PERが高くとも日本株より米国株を選ぶ

私たちは日本人ですから、株式投資を始めようと思ったとき先ずは日本株という選択肢が思い付きます。身近な企業が多いですし、IR情報も日本語なので読みやすい。また何よりも日本株はバリュエーション面で見て割安です。

が、私は少なくともインデックスなら日本株よりも米国株を選びます。

項目 S&P500 TOPIX
予想PER 20倍台 14倍台
配当利回り 1.7% 2.4%
PBR 3.9倍 1.2倍

PER、配当利回り、PBRいずれの指標で見ても日本株(TOPIX)の方が割安です。

私は配当が欲しい性格なので配当利回りは0.1%でも高い方が嬉しいです。また、どちらかと言うと低PERの銘柄に魅力を感じがちです。

そんなバリュー株好きな私であっても長期投資対象としてはTOPIXではなくS&P500指数を選びます。バリュエーションが高くとも米株を選びます。

なぜかと言えば、単純にたとえ表面的なバリュエーション指標で割高に見えても、アメリカ株の方がトータルリターンで日本株を上回ると思うからです。

高配当、低PERに魅かれがちではありますが、目前の配当や益回りを高くすることが第一目標ではありません。重要なのは長期的に儲かるか否かです。

上記3つの指標でもっとも重要視しているのはPER。PERで見ればS&P500指数はTOPIXよりも1.4倍ほど割高です。ですが、それを考慮しても米株の方が長期で高いリターンが期待できると思います。

アマゾン、マイクロソフト、アップル、アドビ、セールスフォースなどなど、これからの50年のデジタル経済を牛耳ると思われるのは米国企業ばかりです。プロクター&ギャンブルやコカ・コーラなど消費財系のブランド力も健在。

TOPIXのPERが10倍でS&P500指数が30倍とか、ここまで差が広がればさすがに米株インデックスへの投資も躊躇しちゃいますが、今くらいの差であれば迷わず米株を選びます。

米株での銘柄選別では低PER、高配当を選びがち

配当好きですが、高配当だからってすぐ飛びつくわけじゃありません。低PERだからってすぐに飛びつくわけでもありません。一見割安に見える日本株はスルーして米国株を選んでいます。

が、こと米株の中での個別銘柄選びになると高PERのグロース株を差し置いて、低PER・高配当な銘柄、いわゆるバリュー株に飛びついちゃうところがあります、私は。

そんな逆張り戦略でミスって損失確定をした銘柄としてはIBMやAT&T(T)なんかがあります。

銘柄選びになると成長期待よりも目前の利回りを優先させてしまうところがあるんですよね。そんな自分の性格を自己分析してみました。なんでせっかく成長優先で、割安な日本株ではなく割高な米国株を選んだのに、肝心の銘柄選別で利回り重視で低PER銘柄を選んでしまうのか。

それはきっと、マーケットの評価が低い企業であっても、その損益計算書やキャッシュフロー計算書を見るとすごく高収益だからです。そこに魅力を感じちゃうんだと思います。「え、こんな優良企業なのにPER10倍で買えちゃうの!?」的な。

永遠の不発弾などと揶揄されるIBMですが、PLを見ると収益性は高いです。当然毎年黒字ですし、営業CFマージンも高い。それでPER10倍なら「買い」なのではと考えました。IBMは損切り済みです。

今私が投資している低PER銘柄の一つとしてシスコシステムズ(CSCO)があります。同社のPL、キャッシュフローを見ると非常に収益性の高いビジネスを持っていることがわかり、こんな企業の株をPER10倍台前半で買っていいものかと思ってしまうほどです。

もちろん、利益率が高いだけで成長がないといくらPERが低くても株主は報われません。ただ、利益率が高いということはそれだけ独占業務を行っているということであり、成長可能性も高いのかなと思ったりもします。

結局、長期の投資リターンは今の利回り(つまりPER)と今後のEPS成長のバランスで決まります。米国の低PER銘柄はマーケット評価が低い割に、将来に期待が持てそうな綺麗で強固なPLを持っていることが多く、そこに投資妙味を感じてしまいます。

決して目前の利回りに釣られてるわけではないです(それもちょっとあるけど)。トータルリターンという観点から見て有望に見えるから買う。

でも、結果は出ていません。少なくともこの10年はグロース株の勝利。

いずれバリュー株の時代が来ると言われ続けて、もはや来る来る詐欺の状態です。いや、そういうマーケットの雰囲気はどうでもいいんよね。資金がグロースからバリューに流れるとか、そういう資本家側の都合はどうでもいいです。

大事なのは、低PER銘柄も低い期待を超える程度のEPS成長を達成すること。きちんと決算で結果を残せば株主リターンは嫌でも後から付いてきます。

どうなるか確実な未来は予測できませんが、私は米バリュー株への希望を捨てていません。不安もあるのでだいぶグロース株と入れ替えましたが、ポートフォリオの一部は今後もバリュー株へ賭けるつもりです。