これは直近のポートフォリオのセクター構成割合です。

それなりに分散されているように見えますが、景気後退局面に強い生活必需品とヘルスケアが多いのが特徴です。『株式投資の未来』を読んで両セクターの成績が良いことを知ったこと、また財務データも非常に優秀な企業が多かったことが影響しています。

生活必需品とヘルスケアが多いこと自体は納得しているのですが、もうちょっと他業種の銘柄もポートフォリオに含めた方がいいかなあと最近考え中です。値動きの異なる銘柄を複数保有してボラティリティを抑えるという投資の基本に立ち返りたく。

資本財セクターで欲しい銘柄

最近、調べ始めているのが資本財セクターです。長期投資に向いていないという先入観があってこれまでウォッチを怠ってきましたが、景気循環型の銘柄を1つ2つ持っていてもいいかなあと考え始めました。

同セクターの主要銘柄をピックアップしてみます。

ボーイング(BA)
ハネウェル・インターナショナル(HON)
ユニオンパシフィック(UNP)
ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)
ロッキード・マーチン(LMT)
スリーエム(MMM)
ゼネラル・エレクトリック(GE)
キャタピラー(CAT)

いずれも名の知れた有名企業です。

さて、どうやってスクリーニングするか。そうだなあ、先ずは過去の長期リターンが気になるところです。ということで、1986年~2018年までの31年間のトータルリターン(年率)を調べてみました。結果は以下の通り。

先ず目立つのがGEのリターンの悪さです。業績悪化、減配とここ数年のパフォーマンスが悪いのは承知していましたが、31年というスパンで見ても5.8%と芳しくない結果なんですね。

GE以外はどの銘柄も年率10%を超えるリターンを残しています。資本財セクターのリターンは良くない印象を持っていましたが、時に裏打ちされた優良企業はそんなことありませんでした。

ユニオン・パシフィック(UNP)、ボーイング(BA)、キャタピラー(CAT)が上位3社です。UNPが頭一つ抜けている感じですね。イノベーションがあまり起こらない地味な鉄道事業こそ株主リターンが高くなるんですね。『株式投資の未来』で学んだ通りです。

アンディ・ケスラーは、ウォールストリートジャーナル紙に『配当を憎む』と題するコラムを寄贈し、こう述べている。

「配当は経済成長を生まない。落ち目の企業は配当で投資家を抱き込もうとしているだけだ。それよりも、将来性ある企業の事業投資を支援して、高リターンを狙うのが正解だ。配当が高ければいいだけの話なら・・・・鉄道株を後生大事に持っていればいい。」
(中略)

ケスラーは鉄道株を保有する投資家をからかっているが、鉄道株は過去45年間、工業セクター全体どころか、S&P500種平均さえ上回る運用成績を達成している。

ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』より抜粋

ただし過去は過去です。未来は過去の延長とは限らないから、リターン実績は銘柄選別の材料の一つに過ぎません。でも鉄道株は以前から魅力を感じていたから、UNPは有力候補の一つになりそうです。

あとはどういう視点で銘柄を選ぶか。とりあえず、過去のPLとキャッシュフローを眺めてみました。すべてエクセルで取っているので。感覚ですが、一番業績が安定してるなあと思ったのはスリーエムですね。ボーイングも良い感じ。逆に不安定だなと感じるのはキャタピラーかな。

次に各銘柄のバリュエーションを把握しておきます。2019年予想PERと配当利回りは以下の通りです(2019年9月3日時点)。

GEとキャタピラー以外は、どの銘柄もS&P500平均と同程度です。737MAXの問題が尾を引いているボーイングはやや割安に見えます。ロッキードは今年グングンと値を上げちゃいましたね。昨年末に拾えた人あっぱれ。一番気になっているユニオンパシフィックはPER18倍とやはり安くはない。利回りは2.4%か。まあS&P500平均よりは高いな。

全体的に配当利回りはそこそこ高いですね。スリーエムなんて3.6%もありますし。こちらはロッキードとは対照的に今年かなり売り込まれています。財務データ見る限り優良企業ですから、長期的に見れば買い時な気もしますがわかりません。

明確な根拠を説明できるわけじゃありませんが、資本財セクターで欲しい銘柄は以下の4つ。欲しい順に書くと
①ユニオンパシフィック(UNP)
②スリーエム(MMM)
③ボーイング(BA)
④ロッキード・マーチン(LMT)

資本財セクターは米中関税問題が悪化したり、景況感が悪化したりすると、大きく売られることが想定されます。逆にそれらの懸念が収まれば大きく値を上げる可能性もあります。私はディフェンシブ株が多めですから、分散のためにも資本財セクターを1つくらい保有するのもありかなあ。UNP欲しいなー。

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