Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!

米国株投資を通じて資本主義社会を豊かに楽しく生きる

*

アルトリア・グループ(MO)の株主想いの危険なバランスシート

      2017/02/18

シーゲル教授は、20世紀後半に最も高リターンな銘柄はフィリップモリスだったという事実を明らかにしました。

やっぱり、たばこ銘柄はこれからも強いと思います。強いっていうのは企業の成長が著しいという意味ではなく、株主リターンが高いという意味でです。

過大な設備投資が不要で、稼いだお金をジャンジャン株主に返還する企業の株を長期で保有して、配当再投資を繰り返すこと。これが長期投資で最も高いリターンを得る方法だと思います。

ハイテク銘柄のように成長著しくはないけど、地味に自社株買いや増配を続ける会社ってミーハーな”いけてる”個人投資家の目に止まらないので、株価も無駄に高騰しない傾向にあります。だからこその高配当利回りなわけですが。

だから、米国個別株への投資をされている方はフィリップモリス株やアルトリア株を積極的に買われるといいと思います。もちろん1銘柄がポートフォリオの大半を占めることがない様にする必要はありますが。

さて、アルトリア・グループは2003年にフィリップモリスから名称変更した会社です。フィリップモリスが米国外のマーケットを担当しているのに対して、アルトリアは米国マーケットを担っています。

アルトリアは配当利回りも3.5%近くある高配当銘柄です。稼いだ金をガンガン株主に還元している超優良企業です。

最近は株価が上昇して配当利回りが下がっていますが(それでも3.5%もある)、リーマンショックが起こった2008年から2012年くらいまでは5%を超える利回りがありました。

MOがいかに優良企業であるかは、バランスシートを見ればわかります。MOのBSは一見すると危ない状態に見えるのですが、私にはこれがとても株主想いな素晴らしいBSに見えます。

流動比率という言葉をご存知でしょうか?

流動比率=流動資産 / 流動負債

流動資産とは現預金及び1年以内に現金化できる資産です。売掛金とか在庫って普通は1年以内に現金になりますよね。

流動負債の金額は1年以内に生じる現金の流出額を指します。短期の借入金とか仕入債務とかです。

会社がつぶれる時っていつですか?

営業赤字? 最終赤字?

違いますね。

キャッシュがショートしたときです。

営業利益率30%の超高収益企業でも資金繰りの目測を誤ってデフォルトを起こせば倒産です。逆に、赤字を垂れ流し続けている会社でも、銀行が支援して資金が回っていれば倒産しません。俗に言うゾンビ企業とはそういう会社です。

つまり、流動負債(1年以内に現金流出)の金額に相当する現預金を用意できなければ、会社は潰れるということです。だって流動負債は1年以内の支払義務がある金額なのですから。

ということはですね、普通は流動負債より流動資産が多くなくてはいけないのです。

流動資産 >> 流動負債 ←これが原則

そうでなければ、流動負債を返済する資金がないということになり、それは倒産の危機を意味します。流動比率が100%を切っている会社は危険信号です。

そんな会社の株を長期投資家が買っていはいけません。

なのですが、、

MOの流動比率っていくらだと思いますか?

超優良企業だから余裕で100%を超えていると思います?

ちなみに経営学の教科書では、流動比率は200%を超えることが望ましいと書かれています。

まあ、ここまで引っ張っているのだから答えは想像ついているかもしれません笑。

MOの流動比率は100%を切っています!

86%です。

MOは倒産の危機にありますw、、そんなわけないです、安心して下さい。

でも経営学のテキストに則ってMOのバランスシートを評価すれば、失格です。ダメなBSです。危険なBSです。

こんなイメージのBSです。

繰り返しますが、流動負債の方が流動資産よりも大きいです。

普通なら経営が厳しい会社のBSです。

でもMOは違います。

なぜ、MOはこんな危険なBSでも大丈夫なのでしょうか?
なぜ、MOの経営者はこんな危ないBSを作っているのでしょうか?

それは、たばこビジネスや食品ビジネスが常に安定した営業CFを生み出すからです。その安定したキャッシュを株主に還元しまくっているからです。

一見して流動負債を返済する原資がありません。BSだけを見るとないように見えます。でもその原資はPLからやってくるということです。安定した売上高を上げているので、その営業CFを原資に負債は問題なく返済できるということです。

これは並みの会社でやれることではありません。

圧倒的なブランド力のあるアルトリアだから、やれることです。

はっきり言って綱渡りの資金繰りに見えます。

綱渡りの危険なBSになるくらいまで、株主に資金を返還しているのです。会社内部に無駄に資金を温存なんかせずに株主の財布にキャッシュを返しているのです。

MOの一見すると危険なBSは、MO経営者の株主を想う気持ちが詰まっているように見えます。

こういう会社ですよ。長期投資で保有すべき会社とはこういう会社です。

安定して高収益なディフェンシブ銘柄なのが長期投資に相応しい銘柄の要素なのですが、やっぱり最も大事なのはコーポレートガバナンスなんです。如何に経営者に無駄金を使わせずに、株主に誠実な経営をしてもらうかということです。

それは数字で表れます。配当や自社株買いという数字ではっきり見ることができます。連続増配の高配当銘柄を狙うのは正しい発想だと思います。株主に誠実な経営をしている否かを金で示せっていう発想ですね。

配当などの株主還元指標だけでなく、こうやってバランスシートからも感じ取ることができます。バランスシートから滲み出ていますね、株主重視の経営スタイルが。

ああ、やっぱり米国株投資が一番ですよ。

たばこ銘柄は将来有望です。

アルトリア・グループ(MO)への長期投資は正解ですよ。

 - 投資理論・哲学