長期投資のリターンは配当に左右されます。配当が重要です。このブログで一貫して主張しているメッセージです。しつこいくらい言い続けてすみません。
しかし、本当にすべての投資リターンが配当になるのは、企業が清算するまで株を持ち続けた場合です。実際は、投資家の寿命の方が(優良)企業の寿命よりも短いので、いつか株を売却することが想定されます。そうなれば投資リターンがすべて配当とは言えません。キャピタルゲイン(売却益)も投資リターンを構成することになります。
たとえば、1916年~2016年のNYダウの投資リターンに占めるキャピタルゲインとインカムゲインの割合を試算するとこんな結果でした。
期間 | キャピタルゲイン | インカムゲイン(配当) | トータルリターン |
1916年~2016年 | 35% | 65% | 100% |
過去100年間のNYダウへの投資リターンのうち、65%は配当がもたらしました。これは多いのか少ないのか。100年投資を続けても、キャピタルゲインが占める割合が3割以上あるとも言えますよね。
あなたは100年間も投資を続けますか?
無理ですよね。子どもに相続するなら別ですが、自分の代だけ考えるなら投資期間は長くても50年~60年でしょうか。株式投資の重要性に気が付くのは30歳くらいが多いですかね。子どもの教育資金やマイホーム資金を真剣に考える時期に、資産運用を検討し始める人が私の周りには多いです。20歳前後から投資を始める人は少ないでしょう。そもそも若い内は投資に回せるお金も少ないでしょうし。
別に40歳、50歳から投資を始めるても遅いってことはありません。そもそも、世の中を見渡せば株式投資をやってない人が大半のわけで、投資を始めるのが遅くなろうと投資を始めた時点で周りより優位に立っていると言えます。
仮に20歳から投資を始めても、100年投資を続けるのは無理です。
過去100年のNYダウ投資リターンの65%は配当がもたらしました。投資期間が長期になればなるほど、投資リターンに占める配当の割合は高くなっていきます。と言っても、100年間もの超長期間でもその割合は65%に留まります。
あなたの想定投資期間はどれくらいでしょうか?
長くても50年くらいでしょうか?
ちなみに私はあまり投資期間というものを意識はしていないです。必要あれば取り崩しますけど、特に必要なければずっと保有し続けるかもしれません。
30年~50年程度の投資期間であれば、配当よりもキャピタルゲイン(売却益)によるリターンの方が大きくなる可能性が高そうです。
私はいつも配当配当と言っておりますが、株式投資のリターンの大半が配当になることは現実的には考えにくいです。実際はキャピタルゲイン(売却益)の方が、投資リターンに占める割合は大きくなることでしょう。投資期間が30年程度であれば、ほぼ間違いなくキャピタルゲイン(売却益)の方がインパクト大になるはずです。
配当だけでなくキャピタルゲインも重要です。ただ、将来の増配期待を織り込んでこそのキャピタルゲインである以上、キャピタルゲインの源泉も配当です。配当(インカムゲイン)とキャピタルゲインってあまり区別できるもんじゃないなあと思います。税務的には大違いですが。
こんばんは
くりっく株のダウは1500上方乖離した挙句2日で1500暴落しました。
よく分からない値動きの原因はダウが最高値を更新しまくり買い建玉が増加してマーケットメイカーが金利差をカバー出来なくなったことのようです。
今後は買い建玉を保有する際に外貨金利が適用されるようです。長期保有する魅力が減ったとともに値動きにも一抹の不安が…
どうするか迷います
こんにちは。
くりっく株のダウについては、まだポジションお持ちだったのですね。
先日止めるとおっしゃっていたのは、日経平均の取引ということでしたか。
私は適度なレバレッジを掛けてNYダウに投資する戦略は経済合理的だと思っています。
そのレバレッジの掛け方の理想は、銀行に低利で証書貸付してもらうことです。
しかしそんな甘い話、世の中ありませんね・・。
ってことで、信用取引も一つの選択肢だなって思ってます。
くりっく株NYダウでそんな事件(事故?)が起こってたのですね。
今ってそんなに買い建玉が増えているのですね。
マーケットがそこまで加熱している印象は持ってないので意外です。
とにもかくにも、結果として一時的に指数と乖離するリスクがあるということですね。
覚えて置きます、勉強になります。
HIROさん
いつもブログ楽しく見させてもらってます^ ^
来年から社会人をするにあたって、米国株式投資に興味をもってるんですが、気になる点があるので質問させていただきたいです。
できるだけ株式投資に時間(個別株、経済関連の情報収集など)を割きたくない、という理由からインデックス投資できるETF、そして特にVOOやVTIよりは将来的にキャッシュフローが多くなると思われるVYMに投資しようと思っています。
VYMを買うならば50〜60年ホールドしたいと考えているのですが、米国株式のみに何十年も投資し続けるのは危険ではないのかなという気持ちもあります。
20代前半からほかの国の株式や不動産、その他の投資などに振り分けずVYM一本に投資することは実際どうなのかということについてHIROさんのお考えを聞かせてください。
よろしくお願いします。
ライオンキングさん、はじめまして。
こんにちは。
来年から社会人ということは学生さんということですかね。
若い方にもご覧頂けて嬉しく思います!
ご質問について、私見を申し上げますね。
結論としては、米国株1本でOKですがVYMだけにこだわる必要はなく他の商品も合わせて投資してもいいかなと思いました。
これから50年長期投資されるご予定でしたら、資産クラスは株式100%で良いと思います。
各投資家によって、家庭環境やリスク許容度は異なりますから絶対の答えはありませんが、一般論としては20代前半でしたら株式100%で問題ないです。
株式は短中期的には株価が大きく上下しますし、一時的に元本割れしたり債券のパフォーマンスを下回ることもあります。
しかし、30年~という期間で見るなら株式はインフレにも債券にも勝ちます。それは今後も変わらないはずです。
株式会社が社会に価値提供してキャッシュを稼ぎ、かつ株式会社の事業に一定のリスクをマーケットが感じている限り、株式投資のリターンは今後も期待できます。
株式以外にも金や不動産といった資産クラスがあります。
金は長期保有には向かないので無視した方がいいです。
金を長期保有するとは将来のインフレ率に賭けているようなもんで、投資とはやや性質を異にします。
不動産は検討に値する選択肢です。
ただ不動産投資の最大のメリットは負債をファイナンスしてレバレッジ投資できる点です。
個人が低利で融資を受けれるのは不動産ローンくらいなもんです。
自己資金の範囲内でREITを買うくらいなら、米国株を買った方がいいと思います。
負債をファイナンスするのは合理的ですが、まだ学生さんですし銀行から融資を引き出すのは難しいです。
また、実質投資利回りが良い案件を目利きするのは難しいです。不動産は単価も高いですし、やるなら事前に相当の勉強が必要です。
レバレッジを掛けて不動産投資をすると、総資産が小さい内はポートフォリオ全体に占める不動産の割合がどうしても高くなります。
最初は自己資金の範囲内で流動性の高い株式を少しずつ買っていくのが良いと思います。
株式100%でOKとして、米国株だけでいいのか?という疑問はごもっともです。
ここは意見の分かれるところでしょうが、個人的には米国株だけで問題ないと思います。
S&P500の平均海外売上比率は50%を超えています。米国株投資=グローバル投資です。
米国の大企業に投資すれば、アジア新興国の成長もきちんと取り込めます。
アジアの成長を取り込むためには、アジア株よりむしろ米国株に投資した方がいいくらいです。
また、企業の利益成長と株主リターンは長期では連動しないという事実があります。
米国は中国やインドの経済成長率より劣るでしょうが、それが投資リターンを下げることにはなりません。
長期投資で大事だと思うのは以下の2点です。
・マーケットの透明性が高くて、株価が合理的な値段で取引されている。
・企業のコーポレートガバナンスが盤石で、株主のお金が無駄遣いされす資金効率が高いこと。
米国マーケットはこの2点を満たします。
もし米国以外に投資したいと思うなら、欧州が良いと思います。
たとえば、英国にはユニリーバなど優良企業がたくさんあります。
欧州株に連動するETFも良いですね。
新興国株は不要だと思います。
株式その中でも米国株だけで良いとして、今度は商品選びがありますね。
米国の資産運用業界は日本より進んでいて、バンガードやブラックロックなどが格安のETFを提供してくれています。
バンガードVYMは高配当ディフェンシブ銘柄を中心に構成されていて、長期投資向きだと思います。
良い選択肢だと思います。
ただ、最初からVYM1本に絞る必要もないかなと思いました。
VYMなどの高配当ETFがS&P500のパフォーマンスを超える保証はありません。
少なくともここ5年間で見れば、S&P500が勝っています。
高配当ETFは設定されてからの年数がまだ短く、過去の長期パフォーマンスを確認できません。
もしVYMだけに投資することに不安感を覚えるのでしたら、IVVやVTIなど他のETFも合わせて投資されることを検討してみてもいいかもしれません。
実際に投資する中で、各商品毎のボラティリティの差、分配金の差、金利の感応度の差などを感じ取れると思います。
色々と経験してみる中で、最終的に投資する商品を決定するのもありかなと思いました。
とは言え、投資にあまり時間を使いたくないとのことですので、初めっからVYM1本でも全く問題ないと思います。
VYMを長期ホールドすればリターンは手堅く得られるはずです。
投資を始めるにあたって不安や悩みはたくさん出てきますよね。
ただ、学生さんでありながら、すでに低コスト米国ETFという選択肢に辿り着いている時点で将来安泰ですよ。
ぜひ、株式投資続けてみて下さい。
とても優秀な学生さんだと思いますので、すでにお気づきかもしれませんが、人が馬車馬のように労働して稼ぐ時代じゃなくなっています。
いかに上手く資本収入(つまり半自動化された収入源)を持つかが、楽に人生をサバイブするために大切なことになっています。
そして、現代はネット環境のおかげで個人が資本所得源を作り上げるのが簡単になっています。
簡単と言うと語弊がありますが、努力すれば可能な範囲になっています。
資本所得を作るために行動する人行動しない人、この2者間の経済格差は広がるばかりです。
資本家への道を進むのは、早ければ早いほど良いです。
株式投資はお手軽に資本所得を作る方法の一つです。
HIROさん
大変わかりやすい説明ありがとうございます。
米国株投資=グローバル投資これは何度もブログでおっしゃっていたことでしたね^ ^
そう考えたら株式100%なら米国のみの投資で全く問題なさそうですね。
不動産に関しまして、ローンというレバレッジをかけられるのが最大のメリットというのは同意見です。
不動産を購入してしまった時点でポートフォリオ内の不動産の割合が大きくなりすぎる、保有資産が円だけになる。というのはやはり危ないですよね。
とりあえずは不動産は保留でコツコツ米国に投資しようと思います^ ^
今はまだVYM一本に絞るだけでなく、他のETFもいろいろ見てみようと思います。
社会人になるまであと5ヶ月くらいあるので、引き続きHIROさんのブログなどで勉強させていただき、何に投資するか考えて見ますね。
丁寧なお返事本当にありがとうございました^ ^
ご丁寧に返信ありがとうございます。
学生時代から米国ETFの勉強をされているライオンキングさんを素直に尊敬します。
私が米国株に投資したのは30手前でした。
もうすぐ社会人ですか、来年からお仕事頑張って下さいね。
そして何より、残り5カ月の学生生活を楽しんで下さい!