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【PM銘柄分析】フィリップ・モリス・インターナショナルは「アイコス」で成長を目指す世界2位のたばこ会社

   

※2016年度データ更新済み
※記事更新(2017/11/5)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)をご紹介します。


   PM財務情報

基本情報

会社名 フィリップ・モリス・インターナショナル
ティッカー PM
創業 1987年
上場 2008年
決算 12月
本社 ニューヨーク州
従業員数 79,500
セクター 生活必需品
S&P格付 A
監査法人 PwC
ダウ30 ×
S&P100
S&P500
ラッセル1000

 

地域別売上高

2008年にアルトリアグループの米国外事業が分離してできた会社なので米国売上はゼロです。

事業構成

たばこ及び関連製品の製造販売。

 

業績

 

キャッシュフロー

 

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

※単位は「百万ドル」ではなく「ドル」の誤りでした。

 

連続増配年数

9年

 

バリュエーション指標等(2017/11/4時点)

PER:22.8倍 最新情報はこちら

配当利回り:4.2% 最新情報はこちら

配当性向:89% 最新情報はこちら

 

感想

フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は世界売上高2位のたばこ会社です。かつては世界トップでしたが、レイノルズ・アメリカンを買収したブリティッシュ・アメリカン・タバコが現在は世界最大のたばこ会社となっています。

米国を除く、アジアや欧州など32カ国でビジネスを展開しています。

フィリップモリスは2008年に米アルトリア・グループの米国外事業が分離してできた会社です。米国は訴訟社会でFDA(アメリカ食品医薬品局)の規制も厳しいです。これら不確定要因を切り離すために米国外事業を分離しました。

先日FDAがニコチン含有量規制を検討しているとの報道を受けて、米国事業を持つアルトリアの株価は急落しましたが、米国外事業を持つフィリップモリスの株価はあまり影響を受けませんでした。米国外事業をフィリップモリスとして分離した効果を実際に感じることができました。

マールボロやラーク、パーラメントなどのブランドを持っています。特にマールボロは有名ですね。たばこを吸ったことがない私ですら名前を知っていた銘柄です。

フィリップモリスは加熱式たばこ「アイコス(iQOS)」に経営資源を集中させています。私の同僚の感想によると、アイコスは紙巻きたばこに比較的近い味になっているようです。その同僚は満足しているみたいです。「今から紙巻きたばこに戻るなんてあり得ない」とまで言っていました。PM株主としては嬉しい感想です。

現在アイコスは25カ国以上で販売されています。アイコスは紙巻たばこより利益率がかなり高いようで、今後のフィリップモリスの主力商品となることが期待されます。

フィリップモリスの過去10年分の財務データを確認しました。

売上高は過去10年間、250億ドル~300億ドルのレンジ内で推移しています。最近売上高が減少しているのは、欧州・アジアでの販売本数減に加えて、ドル高が悪影響しています。2017年は予想外にドル安ユーロ高が進んでおり増収が期待されます。

粗利率は65%と高いです。ちなみに、比較してよいかわかりませんがコカ・コーラ社の粗利率は約60%です。タバコの粗利率は高いです。

ROEのグラフがFY12から底に張り付いていますが、純資産がマイナスとなり(つまり債務超過)ROE算定不能になっているためです。

キャッシュフローは美しいです。毎年多額の営業CFを荒稼ぎしています。営業CFマージンは30%もあります。設備投資が少なくて済むのでフリーCFも潤沢です。なんて例えるべきでしょうか、、このキャッシュフローは札束のシャワーを浴びているようなものです。空からドル紙幣がパラパラと落ちてくる感じでしょうか。それくらい稼いでいる印象です。

配当は一貫して増配を続けています。配当利回りは2017年11月現在4.2%あります。配当性向は90%近くあって増配余地は限られます。限界まで配当で株主に還元している印象です。

自社株買いは直近2年(FY15とFY16)はほぼゼロでした。それでも総還元性向は90%を超えています。利益のほぼ全額を配当で株主に返還しています。

 

 

ジェレミー・シーゲル氏の『株式投資の未来』によれば、20世紀後半のフィリップモリスのリターンは、年率19%を超える高水準なものでした。100万円を年率19%で50年間複利運用したら約60億円になります・・。

当時ウォール街はたばこビジネスに悲観的でした。喫煙人口は世界的に減少すると思われていたし、規制強化によって巨額の賠償金負担もあり、たばこ会社は最悪倒産するかもとさえ思われていました。たばこ会社のPERは市場平均を下回っていました。

しかし、実際はたばこは売れ続けました。結局フィリップモリスは一度も減配することなくむしろ増配を続けました。

投資家が卓越したリターンを手にするのは、実際の増益率が期待を上回ったときだけだ。増益率そのものが高いか低いかは関係ない。

ジェレミー・シーゲル『株式投資の未来』より

たばこ会社に対する「期待」はとても低かったです。そういう事情があって、20世紀後半フィリップモリスの投資リターンはS&P500平均を大きく上回りました。

翻って現代はどうでしょう?

「アイコス」など加熱式たばこのおかげでたばこに対して嫌悪感を示す人は減少している気がします。訴訟も減っています。政府規制の脅威は依然として残るものの、たばこ会社の業績は総じて順調です。

PMの現在のPERは23倍で市場平均を超えています。たばこ会社の将来に対して過度に悲観的なっている雰囲気は感じられません。たばこ会社がかつてのような高リターンを投資家にもたらしてくれると期待すべきではないと思います。

しかし、あれだけ莫大なキャッシュを毎年稼いでそれを忠実に株主に還元している会社です。長期で保有して地道に配当再投資を繰り返せば、S&P500平均を超える程度のリターンは提供してくれるかなと期待しています。

 - 米国株銘柄分析