以下はゴールドマンサックスのソフトウェア業界担当アナリストKash Rangan氏の推奨銘柄です。

アドビ(ADBE)
マイクロソフト(MSFT)
セールスフォースドットコム(CRM)
サービスナウ(NOW)
スプランク(SPLK)
ワークデイ(WDAY)

この一覧見てどう思いますか?

ふーんって感じですよね。別に真新しさはないというか、確かにこれら企業は良い決算を出している企業だよねと納得します。

「こんな有名優良企業でよければ俺でも推奨銘柄としてピックアップできるで!」って感じですw。

こういうのは何を言うかよりも誰が言うかの方が肝心。私が推奨銘柄を言っても誰も見向きもしないでしょうから。実績のあるアナリストが言うことに意味があるわけですね。

とは言え、誰が見ても好決算のマイクロソフトやセールスフォースを今更オススメされてもね~とは思っちゃいます。

ここで「IBMがこれから復活するぞ!」とか言われたら、んんっと思ってアナリストの分析を詳細まで読みたいと思いますけど。

まあ、他人に投資をオススメするというお節介なことをする以上は、誰が見ても短期的なモメンタムは良さげでPERも高い銘柄をチョイスするのは仕方ないことだとは思います。良い決算の企業の株主リターンが高くなるのは事実なわけだし。

ジム・クレイマーは「PERとは競馬におけるオッズみたいなものだ」と言っています。

これはPERというより益回りに置き換えた方が考えやすいかなと思います。

セールスフォースのPERは50倍(益回り2%)
IBMのPERは10倍(益回り10%)

単勝オッズ2倍か10倍か。

普通に考えれば2倍の馬が勝つ可能性が高いわけです。勝っても儲けは小さいけど。10倍の馬は勝つ見込みは薄いけど、もし勝てばそこに賭けた人はたくさん儲けることができます(万馬券ではないが)。

PERが低い(益回りが高い)銘柄の方が、一般的には割安で株価に安全域があると思われています。高PER銘柄は成長ストーリーが消えれば、プレミアムが剥がれて暴落する恐れがあると。

そういう見方もありますが、私はジム・クレイマーの発想の方が現実的かなと今は思っています。つまり、オッズが低い高PER銘柄の方が安全ということです。もちろんPERに限度はあるけど。

実際に個別株投資をやってみると分かるのですが、低PER銘柄の方が暴落することが圧倒的に多いです。昨夜もシスコがCEOの悲観的見通しから安定の暴落相場を演じてくれました。シスコのこの類の値動きにはもう慣れましたけどね(苦笑)。

IBMも先日の決算が悪くて結構落ちましたよね、確か。

個別株で保守的なポートフォリオを組むなら、安易にオッズの高い低PER株に手を出さない方がいい、というのが今の私の考えです。

5年前とは考え方が大違いですね。当時からブログ読んでくださっている方からしたら、こいつ言っとること変わり過ぎやろ!って感じだと思います。経験を通じて(特に損した経験)、投資に対する考え方が変わったということでよろしくお願いします。

ただ、低PERの所謂バリュー株はオッズが高いわけで、地道に持ち続ければ報われるかもしれません。事業自体は安定している成熟企業が狙い目かなと思います。「金のなる木」を持っている企業ですね。

バリュー株は短期的な株価の値上がりは期待できないでしょうから、市場平均に遅れをとる可能性が高いです。

他人からお金を預かって年度でパフォーマンスを測定されるファンドマネージャーは、悠長にバリュー株なんて持ってられないでしょう。ミスった時に出資者に説明もできないだろうし。

目前のアンダーパフォームに目をつぶってバリュー株を持ち続けることができるのは個人投資家だけじゃないでしょうか。

私は個別株では成長株を中心に狙うことにしました。S&P500指数よりもいくらかプレミアムが乗った銘柄が安心できます。

一方で、バンガードVYMなどのETFを通じてバリュー株への長期投資も続けます。低金利環境でまだ苦戦が続くと思われますが、長期的に大型バリュー株が勝つ可能性も捨ててません。

シスコなど個別銘柄のバリュー株の処遇は要検討です。