった銀行株です。しかし、これらの悲観的銘柄に積極果敢に投資する勇気は今の私にはもうありません。

今のポートフォリオを維持しつつ、配当と貯蓄の一部で入金を続けて少しずつ高度を上げていこうと思います。具体的に月20万円くらいかな。年240万円。配当が100万円あるとすれば、給料から捻出するのは140万円。月10万ちょい。まあ無理ない範囲です。このペースなら大きな支出がなければ現預金を増やせると思います。とりあえず、現預金を300万円くらいまで増やしたいです。

高配当銘柄ばかりに投資して損して痛い目にあって、色々考え直し今こんなポートフォリオです。

これらの個別株に加えて、バンガードのVIGとブラックロックのHDVを保有しています。たばこ、銀行、石油といったちょっと将来不安な銘柄もあるけど、アップルやマイクロソフトといったグロース株もいます。まあこれだけ大型優良株を揃えていたら、今後10年ではそこそこのリターンを達成してくれると期待しています。

株式投資を続けつつも、現預金を厚めに持って消費を増やしていきます。具体的には先ずは住環境を整えたいです。たとえ独身のままだったとしても、もっと良質な住宅に引っ越します。在宅勤務だからというのもあるし、単純にもうワンルーム&ユニットバス生活は卒業でいいかなと。。

まだまだ蓄財優先というマインドは消えませんが、お金は使ってなんぼという思いもあります。金を使えば豊かというわけでもないですが、人生の充実度を上げるために投資の優先度を少しずつ落としていきます。それでも、すでに飛行機は離陸しているので、きちんと航行を続けられます。もっとも燃料、エネルギーが必要な区間は終わりました。

第3ステージはまだまだ先

ちなみに、資本蓄積の第3ステージになると配当再投資も止めていいかなと考えています。配当を日常生活や娯楽などの消費に回すということです。飛行機でいうとシートベルト着用サインが消えて、安定巡航モードになるタイミングです。

具体的には億単位の運用額が欲しいかな。あと10年で到達するのは多分無理です。第3ステージに入っても、株式を売却することはしません。証券口座から引き出すのはあくまでも配当のみ。株式という資本は永遠に取り崩さないと思います。もったいないかもしれないけど、それで構わないです。