順張り、逆張りという言葉があります。順張りは価格が上昇トレンドにある時に、それに乗っかって買い進むこと。逆張りは価格が下落トレンドにある中で下値を拾うこと。
確かにこれが一般的な解釈ではありますが、「一見順張りに見えて、気持ちは逆張り」な投資もあると思うんです。特に優良株投資ではこの発想は大事かな~って最近思います。
逆張りは精神的にしんどいです。私はよく逆張りやるのでわかります。何がしんどいかと言うと、大抵底値で拾うことなんてできず自分が投資した後も下落トレンドは終わらないことが多いことです。しかも、このトレンドは数週間どころか数年続くこともあり得ます。「落ちてくるナイフをつかむな」という格言が正しいことは身をもって何度も経験しました。
まあ、これは逆張り投資家の宿命です。下落トレンドは続くだろうと想定して買ってはいますので、覚悟はしていますが。最近のエネルギー株なんてそんな感じです。
逆張りは精神力と忍耐力が求められるのですが、実は順張りも逆張りと同じくらいに、いやそれ以上に強い精神力が要求されると思います。
順張りとは上昇トレンドに乗っかることですが、皆が買ってるから安心して買えるというメリットがあります。一方で、以前より高い価格で投資しないといけないのか・・という苦痛もあります。
個人的にはこの苦痛は結構大きいです。
半年前に100円で買った人が大勢いるのに、今自分が買う時は120円も出さなきゃいけないのか。は~なんか悔しいな、嫌だな。この半年で企業価値が20%も上がったわけでじゃないだろ。たった半年で企業の実態なんて何も変わらんし。今買ったら高値掴みになるんじゃないか。高値承知で投資しておいて、ソッコーで暴落したら嫌な気分だな・・。
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これが私の本音。順張りを避けたがる理由です。
逆張りが好きというより、順張りが苦痛だから消去法的に逆張りをやっちゃいがちです、私は。1週間前に1万円で買ったジャケットが、別の日に8千円で売られたら凄く悔しい。そんな感じです、順張りって。
しかし、一部の優良株に限って言えば順張りで買い続けても何ら問題ないケースが多いです。具体的な銘柄を挙げれば、たとえばヘルスケア大手のジョンソン&ジョンソン(JNJ)とか。
以下はJNJの長期株価チャートです。
ご覧の通り、JNJに投資するためには常に順張りの精神が必要です。
短期的な調整局面も見られますが大抵すぐに反発してます。「ああ、最高値付近で買うことになるな~、辛いなあ」という思いを抱きながらでないとJNJへの投資を続けることはできません。下落を待っていてもなかなか訪れないし、あってもすぐに反発します。優良株だからです。
これは持論なのですが、JNJのような優良株は常に割安になってます。ただし長期保有が前提の話です。現在のJNJの予想PERは16倍(益回り6.3%)ですが、このバリュエーションはJNJの長期的な増益を多分反映できてないです。
だからこそ、未来が現実として実現するに連れて(時間が経つにつれて)、JNJの株価は勝手に切り上がっていきます。
JNJへの投資は順張りとなることが大半ですが、気持ちとして逆張りでいいんだと思います。現在の株価は145ドルでやっぱり史上最高値付近。チャートだけ見れば割高。でも多分割安です。長期投資前提ならJNJほどの優良株がPER16倍は安いと思います。少なくとも割高ではない。
『株式投資の未来』を初めて読んだ時、長期投資で成功するためには逆張り的な発想が必要なんだって思いました。その思いは今でも変わってません。ただ、下落トレンドにある銘柄を拾うことだけが逆張りではないかもなって思います。
上昇トレンドにある銘柄であっても、株価が(長期的な)本源的価値を下回っていると判断して買うならそれは発想は逆張りです。バリュー投資的発想です。
見た目は順張り、気持ちは逆張り
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長期投資で大切な心持ちはこれなのかなって最近よく思います。
順張り投資は意外にしんどい。逆張りよりもしんどい。でも、そのしんどい順張りを、逆張り的発想を持って続けられる投資家が成功するんじゃないかって思います。
買値は常に大切ですよ。優良株への順張りを続けるといっても明らかに割高なタイミングは避けなくてはなりません。景気安定株でPERが25倍を超えたら黄色信号、30倍を超えたら赤信号かな、個人的な感覚としては。インフレ率、金利次第ですが。
IBMやクラフトハインツに投資するだけが逆張りではない(両銘柄とも最近株価低迷中)。一見株価好調なジョンソン&ジョンソンやコカ・コーラのような銘柄を買い増すことも逆張りと言えるかもしれません。勝手な個人的解釈ですが。
自分が理解できる、未来を信じれる一握りの優良株をコツコツ順張りで買い増す。優良株は常に割安な傾向にあるので、その戦略の成功確率はきっと高いだろうと思います。
2016年から米国株投資を始めました。始めて個別株を買ったのは2016年8月のこと。エクソンモービル(XOM)を買いました。あれかれもう2年以上。これまでの投資判断で反省点は山ほどあります。ここ最近、株式投資の考え方を見直しているところです。まだまだ勉強中。
こんばんは
順張りも逆張りも、シンプルに「数字の変化を受け入れる」…と、抽象化できるでしょうか
「受け入れる」ために…数字だけ見ずにビジネスを見ろ…この言葉の意味が自分の中で消化される感じです
ビジネスを見る……何を見るか難しいですよね。
Hiroさんのようにファイナンスの知識で深掘りしていくか、業界情報を頼りにするか、または日常生活にヒントをみつけるか…投資家毎に違う視点ですが……観察を怠る投資家に収益無し……こんなシンプルな表現が投資の本質でしょうか、たぶん
投資哲学をしっかり持って、投資銘柄をしっかり観察して…多少の変化には動揺しないイメージトレーニングだけは続けて行きたいと思います
いつも有難うございます
こんばんは。
ご指摘の通りで、、私はファイナンス的な観点からしかリスクを下げる術がないです。
ビジネス的な知識は薄いです。監査法人での経験は浅く広く色んな業界を見れてよかったですが、ネガティブに言えば専門セクターがないです。
今は事業会社なので、自分が属するセクターについてはそれなりに詳しくなれています。
といっても所詮経理なので、製品知識やR&Dに関する知識は乏しいです。
数字、会計は物事を抽象化する技術なのですが、抽象化し過ぎると現実のビジネスを忘れがちです。
>イメージトレーニング
ですね、大事ですね。
どれだイメトレしても、リーマンショック級がきたらビビりそうです。
10%程度の調整でもちょっと動揺してるくらいですから。
2008年に投資家でいたかった、、と言うのは傲慢でしょうか・・。
http://jp.kabumap.com/servlets/kabumap/Action?SRC=stockTrend/base
日本株の場合ですが、上のトレンドマップで見ると、長期で順張りより逆張りのパフォーマンスが少し良さそうですね。
割安要素が1番パフォーマンスが良いです。
ありがとうございます。こんなサイトあるんですね。
過去10年で検索しましたが、圧倒的に逆張りが強いです。
まあ、この10年の日本株の株価推移を考えたら当然でしょうか。
割安株はそのまま衰退しちゃうんじゃないかという不安と闘う必要があって、そのためにはビジネスに対する深い理解が必要だなって思います。